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お小遣いと散財の話。

お金が無くなってきています。

正確に言うと、私が使える小遣いが恐ろしい勢いで減っています。

我が家の家計は、妻が一括管理してくれています。共働きなので私も妻も稼いでいますが、毎月給料日が訪れると、妻がそれぞれの収入をまとめたうえで家のお金として何を使うかなどを決めてくれます。その中から私へのお小遣いを支給してくれるのです。大体2万円。多い時で3万円。

ただ、私には趣味らしい趣味は無く、本を読んだり楽器を弾いてみたりするくらいで、自分にお金を使うような機会はあまり多くないです。せいぜい書店に行って本を買うとか、アマゾンでちょっとした小さめの家電とかデジタルガジェットを買うとか、そのくらいです。

しかし、恐ろしい勢いでこのお小遣いは減っていきます。

理由は2つ。

まずひとつは、スーパーマーケットなどに買い物に行く際に、子供たちに大盤振る舞いをしてお菓子なんかを買ってあげてしまうこと。

前述の通り、妻が家計管理をしてくれているので、家族で買い物に行っても余計なお菓子などは子供に買いません。ですが、私が子供と一緒に出掛ける時は話は別です。どうしても甘やかしてしまって「いいよ、いいよ」とお菓子の要求も簡単に受け入れてしまうのです。

そしてもうひとつの理由。

と、その前にこちらを説明させてください。

子どもたちに導入している我が家のお小遣い制度についてです。

我が家には小学生の子供が2人居ます。

毎月お小遣いを渡していますが、金額は学年によって変えています。学年*100円です。上の子は小4なので400円(100*4)、下の子は小1なので100円(100*1)といった具合です。これが毎月あります。(中学生以降になったら金額改定します)

ただ、臨時お小遣い制度もあります。そのひとつが、テストで100点をとったら臨時でお小遣いを支給するというものです。

これは家庭によって賛否両論あると思います。ですが、うちは一度導入しちゃったのでもう後には戻れません。導入を検討されるご家庭は、報酬を伴う教育の是非だとか後は単純に懐具合とか、一度よく検討された方が良いです。

ちなみにうちは、この臨時お小遣いも結構細かくルールを決めています。

基本的にはテスト100点*学年で計算してその金額を取っ払いで支給します。1年生なら100円だし、4年生なら400円。ただし支給条件は満点のみです。99点なら0円です。支給しません。一枚あたりの計算です。枚数に応じて別途計算。原則はこのルールです。

そしてさらに追加ルールもあります。テストの表(おもて)面が100点で、かつ裏(うら)も満点ならさらに100円プラス。あくまで表が満点であることが前提の追加ルール。

つまり、表100点満点、裏50点満点のテストがあったとしたら、表100点かつ裏50点だとすると、小1なら200円(表100*1+裏100)で、小4なら500円(表100*4+裏100)といった計算になります。ただし、表が100点でも、裏が満点でなければ表だけの金額のみ支給。

たとえば、小1が表100点(100点満点)で裏が40点(50点満点)だとしたら、表分だけなので100円だけ支給。小4で表90点(100点満点)で裏が50点(50点満点)であれば、0円。表が満点ではないためです。

なお、このテストは学校で指定された教科書の単元に基づくオフィシャルなテストだけが対象なので、科目ごとの小テストとかドリルやワークのテストみたいなのは対象外にしています。

この制度は決して積極的にオススメはしないですけど、「頑張って報われる」経験に触れることができるという面だけで言えば悪くないような気もします。

世の中には頑張っても報われないこともありますけど、それでも、テストでも何でも全力で自分の持てる力を全てぶつけてみるという体験は大切だと思います。

何にも勉強しなくてもラッキーパンチで良い点とれる子も居ると思いますが、それはよほど頭の作りが良い子だけだと思います。やはり100点をとるということは、日々の授業や宿題をきちんとやっていないと難しいと思うんです。授業内容を理解していても、ちょっとした不注意でテストでミスをしてしまうこともありますから。ましてや学年が上がると100点も取りにくくなってきますし。

うちの息子も、普段は結構のんびりして注意力散漫だったりしますけど、テストのときは、お小遣い欲しさに何回も見直ししてポカミスを避けるようにして注意深く取り組んでいるようです。学期末とか、何枚も何枚も満点のテストを持って帰ってきて「えーっと、これとこれとこれで、合計〇〇円ね」と満足げにしていたりします。それで結果が出れば本人の自信にも繋がると思うんですよね。

もちろん、上で書いたように、モノで釣るというのは賛否あると分かっていますけど。

で、臨時お小遣い制度はもう一つ。
それが「書籍は好きなだけ買ってよし」です。

これも少し細かくルールがあります。小説など活字の本は、子供の小遣いからではなく、ほぼ無条件に買い与えます。もちろんドリルとか参考書なんかもOK。子供が欲しがればですけど。「子供に読んでほしいなぁ」と思って無理に親のエゴでは買わないです。あくまで欲しがれば買います。

ただし、これは漫画は対象外です。漫画は自分の小遣いから買ってもらう。なぜなら漫画までOKにすると際限なくなるから。あくまで活字メインのものです。

ただし例外もあります。学習系の漫画ならOKです。

たとえば、ドラえもんが算数とか国語の問題を絡めてストーリー仕立てで説明しているものだったり、名探偵コナンが理科の題材で漫画になっていたり。そういうのは、内心「うーん・・でも認めちゃったからなぁ」と思いながらも買ってあげるようにしています。学習本だとか学習資料みたいなのもOKにしてます。

