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コロナ・ヒステリーとセーラム魔女裁判の類似性

コロナ政策を、1691年の魔女裁判と1919年のスペイン風邪で比較した記事です


要約

・セーラム魔女裁判では、「痙攣性(けいれんせい)麦角(ばっかく)
 中毒」の症状が「邪悪な手」の仕業にされた
・COVID-19は、スペイン風邪とは比較にならないほど
 低い死亡率である
・政府は、グレートバリントン宣言のような科学的根拠に基いた
 対策を取るべきであった

DougCasey's INTERNATIONAL MAN
by David Stockman

 グレートバリントン宣言については、以前の記事
反ロックダウンのスタンフォード大教授「学問の自由は死んだ」
に解説があります


セーラム魔女裁判

2020年から2021年にかけてのCOVID-19の時期にアメリカで起こった不合理とヒステリーの噴出は、マッカーシー上院議員が政府のあらゆる机の後ろにいる共産主義者のモグラを探すように仕向けた1954年(マッカーシズム)や、司法長官ミッチェルの悪名高い手入れで何万人もの赤軍とされる人々を検挙した1919年(パーマー・レイド)ではなく、1691年から1692年の冬に最も似ていると言っても言い過ぎではないだろう。

マサチューセッツ州セーラムに住むエリザベス・パリスとアビゲイル・ウィリアムズという二人の少女が、占いという悪魔の活動にはまったときである。この占いはすぐに奇妙な病気にかかり、発作を起こし、意味不明の言葉を吐き、体をおかしな位置に歪ませた。

そして、ある医師が「彼女たちの病気には物理的な原因がない」と言い、「邪悪な手(Evil Hand)」、つまり魔術の影響であると診断した。そこで、ある牧師に相談したところ、「原因は呪術にしかない」ということになり、彼女たちは卑劣な犯罪の犠牲者であると考え、犯人探しに乗り出したのである。

あっという間に、有名な3人の魔女が告発された。パリスの奴隷、貧しいホームレスの女性サラ・グッド、そして伝統的なピューリタン社会に反抗していたサラ・オズボーンである。その後も多くの魔女が続き、ヒステリーが広まるにつれ、何百人もの魔女が裁判にかけられ、20数人が絞首刑に処された。

しかし、この古典的な物語には、その真実の中に気恥ずかしさを感じるような教訓がある。すなわち、セーラムのヒステリーを煽った、発作や痙攣の発生を学術的に説明する最良の方法の一つは、
痙攣性麦角中毒けいれんせいばっかくちゅうどく」という病気である。これは、特に暖かく湿った条件下で、発育中の穀物の粒に侵入するカビに感染したライ麦を摂取することによって引き起こされる病気である。

ピューリタンの主食の一つが穀物であり、1691年のセーラムのライ麦収穫期には、収穫したばかりのライ麦で作ったパンが食べられていた。痙攣性麦角中毒は、激しい発作、皮膚を這うような感覚、嘔吐、窒息、幻覚などの症状を引き起こすのである。


同様に、2020年には「邪悪な手」のようなSF病原体は存在しなかった

実は母なる自然もまた、2020年にファウチが支援する武漢ウイルス研究所の研究者によって、機能獲得型の通常の呼吸器ウイルスの中で最も厄介なものの一つを生み出していたのである。

もちろん、このようなウイルスは古くから人類を苦しめてきたし、人類はそれに対処し克服するために素晴らしい適応免疫系を進化させてきた。つまり、今回も 邪悪な手のようなSF的な新奇な病原体は存在せず、人口の9割が死亡するような病気も存在しない。

したがって、COVID-19のパンデミックは、アメリカ人、そして世界の多くの人々にとって、より長く、より楽しい人生を送るための不幸な事故として、すでに記録されているのである。その真実は、下のグラフに顕著に表れている。

アメリカ人の平均寿命と年齢調整死亡率のグラフ

CDCがこのグラフを発表した時には、2020年の全死因死亡率の数字は存在しなかったが、緑色の線はそれをほんのわずかな上昇波として描いている(この程度の上昇は120年の間に何度もあったのだ)

COVID-19はスペイン風邪の類縁か?

1918年にスペイン風邪が流行し、当時のアメリカの人口(1億人)が現在の30%に過ぎないのに、推定67万5千人がスペイン風邪で死亡した。

この場合、上のグラフの緑色の線(死亡者数)は、戦前の基準値(1914年)と比べて人口10万人当たり400人近くも押し上げられた。これに対し、2020年の2019年に対する超過率は、10万人あたり118人に過ぎない。

そして、たしかに、この1918年の数字には、フランスの戦場での無意味なアメリカ軍歩兵の死という悲しい事実が埋め込まれているが、従来報告されていた11万7千人の消化器系疾患死亡者のうち45%以上は、ドイツ軍の銃弾ではなく、1917年4月にウイルソンが愚かにも開戦宣言をした後、戦うべき常備軍もないのに急遽編成されたアメリカの大規模訓練キャンプを襲ったスペイン風邪の被害だったことが判明しているのである。

つまり、パンデミックによる真の指標である全死因死亡率において、COVID-19はスペイン風邪と同じ土俵にすら立っていないのである。そして、このグラフが示すように、前者は緑の線の曲線のずっと下で発生した。このことは、現在進行中のCOVID政策によって起きた災難に対する、究極の反証である。

