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資金調達ニュース(コンシューマ向けサービス編)Vol.3

“天パVC”ことXTech Veturesの古川です。Twitterも是非フォローお願いします。VCリストも作っていますのでぜひご活用下さい!
このnoteでは、国内外のC(コンシュマー)向けサービスの資金調達ニュースを紹介しています!ざっくり一週間単位で更新してます。

VCリストでの分類と同じく、下記カテゴリ毎に纏めています。

①Health/Bio/Wellness

「+kampo」を運営する株式会社オフィス薬局、商号変更とシードラウンドにて資金調達を実施
👉+kampo社は「OTC漢方薬」サービス提供とありますが、OTC医薬品(医師の処方箋が不要で、ドラッグストア等で自費購入できる医薬品)市場は今後拡大が予想されています。背景には、国が医療費抑制のため「スイッチOTC(医療用医薬品からOTC医薬品に転用)」の品目多様化やセルフメディケーション(医者に行かず自身でケアすること)を促進していることにあります。(こちらのSMBCレポートが参考になります)

OTC市場の中でも、
ドリンク剤、胃腸薬カテゴリは縮小(ヘビーユーザーの団塊世代が退職、健康食品/サプリとの競争激化、健康志向が高まり暴飲暴食が減少
が要因)
目薬、解熱鎮痛剤は市場拡大(インバウンド需要、スイッチOTC拡大)
しているそう(下記図参照)。
確かに訪日外国人によるドラッグストアでの爆買いシーンは良く目にしました。コロナにより飲み会頻度も減ったことで、ドリンク剤と胃腸薬は更に需要減ってるかもですね。

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小林製薬(「チクナイン」「命の母」「ナイシトール」等も漢方入ってる)のホームページの解説によると、漢方薬はそもそも特定症状へのアプローチではなく、身体全体へのアプローチとのこと。

漢方医学は伝統的な医学です。
西洋医学では、患者の訴えの他に検査の数値などから病気の可能性を探り、治療法を考えます。そのため、西洋薬は熱や痛みなど一つの症状や病気に対処します。
漢方医学では、患者の病状(訴え)や体質から身体全体のバランスを考えます。そのため、漢方薬は、原因が特定できないものや病気になる前の“未病”の状態でも治療できます。また、一剤に複数の有効成分が含まれているため、多様な症状に効くのも大きな特徴です。

海外製薬企業が漢方薬メーカーを買収した事例もあります。
独バイエルが漢方薬参入、中国伝統薬メーカー滇虹薬業を買収(36億元、今の日本円換算で約611億円)
Reckitt to announce Chinese medicine acquisition(英レキットベンキーザーが中国の桂龍薬業有限公司を買収。金額不明)

②Lifestyle

コーヒーのサブスク「PostCoffee」1.5億円の資金調達を実施
👉コーヒー関連製品の「HARIO」ブランドを手掛けるハリオ商事からも出資を受けている。自分で豆選を買って来て淹れる習慣がある層では無く、その習慣は無いけど自宅でちょっと拘ってる感のあるコーヒーを使いたい層?に刺さるイメージ。1配送でコーヒー9杯分、金額は約1,600円とお手頃。試しに買ってみたので、後日Twitterで感想書きます。ちなみに診断結果はこんな感じで出てきます。贈り物とかには良いかもしれません。

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印EC大手Flipkartが評価額4兆円超で新たに約3973億円調達、ソフトバンクが3年ぶりに株主に復帰
👉同社が2018年に資金調達した際に、既存株主だったソフトバンクは株式売却により一度EXITし、今回改めて同社に再投資するという珍しいパターン。現時点で、インド国内に3億5000万人以上の登録ユーザーがいる。2022年IPOを控えており、その前の調達ラウンドという位置付け。

実験室でフォアグラを生み出すスタートアップ「Gourmey」
👉分子生物学と細胞生物学のバックグラウンドを持った創業者が、幹細胞(ステムセル)を利用して人口培養されたフォアグラを作りに挑戦。食品安全に関わる当局からの承認など、市場展開までは大きなハードルがある。調達した資金で、パイロット版培養肉フォアグラの生産ラインを構築していく予定とのこと。フォアグラは美食家や富裕層に好まれる一方で、動物保護の観点で賛否が出ている。

