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模様替えをして心機一転の話。

突然だけれど、部屋の模様替えをした。

新年でもないし、大掃除したわけでもない。休みの日でもなくて平日だし、何なら仕事の合間に結構大掛かりな規模の模様替えをしてみた。

なぜか。それは、子供用に二段ベッドを買ったため、今まで寝室で使っていたベッドを、私の仕事部屋に配置し直す必要があったからだ。

※二段ベッドの話はこちらをご参照。
https://note.com/furokun/n/ndf172eb6c8fc

この記事にも書いたのだが、今まで我が家では、私と妻と子供たち2人の計4人で、寝室一部屋にダブルベッドとセミダブルベッドを並べてくっつけて、そこで川の字で寝ていた。

が、子供も大きくなり、それに伴って彼らによる妻の睡眠妨害にも拍車がかかり、いよいよストレスが溜まってきたことから、子供たち専用のベッドとして、二段ベッドを購入することにした。

それによって、今まで寝室に置いていたベッドを分割(セミダブルとダブルに分ける)し、寝室とは別の部屋にベッドを一つ移すことにしたのだ。

で、その部屋というのが、私が普段仕事部屋として使っている部屋に決まった。空調設備がある部屋がここだけだからだ。私は普段、家で仕事をしているし、仕事のために使っている部屋なので、ベッドを置くことについてはそれほど違和感は覚えない。しかし、ベッドを置くとなると、部屋もそこまで大きくはないので、それまで使っていた作業デスクの位置を変えたり、配線を這わせる場所も検討しなければならない。

本来は、こういった大きな家具の移動などは、休みの日とかの何でもない余裕のある時にやればいいのだろうけれど、二段ベッドが到着する日が平日のお昼ということだった。

そして、その当日以前から模様替えをすることもできない。なぜなら、子供たちは寝相が悪いからだ。もし、ベッドをダブルとセミダブルに分け、部屋も分けたとしたら、恐らく、私と子供一人、妻ともう一方の子供、という二手に分かれて寝る必要が出てくる。そうなると、息子や娘の寝相があまりに悪いことから、睡眠中にベッドから転げ落ちる可能性が高まるのだ。それはさすがに可哀想なので避けたい。

したがって、二段ベッドが到着する日の前日は普段通りの配置(寝室にみんなで川の字)で眠り、翌日、二段ベッドが到着するまでの時間で、ベッドを分けたり部屋を模様替えする必要が出てくるというわけだ。

そういうわけで、説明が長くなったが、模様替えをした。(業者さんが来るまでの間というタイムリミットがあったので、むちゃくちゃ大変だったが、何とか終わった)

すると、どうしたものか。家具の配置替えをした部屋で仕事を再開すると、何だか新鮮な気分になった。

ふと考えてみると、これは「部署異動」とか「チームの配置換え」とか「席替え」にちょっと似ているのだ。

部署が変わってそれまでと働くフロアが変わると、もちろん同僚などの人間関係が変わることもあるけれど、他にも、座る席が変わる。席が変わると、それまで見えていた景色が変わる。視界が変わる。チーム替えや席替えでもそういう刺激を受けることがある。単に見え方が変わるだけではない。それによって、自分の受け取り方が変わるのだ。

上にも書いたが、私は普段、家で仕事をしている。これは、昨今、世界中がこのパンデミックの状況になったことで、私の担当していた業務の特性上、在宅でも勤務することができるということが分かったため、オフィスではなく家で仕事をさせてもらうようになったという背景がある。そのため、それまではオフィスに出社して働いていた。

決して家で働けることは不満というわけではないが、代わり映えはしない。毎日、仕事としては同じ作業は無いはずなのに、同じような日常が待ち受けているし、その流れに身を任せている部分もある。

