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アメリカの世紀は終わった

アメリカの世紀が終わったのは、アメリカが独裁国家になったことをまだ認識していない愚か者だからだ。

Written by Eric Zuesse

アメリカは民主主義国家なのか?

・世界で他の国より高い割合で国民を投獄する国は、
 民主主義国家であると言えるのでしょうか?

・民主主義の世界的英雄であるジュリアン・アサンジを、どこの国
 どこの裁判所でも有罪判決を受けることなく、(イギリスの属国
 とともに)10年以上も巨大刑務所に投獄している国が、どうして
 民主主義国家なのでしょうか?

・2003年に自国民を欺いて、アメリカにとって危険でもなんでも
 ないイラクに侵攻し破壊した国が、どうして民主主義国家なの
 でしょうか?

・2011年に密かに計画を始め、2014年に中立だったウクライナ
 政府を転覆させ、代わりに狂信的な反ロシア政府を設置した
 国が、どうして民主主義国家であり得るのでしょうか?

・自国の軍事同盟であるNATOが独自に行った世論調査ですら、
 自国の政府を独裁だと広く信じている国民がいることが明らかに
 なっている国が、どうして民主主義国家になれるのでしょうか?

これ以上何が言えるというのだろう。もしアメリカが本当に独裁国家なら、(独裁国家が自らを独裁国家と呼ぶことはないので)その国のニュースメディアは、独裁国家であるという事実を公表せず、代わりにこの政権は民主主義であると常に宣言し、それによって政権(独裁政府)についての嘘を広げ続けるだろうということだけである。

覇権国家の吐く嘘

この嘘の意味は何だろうか。それは非常に重要であり、ここにその理由がある。

それは、アメリカが他国の政府(最終的に政権交代させるつもりで、それによって「同盟国」と呼ぶ既存の属国のリストに加える政府)を叩くことを可能にするからである。

そして、対象となる国の政府(この独裁者の奴隷国家になることに抵抗している政府)のことを、他のどの国よりもアメリカにふさわしい蔑称を用いて「独裁」または「全体主義」であると非難し、直接軍事侵攻し征服することで、すでに存在する帝国にさらなる属国を追加しようとするからである。

ベネズエラ、イラン、シリア、中国、ロシア、北朝鮮など、アメリカのすべての「敵国」に対しても、直接軍事侵攻以外に、代理侵略を、クーデターを、経済制裁を、破壊工作を、この超低俗な自分のことを棚に上げた世界独裁国家によって、最終的に世界全体が支配されるまで延々と続けるのだ。

世界最大の帝国になることでは満足せず、初の世界全体を支配する帝国になることを切望しているのである。それがアメリカの目指すところである。(ヒトラーもドイツに同じことを望んでいた)。

どのような帝国においても、プロパガンダはその行為を「正当化」するための中核的な要素である。どの帝国も、嘘の上に成り立っている。

ゲッペルスは、ナチスドイツのヒトラーのプロパガンダを指揮していた。アメリカのプロパガンダは体系化され制度化された大英帝国をモデルにしているが、自らを「帝国」とは言わない。アメリカの政権は「民主主義」であることをより強調しているので、全く「帝国」ではないと言うのだ。したがって、それはそれらのどれよりもさらに大きな詐欺である。

冷戦終結後も「資本主義 対 共産主義」を「民主主義 対 独裁主義」に置き換え、実際に帝国主義的な嘘を普遍化しようとしているのである。その結果、世界征服のメタ戦略が成功する可能性を持つためには、アメリカの政権が民主主義であるという主張(嘘)が不可欠なのである。

自らを民主主義のモデルであると主張することによってのみ、アメリカ至上主義は勝つ可能性を持つことができる。勝つためには、多くの人々を騙す必要がある。

オバマ政権によるクリミアのロシア海軍基地の奪取計画

使い捨てにされる属国

ノーベル平和賞を受賞したバラク・オバマ大統領は、2014年5月28日、アメリカの将来の軍事指導者たちに、アメリカが他のすべての国の上にあり、他のすべての国よりも優れており、地球全体に対して最高であるというこの主張を最も明確に(ただし慎重に、あくまでも暗黙的に)表現した。

「アメリカは今も昔も欠くことのできない唯一の国家です。このことは、過ぎ去った100年間、そしてこれからの100年間も変わりません。旧ソ連諸国に対するロシアの侵略はヨーロッパの首都を狼狽させ、中国の経済的台頭と軍事的拡大は近隣諸国を悩ませています。ブラジルからインドに至るまで、台頭する新興国は我々と競争し、各国政府は国際的なフォーラムでより大きな発言力を求めています。この新しい世界に対応するのは、あなた方の世代に課せられた課題です。」

彼は、自国の将来の軍事指導者たちに、アメリカ以外のすべての国は「使い捨て」だと言っているのだ。彼はまた、アメリカの軍隊の重要な機能は、他のすべての国を抑えることであり、特に「台頭する新興国が我々と競争する」ところであり、将来の将軍たちは、そのような「使い捨て」の国を抑えるために、必要ならば「競争相手」に対して戦争を行うよう命じられる、と言っているのだ。

これは、彼のゼロサム・ゲーム的な国際関係論の最も明確な表明であった。彼はそこで、本質的に、自分が帝国主義・ファシスト国家元首であり、(全世界を支配しようとする)覇権国家であるとさえ言っていたのである。そして彼はそのように支配した。これは、彼が教えていたことでもある。