生産量も消費量も最も多いのはフランスであるが、20世紀後半から生産を開始する国や地域が増えてきた。一方で、強制給餌(ガヴァージュ)を伴う生産方法は、動物福祉の観点から論争が起こっており、欧州連合で生産や販売を禁止する動きもある。その一方、生地を抱えるフランスやハンガリーは議会が生産者を保護する傾向にある。
Wilkiepdeiaより引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%82%A2%E3%82%B0%E3%83%A9


香りや焼き色も再現する植物由来チキンを米国で展開へ、Next Gen Foodsがシード追加拡張投資22億円調達

55歳以上対象少人数グループでの「ソーシャル学習」プラットフォームLeapが約3.4億円を調達

ペット向け首輪型健康管理デバイスを提供するPetVoiceがシードラウンドで6,000万円の第三者割当増資を実施。動物病院・獣医師との連携を加速。

③Media/Ad/Entertainment

NFT事業のCryptoGamesが資金調達を実施。事業会社各社とシナジーを創出し、さらなる事業拡大へ

パンデミック後に向けバーチャルコンサートのプラットフォームを構築するFlymachineが約23億円調達

Loupedeck、米Razer社から2億5,000万円の大型資金調達を実施

④Legacy

ニューススタンドのコンセプトを取り入れた職場用アメニティでオフィス勤務に戻るモチベーションを高めるNew Stand

⑥Finance/Fintech

400F、Skyland Venturesから1.6億円の資金調達を実施

スマホで社債投資できるSiiibo証券、STRIVEと千葉道場らが出資

スマートバンク、10億円調達 支出管理アプリ開発

フィンテックM1 Financeがソフトバンク主導のシリーズEラウンドでユニコーンに

暗号通貨スタートアップのPhantomがマルチチェーンウォレット拡大のためa16zから資金調達

⑧Other

スマホアクセサリー「CASETiFY」が数十億円調達 ディズニーやポケモンともコラボ
👉スマホケース等販売のCASETiFYが大型調達。同社は、2011年に呉培燊氏と楊子業氏が香港で創業。
現時点で年間300万点以上のスマホケースを販売しており、ざっくり年100-150億円の売上はありそう(香港では定価7,000円弱、日本でも大体同程度)。主な市場は日本、韓国、欧米で、売上構成も1/3ずつ程度。確かにCASETiFYのスマホケース入れてる人は結構見る気がします。
iPhoneは毎年2億台以上出荷されている中で、年間300万点以上のスマホケースが売れているということは、ユーザーの1-2%に選ばれているということ。%で見ると僅かに感じますが、着実にシェアを伸ばしており創業以来、毎年2倍成長を続けているらしい。
参考までに、日本国内でスマホケース事業(プロダクト名はiFace、単価はCASETiFY社の半分程度)を手掛けるHamee社(2015年4月上場)のコマース事業(≒iFace販売)売上は、2021/4月期通期で97億円(前年比+5%)、2022/4月期の予想通期売上は105億円(前年比+8%)と、こちらも同じく安定成長していますが、Hamee社と比較するとCASETiFYの2倍成長の凄さがはっきり分かります。
引用元:2021年4月期決算説明資料(Hamee)

Natureが7.5億円調達し電気小売事業強化、クックパッド宇野雄氏がデザインアドバイザー就任

天パVCの一言

OTC医薬品普及により、わざわざ医師の診断・処方を受ける手間が省ける一方で、適切な商品の選択、商品同士の違いや副作用等のリスクの認識、という点では買う側にも一定の知識が必要で、そういった「OTCリテラシー的なもの」が概念として出てくるのではと思っています。
「OTC医薬品辞典+AIチャットボットでの解説」(OTCリテラシー低い層向け?)や、「OTC医薬品の服用管理+健康状態モニタリング」(OTCリテラシー高い層向け?)などサービス提供余地は多いかもしれません。

「天パVCの一言」コーナーで「急にOTC連呼してどうした?」と思った方はぜひこのnoteを「スキ」していただけると嬉しいです!よろしくお願いします!

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