起きたら、朝シャワーを浴び、朝ご飯を食べ、子供たちを送り出し、パソコンの電源を付ける。そして仕事をして、定時時刻になれば、パソコンの電源を落とし、買い物に行ったりした後、子供たちを迎えに行き、夕食を食べ、お風呂に入って、そして寝る。この繰り返しだ。家族以外の人と会うことはほとんど無いし、仕事上での会話もメールやチャットがほぼ全てだ。たまに電話やビデオ会議もあるが、そこまで多くない。仕事をする部屋もいつも同じ。そうなると、外観上は、まったく変化のない日常を送っているように見える。

ところが、ひとたび部屋の模様替えをすると、それが変わる。

まず窓の採光が変わる。

いや、実際はその採光箇所自体は変わっていないのだけれど、それを受容する私が、その感じ方が変わるのだ。ベッドを部屋に置いたことで、作業机の向きも変える。そうすると、光の入り方というか光の感じる方向も変わるし、風が部屋の中に入ってくる方向も変わる。いつもと違う方面から自然を感じ、新鮮な気持ちになる。

そしてパソコンの設置位置も変えてみた。

こんな模様替えなんてしなくてもパソコンを持ち歩いて色んな場所で仕事をすればいいのかもしれないが、なかなかそれができない。というのも、会社から大型モニターも使用する必要があるため、一度設置してしまうと容易に移動ができないのだ。

それが今回のような模様替えのタイミングであれば、絶好の機会だ。今まで個人用のパソコンを左、会社用のパソコンを右、に配置していたのだが、それを今回、左右反対に変えてみた。するとまた、なかなか新鮮な気分。それから、プリンタの置き場所も変えた。机上に置いてある文具や、本棚の位置も変えた。充電器の場所も変えた。配線を這わせる場所も変わるから、どうするのがベストか、よくよく考える。

要するに、机の上にあった様々なものの位置を変えてみる。

そうすることでどうなるかというと、私の可動範囲が変わる。

可動範囲が変われば、視線も変わるし、自分の心地の良いポジションを、身体が勝手に探し始める。

窓から光が入ってくる、風が吹き込んでくるというのもそう。目についた場所の埃が気になるから掃除してみたり。読まない本を書庫に戻し、改めて読み直したい本を棚に置いてみたり。この位置にあるのは不便だから、と、より自分が手に取りやすい場所に変更する。

上に書いたような「部署異動」とか「配置換え」とか、もっと狭く捉えれば「席替え」というのも、端的に言えば「現状から変化すること」だ。それが意味するところは、「現状」がどうあれ、別の環境になるということ。

変化後の環境がもしかしたら、めっちゃ自分に合う人も居れば、反対に、違和感たっぷりで、もう「前のほうが良かった・・」とそのギャップに苦しむ人も居るだろう。

ただ、もちろん全ての人がそうできるわけではないと前置きさせてもらった上で、新たな環境でも、活躍出来ていたり、自分らしくのびのびと楽しむことが出来たりする人も居る。そういう人を観察していると、そういった「ギャップ」や「違和感」を前向きに捉えて、自分を順応させることができる人なのかな、と思う。逆に、順応するつもりなんてサラサラ無くて、新たな環境でもスクラップ&ビルドで、ぶち壊して自分が思い通りの環境に作り直す、そんな猛者も居るだろうけれども。

いずれにせよ、違和感やギャップを我慢して受け入れるのではなく、あくまで自分と環境との付き合い方を、柔軟におこなっているように見える。

私も、模様替えという比較的簡単な作業によって、在宅ワークながらも、異動や配置換えといった新環境に身を投じる疑似体験をさせてもらえた。

もちろん、異動や配置替えは、模様替えほど簡単なものではないことは重々承知だけれども、それでも、新環境に身を置くというのは、何か自分と目の前の物とがもう一度向き合う(そして向き合い直す)きっかけになるような気もするのだ。そのヒントを今回、少し得ることができたかもしれない。

心機一転。何とも気持ちが良い。
オチは無いです。清々しいほどに。おしまい。

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