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映画 | 宇宙戦争※暗喩はいらないのだ

昨日観た宇宙戦争、面白かったー
どこが好きかと言いますと、ひたすら恐慌状態を映し出し続けるところ。

トム・クルーズさんが主演しているというのに、派手なアクション、超人的な身体能力や、判断力とかは「一切ない」。潔い!本作でトムさん演じるパパ、レイはだめパパです。色んなトム・クルーズさんらしからぬところを観ることができて新鮮、"おぉっ"と感動(一般人バージョンのトムさんも好き)しました。

次に!
ダコダ・ファニングさん演じるレイの娘レイチェル、わがまま全開!
世の男親の皆様はきっと苦手であろう、ママと同じ口調でパパさんが決して言って欲しくないキラーフレーズを浴びせちゃいます。そこは置いておいて、すごいなと思ったのは絶叫、沈黙、怖いシーンにおける様々な感情表現の演技が素晴らしいー。

レイチェルの、様々な極限状態における表現力がもう、すっごい
レイチェル視線で色んなところを観てきて、めちゃくちゃ怖くてもう、もう、もうー、ある意味楽しかったです。

宇宙戦争(War of the Worlds)というタイトルですが、ひたすら大勢の人々が無慈悲に殺戮されていきます。不条理、ただただ、絶望が続きます。

本作の宇宙人は何百万年の時をかけて周到に周到に、そして人類が、地球がどんな環境を持つ惑星なのか、入念すぎるほどに調べて侵略を実行するほどの知的生命体なので、そこは派手な攻撃シーンが盛りだくさんなのだろうなぁっと想像していたのですが、あまりそのようなシーンはありません。

人類、一般の人々からみた、あるいは人々の行動に焦点を合わせたシーンが多くて、映像は地味、だった気がします。色んな恐ろしいシーンがこれでもかと続くのですが、凄いのはそのレパートリーの豊富さ。人間って、こんなに残酷だし、不条理だし、無慈悲だし、決して平等ではない、そんなことがくっきりと映し出されていて、無慈悲でむごたらしいのです。

侵略してきた知的生命体、人類、いずれも無慈悲でむごたらしいのですが、ラストはあっけなく終焉を迎えます。この終焉、本当にあっけないのですが、そのきっかけとなったこと。ちっちゃいけど、おっきい…いやいや深淵かなぁ。


スピルバーグ監督は「めちゃくちゃ怖い監督」(めっちゃ優しいひとだと思ってったもので)なのだということを知ることができ、またまたよき体験でした。

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