2012年1月24日の米国の一般教書演説で彼はこう言った。「核物質の安全を確保するために築いた連合から、飢餓や病気と闘うために率いた任務まで、敵に与えた打撃から、我々の道徳的模範の不朽の力まで、アメリカは復活したのです。アメリカは依然として世界情勢に欠くことのできない国です。」
彼は軍部だけに他のすべての国が「使い捨て」であると言ったのではない。彼はアメリカ国民にそう言ったのだ。

最新(2021年)のYouGovAmericaによる「世界で最も称賛される人物」の世論調査では、バラク・オバマが1位であり、2位の妻のミシェル(マイケル?)を大きく引き離している。彼が大成功を収めたことは間違いない。

しかし、彼の最大の成功は、2014年のウクライナの征服である。なぜならその征服は、モスクワを消滅させる核ミサイルを飛行時間たった5分の位置に配備するという、アメリカ政権の計画を阻止するために、2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻を生み出すことになったからである。ウクライナを手に入れたオバマの大成功は、
最終的に今年2月のロシアのウクライナ侵攻を生んだのだ。

騙されてきた国民

どこの国でも、大多数の人々は騙され宣伝された嘘を信じている。例えば、アメリカでは、2020年1月26日から29日にかけて、「イランはアメリカにとって軍事行動を必要とする脅威か」という世論調査が行われ、「脅威ではない」という選択肢を選んだのは17%だけだった。

アメリカ政権は「イランはテロ支援国家ナンバーワン」などと絶えず繰り返しているが、それはあまりにも嘘で馬鹿げているのだが、これが常にアメリカ政権にとっての真実だった。実際のところイスラム教のテロの94%はスンニ派の聖戦士によって行われており、(イランなどの)シーア派によるものではない。

データによれば、シーア派による6%のうち、ほぼすべてがイスラエルに対して行われている。この国はアメリカにとって不都合な国だが、アメリカでは親イスラエルのプロパガンダが激しいため、イスラエルがアメリカのメーカーから少なくともそれだけの兵器を購入できるよう、アメリカは年間33億ドルの援助をしている。

しかし、もし真実が少しでも影響を及ぼすのであれば、世界の人々の意見は、「今やアメリカが民主主義国家ではない」と、すぐにでもひっくり返ることだろう。しかし、もしかしたら、その前に第三次世界大戦が起こるかもしれない。しかし、それでは遅すぎる。なぜなら、そうなれば、「アメリカの世紀」だけでなく、文明そのものが終わってしまうからだ。

だとしても、いずれにせよ「アメリカの世紀」は確実に終わる。だから、世界が滅びる前にアメリカが民主主義国家であるという嘘が滅びることを誰もが願っているはずだ。大衆の騙されやすさには限界があるのかもしれない。しかし、アメリカ政府を仕切る勢力の持つ権力欲には限度がない。

民主主義のふりをするアメリカ

アメリカはどのような独裁国家なのだろうか。1ドル1票の(金が選挙を支配する)政府であり、連邦政府や州政府で成功したすべての候補者を選び、その経歴に資金を提供する億万長者による支配であり、言い換えれば、それは民主主義ではなく貴族社会である。

民主主義とは、ドル(富)ではなく、国民を代表する政府である。民主主義の対義語は「共和国」である。しかし、アメリカはその代わりに、億万長者を代表する政府の独裁国家である。まだ「同盟国」になっていない国々を威圧して服従させることができるように、民主主義(あるいは「共和国」)のふりをするのである。そして、億万長者が求めるより大きな帝国を切望している。

だから、「権威主義体制」の国に対して絶えず威圧的な態度をとるが、実はアメリカ自体がその一つであり、おそらくすべての国の中で最も悪いもの(確かに最も危険なもの)なのである。(了)


調査歴史家エリック・ズースの新著「アメリカの悪の帝国:ヒトラーの死後の勝利、そしてなぜ社会科学は変わらなければならないのか」は、第二次世界大戦後、アメリカがいかに世界を支配し、アメリカとその同盟国の億万長者たちの奴隷にしようとしているかについて述べている。彼らのカルテルは、ニュースメディアだけでなく、社会科学を支配することによって世界の富を引き出し、一般大衆を騙しているのです。

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感想と考察

私も、MSNの流すプロパガンダによって、長い間アメリカを「民主主義の旗手」と信じ込んでいた一人です。

しかし、数々の偽旗作戦(トンキン湾、911、ナイラ証言、化学兵器…)を知り、国際金融の支配構造を学ぶことで、実際のアメリカは民主主義の皮を被ったネオコンによる独裁覇権国家であったことを理解するようになりました。ですから、今ではこのエリック・ズース氏の意見をすんなりと受け入れることが出来るようになっています。

ウクライナで戦争が始まった時も、MSMの流す情報を鵜呑みする危険性を感じて、多面的に情報収集することでより正確な戦況を把握をするよう努めました。その結果、ネオコンが支配するアメリカが、ロシアに「汚名を着せ」、ウクライナを「咬ませ犬」にしている構図がはっきりと見えています。

ウクライナでの結末は、軍事的にも経済的にもロシアの勝利で終わる可能性が高いと判断しています。現在、アメリカが優位なのは西側諸国における認知戦だけでしょう。

そんな断末魔のネオコンですが、一か八かで東アジアで紛争を起こす(起こさせる)可能性は捨てきれません。うっかり日本政府が尻馬に乗ってしまうと、ウクライナ戦争におけるNATO諸国と同様に「使い捨て」にされるかもしれないという懸念があります。

そうならないためにも、ネオコンアメリカの意図を理解し、国民が政府へはっきりと”No”を突きつける努力が必要であると強く感じています。