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自分自身の幸せを知るには。お茶が好きな理由と交えて


土曜日の朝といえば皆さんは何をしていますか?

ふかふかのお布団で二度寝?
飼っているペットの散歩?
それとも金曜日に残ってしまった仕事のチェック?
一週間溜まったお洗濯とか?
前日飲み過ぎてフラフラしている人もいるかもしれないですね。笑

小さい頃、もう、30年位前でしょうか?
小学3年生位の私は、この時間がずっと我慢の時間でした。

前日まで働きづめだったサラリーマンの母は、一週間の疲れを取るために、午前中は爆睡。母の気持ちを察した私は、適当に伸ばした漫画を手当たり次第読む時間となっていました。

鳴り始めるお腹のグゥっという音と、漫画を読みながらあーだーこーだと出る独り言をアンサンブルにして、時間をやり過ごしていました。

そうして時間を潰していると、いつしか立ち込めて来るのが、お味噌汁の匂いでした。

我が家のお味噌汁は、土曜日だけは、ちょっと特別。
出てくるのは普通の、キャベツと半熟玉子のお味噌汁。

だけどキャベツの甘味がたっぷり出たお味噌汁は、旨味がたっぷり。
そこから玉子をかき混ぜ、まろやかな口当たりとふんわりとした香りが鼻孔をくすぐってくるのを子供ながらに楽しむ。空っぽになった胃がじんわりと温まり、湯気とともに薫るお味噌の匂い、そしてゆっくりと口の中に広がる出汁のうまみ。
平日は毎日トーストという日常が、この瞬間に、週末という非日常を知らせてくれる。

「うーーーんんん、おいしい」

その一杯飲み干した時から、私の週末は始まりました。
疲れをとった後の母の爽やかな笑顔、そして暖かいお味噌汁、普段とは違う、家の中に広がる香り。

そんな記憶が、あるからでしょうか。
私はだからこそ、お茶がきっと好きなのです。

朝。
湯を沸かし、
体を少しだけ動かす。
じっくりと開く茶葉を見つめて、
少しだけ目をとじる。
イライラした時は自分にゆとりがない時。
その時はいつもより多く深呼吸をして、
そして目を開ける。
開ききった茶葉を見ながら、
お茶を湯のみにそ注ぐ。
そしてゆっくり飲んで、
温かさを感じる。
口の中に広がるうまみを感じながら、
体が整っていくのを自分自身が理解していく。

その流れがあの当時感じた、幸福感と似ているんだと思います。

そして、きっと自分自身で作ることよりも、茶農家さん(私はお茶クリエイターさんと心の中で呼んでいます)が作るものに少しだけ手を加えて味わいを感じることが私にとってはあっている。なぜなら。

この感動を多くの人にも同じ茶葉があればシェアできるから。
だからこそあえてお袋の味と言われるお味噌汁ではなく、お茶を選んだんだと思います。

自分にゆとりがあるときに体験できるものが、きっと自分の幸せを作っていくのかもしれません。

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