最近だと、鬼滅の刃の全集中ドリル知っていますか?
https://kimetsu.com/comics/drill/


ドリルって書いてありますけど、雑学系の読み物です。これももちろんOKです。活字ですし、何より科学とかの知識が載っていますから。ただ呼吸が多すぎる。「全部の呼吸を集めたいな」とか言われると少々キツイ。柱が9人居るので全部買うと合計一万円近くする・・。

とにかく、それが「書籍は好きなだけ買ってよし」のルールです。

なぜこのようなルールを作ったか分からないですけど、個人的に、勉強するなら楽しくやってほしいなという思いがあったように思います。人からやれと言われてやる勉強なんてクソほどつまらないですし、だったら漫画でも何でも入口は何であれ、関心があったり興味が出たりして、それが勉強に関連するものなら良いなと思いました。

小説OKにしたのは、純粋に活字に触れる機会を持ってもらいたいと思ったからです。上の子が今よりまだずっと幼かった時に、字を読むのが苦手だったので、それが克服できるならと思いました。字を読むことに苦手意識を持ってほしくないなと。おかげさまでなのか、今では子供たちはスラスラ文章を読めるようになりました。

話を戻します。

そして何より特筆すべき点として、これらの臨時お小遣い制度(テストでボーナス+活字の本は何でもOK)は、すべて私のポケットマネーから捻出されるということです。

妻は我が家の財務大臣として、このようなワケの分からん支出は認められないらしく、仕方なく私の懐から出しているわけです。

これこそが、特に自分のために何を買っているわけでもないのに、私の小遣いが毎月どんどん減っていく理由です。

しかしどうせ私なんかがお金を持っていたって特に何か良いことがあるわけではないですし、それなら子供たちに使ってもらった方が良いなと思うんですよね。

表現は適切か分かりませんけど、これも教育資金と言いますか。

この件でちょっと考えてみたこと。

よく高学歴の家庭は高収入のケースが多いって聞きますけど、それは教育にかけるお金が多いからだって言いますよね。東大生の親の半数は、年収が約1,000万円以上だとか。

お金をかけて良い教育を受けさせる ⇒ 良い教育を受ければ勉強ができるようになる ⇒ 勉強ができるようになれば偏差値の高い学校に入学できる ⇒ 偏差値の高い学校を卒業すれば収入の良い職業(会社)で働ける ⇒ その子供にもお金をたくさんかけることができる ⇒ ・・・


みたいなループ。

別に私は子供に対して、お金をたくさん使って塾に通わせるとか私立に行かせるとかがしたいわけじゃないですけど、勉強はできるようにはなってほしいなと思います。勉強できないのと勉強ができるのとでどちらかを選べと言うなら、後者の勉強ができるほうが絶対的に良い。

逆に言うと、勉強が嫌いになってほしくない。

私自身、勉強はそこまで嫌いではなかったのですが(別に頭が良かったということではない)、社会に出ると、やはりいろんなことを学ぶ必要はあるなと感じています。何なら、学生時代よりも勉強をしなければいけないような場面もあるかもしれない。

こういう時に、何か興味を持って取り組むことができれば良いですけど、そうじゃないと結構キツイんですよね。嫌なことをずっとやり続けなきゃいけない。

でも、勉強すること自体に抵抗が無かったり、知っていることが多かったりすると、その辺のハードルが低くなって、取り組みやすくなると思うんです。

興味の幅を広げておくとか、好きなじゃないことであっても何とか工夫して取り組んで結果を出すことができるとか、そういうことが出来ると、かなりラクだし生きやすいです。

その一つの手段が、勉強して知識を増やしておくことだったりするのかと思うんです。

経験も大事ですよ。精神論とかも。でも、知識を得ることに抵抗が無いということは、非常に効率が良いと思うんです。

知識の結びつき、チャネルが多ければ多いほど、苦手だとか知らないという分野にも応用が利く。何だか生理的に無理な分野であっても、どうすれば効率的に必要最低限だけ学んでゲーム的に攻略できるか考えられる。

ですから話を戻しますと、上で触れたような高学歴・高収入のループに子供を乗せたいというわけではないですけど、せめて、社会に出て働くに際してはのびのびと働いてほしい。

そのためには、自分の得意分野を徹底的に伸ばすのも大事だけど、それに加えて、興味が無い(と自分では思っていた)分野にも果敢に挑戦して世界を開拓していけるようになれれば、もっと仕事は楽しくなるはずだよと思うわけです。

その手段としての勉強を嫌いにならないでほしい、ということ。

だから、興味があるなら漫画でもなんでも機会を提供をしてあげたくなってしまうというわけです。テストも同じで、満点を取って「やった!」と思えるゲーム性。そういうのを味わえるんであれば親としては嬉しいし、動機は不純かもしれないけど、そのためのお金なんて喜んで差し出すつもり。

決して高学歴でも高収入でもない私ですけど、勉強はまだ楽しいと思える(身になっているかのと訊かれるとそれは自信を持っては言えないですけど)。そのおかげで働くことにもまだ希望を持てています。

何とかして人生を楽しもう。未来ある子供たちがそういう気持ちを持てるのであれば、全然ポケットマネー溶かしますよと。そういうふうに思うわけです。おしまい。

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