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20230606 じゃないところが気になる

1年生の指導。また、猫の話になる。ここ何回かは、猫の報告会になっている。前回は、絵カードに猫があったから思い出したのかな、と思っていたけれど、今日は猫の絵は登場しなかった。

「ねこあった。」「ねこ、はしかった。」この「はしかった」に注目してほしい。私がよく見つける猫は、川にかけられた短い橋にいる。だからこの1年生も「橋で見つけた」と言っていたのかと思った。しかし、これはおそらく「走る」+「~かった」だと考えられる。「楽しかった」「うれしかった」などの形容詞を過去形にするための「かった」を、動詞に応用しているのだろう。

アナロジーを働かせて、懸命に言語を学んでいるのが感動した。でも、当然これは間違っている。「ああ、ねこが走っていったのね」ようやく、リキャストすることができた。

その後、対になる形容詞のカードをやる。何度言っても「おおきい」のカードを見て「ぞうさん」と言う。確かにゾウが書かれているけれど。「あかるい」を見て「てんき」と言う。反対は?と聞くと「くもり」という。あってるけど違うよ。

また、ふつうに「たかい」「ながい」「ふとい」を全部「おおきい」にする。まあそれがいいよな。そのほうがいい。

半濁点のついた平仮名の練習プリント。「ぺ」のところにペンギンのイラスト。ペンギンをさして「みた、これ」「さかな」という。さかなじゃないよ、というと「さかな、たべる」という。私も最近水族館でペンギンを見たので、写真を見せると、「これなに?」と水族館の設備の一部を指していた。

一番でかいペンギンのうしろの、ホースみたいな部分

これに関しては私も答えられない。何だろうね、としか言えない。その後も新幹線の下の、イラストの都合ではみ出た部分や、電車のレールにつながるところ? もう説明できないくらい細かいところを、気にしていた。

あと、ふつうに乗り物が好きだった。男の子ってこういうのが好きなのね。

授業が終わった後、1年生に向けて同じく初級で物静かな高学年の男の子が、拍手してくれた。

5時間目は1年生の補教に入った。図書室で本を読む。「長い針が5になったら、ならんで教室に戻るよ。でも、先生忘れちゃうかもしれないから、もしだれか気づいたら教えてね。」当然、私は5になっても気づかないふりをする。1年生が嬉々として「先生5になったよー!」と伝えてくれる。

1年生はまだこのハッタリが通じる。帰りも「みんな忍者だよ。だれにもばれずに教室まで戻ろうね。」もちろん、静かに廊下を歩かせるためなのだが、彼らは本気で忍者になるので、窓から見えないように身をかがめていた。そこまでしなくていいって。

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