2020年のアメリカ人の年齢調整死亡率(10万人当たり828人)は、1918年(10万人当たり2542人)より67%も低い。それは、自由資本主義社会がこの国に繁栄と進歩の自由をもたらし、より良い衛生、栄養、住居、生活様式、医療がもたらされたからである。

緑色の線をグラフの右下に容赦なく押しやっているのは、こうした力であり、ワシントンの官僚的立場にある連邦政府ではないのである。

全体主義的なロックダウンに対する解毒剤としての、新しいグレートバリントン宣言への希望

長くなったが、おそらく将来の歴史家がコロナ・ヒステリーを説明するために、2020年版の痙攣性麦角中毒理論を見つける必要があるだろう。なぜなら、上のグラフの緑の線の小さな点に埋め込まれた意味は、「(政府が発表してきた)科学」では説明がつかないからである。

グレートバリントン宣言は、ハーバード大学のマーティン・クルドルフ博士、オックスフォード大学のスネトラ・グプタ博士、スタンフォード大学のジェイ・バタチャリヤ博士という、恐れを知らない3人の世界的感染症学者によって書かれ、当時の主流マスコミや、ほとんどあらゆる種類の政治家の間で流行していた「邪悪な手」理論に対する強力な解毒剤となったのである。

要するに、アメリカは年齢、健康状態、身体状況にかかわらず、すべての人に死をもたらす死神に襲われているのではなく、本当の科学的な説明は、(COVID-19が)免疫力の低下した高齢者や合併症のある人に狙いを定めた、高度選択性の呼吸器疾患の亜種であるということであった。

必要だったのは、ごく少数の弱者に的を絞った援助、保護、治療であり、この政策によって「集団免疫」が達成され、最終的には通常の方法でパンデミックが消滅することになる。

植民地時代のアメリカは、1692年にセーラムの異常事態から脱する方法を見つけた。それから330年、多くの科学が進歩した現在ならば、この異常なヒステリーを引き起こした21世紀の悪党たちを暴きつつ、きっと再び異常事態から脱することができるだろう。(了)

編集部注
私たちは、政府が歴史上最も厳しい、人々や企業への統制を行うのを見てきました。それは個人の自由を迅速に排除するものでした。しかし、これはほんの始まりに過ぎない...ほとんどの人は、中央銀行のデジタル通貨(CTC)、現金の廃止など、次に来るかもしれない恐ろしいことに気づいていないのです。


考察

皆さんも歴史を学んだとき、「昔の人は、なんて馬鹿なことを信じて生きていたんだろう」と感じたことがあるでしょう。

物理学や天文学の分野ではもちろんのこと、医学に関しても同じように感じることがあるでしょう。

例えば、平安時代に「疫病退散の為に、加持祈祷を行った」とか、江戸時代では「疱瘡の子供に、鍾馗様の赤絵を飾って平癒を祈った」などが記録されています。また、江戸末期に伝えられた「アマビエ」が話題になったことは記憶に新しいと思います。そして疫病が終息すると、人々はそれを祝いお祭りを行いました。
(祇園祭、隅田川花火大会)

アマビエ

今となっては、なんと非科学的なことを大真面目にやっていたのだろうと、笑ってしまう事なのかもしれません。しかし、明治になって西洋医学が取り入れられても、日露戦争で陸軍兵士に脚気が蔓延した時に、森林太郎(鴎外)が「脚気細菌説」に固執し、陸軍兵士が2万7千人以上も病死したことがありました。
(単純な比較はできませんが、海軍はビタミンB1摂取を推奨して病死者が3人だったようです)

ただ間違いないのは、人類と疫病の戦いでは、常に初戦で疫病が優位に立ち、その後に人類が盛り返すことの繰り返しだったということです。(そうでなければ、現在も地球上に人類が生存していることの説明が付きません)

なぜ人類が勝利し続けたのかは、いろいろな要因(獲得免疫、環境衛生、治療法の進歩、病原体の変異、季節の移り変り、神の御加護....)があり、今後も結論付けることは難しいでしょう。

ですが、コロナの流行を経験した現在、ご先祖様が、それぞれの時代それぞれの環境で、様々な試行錯誤を繰り返すことで、(結果的に、なんとなく)終息していったというのが、正しい理解なのではないかと考えるようになりました。
(もちろん特効薬が発見されるケースもあります)

もしその様に理解すると、マスクやロックダウン、ワクチンが絶対であると主張し続け、異論を挟ませなかった(自称)専門家は、なんと不遜な連中だったのか、それに真面目に付き合った私たちは、なんと愚かな連中だったのか、と言うことになります。そして一番非難されるべきなのは、パンデミックを政治的・経済的に利用した輩は、なんと邪悪な連中だったのか、でしょう。

「そんなこと言っても、あの時は無理だよ。少しでも被害を減らす努力は必要だよ」と反論する方がいることは十分承知していますし、それを否定するつもりもまったくありません。しかし確実に言えることは、この3年間で私たちが行ってきた(行わされてきた)パンデミック対策を目にした未来の人類が、それを馬鹿にするであろうということです。

彼らにお願いしたいのは、私たちを「反面教師」として役立ててくれることです。