感情と向き合う心理療法 - EFT

エモーション・フォーカスト・セラピー(EFT)とは?

エモーション・フォーカスト・セラピー(EFT)は、カナダの心理学者レスリー・グリーンバーグ博士によって開発された心理療法です。この療法は、感情の役割を重視し、感情を適切に処理し、変容させることを目指します。

EFTの基本的な考え方

EFTは、感情が人間の行動や思考に大きな影響を与えると考えます。感情は、自己理解や対人関係の改善において重要な役割を果たします。EFTでは、以下のような感情の種類を区別します。

  • 一次適応感情:状況に対して適応的な感情(例:危険を感じたときの恐怖)

  • 一次不適応感情:過去の経験から生じる現在の状況に対して不適応な感情(例:過去のトラウマによる過剰な恐怖)

  • 二次感情:一次感情に対する反応として生じる感情(例:悲しみを隠すための怒り)

  • 道具感情:他者からの反応を引き出すために表現される感情(例:同情を引くための涙)

EFTのプロセス

EFTのセッションは、以下のようなステップで進行します。

  1. 感情の認識:クライアントが自分の感情に気づき、それを認識することから始まります。

  2. 感情の表現:感情を安全な環境で表現し、受け入れることを促します。

  3. 感情の処理:感情を適切に処理し、過去のトラウマや現在の問題に対処します。

  4. 感情の変容:不適応な感情を適応的な感情に変えるための技法を用います。

特徴的な技法

EFTには、いくつかの特徴的な技法があります。

  • 空の椅子の対話:クライアントが空の椅子に向かって話しかけることで、内面的な対話を促進します。

  • 二つの椅子の対話:クライアントが二つの椅子を使って、自分の異なる側面や感情を対話させる技法です。

効果と適用範囲

EFTは、うつ病、不安障害、トラウマ、対人関係の問題など、さまざまな心理的問題に対して効果があるとされています。感情の理解と処理を通じて、クライアントが自己理解を深め、より健康的な対人関係を築くことを目指します。

感想

代表的な心理療法である認知行動療法(CBT)が理論的に物事を考える人に向いているのに対し、感情や直感を重視するタイプの人にはEFTが向いているという意見もあります。自分の感情に気づき、適切に表現することで気軽に始められる点もメリットであると言えるでしょう。

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