見出し画像

“こっそり捨てる”はチャンスを奪うこと


良くない癖

父には昔からやっている良くない癖があります。本人は良かれと思っているので、これが厄介なのです。
何をするかと言うと、母が外出中に、積極的に片づけをして母の了承を得ず、母のものをどんどん捨ててしまうということ。

父の判断基準としては、
「最近使っているところを見ていない気がする」
「汚れているからいらないのだろう」
という、超絶主観的な推測で、判断して捨ててしまいます。本人は、なかなか捨てられない母のために家を綺麗にした!という良いことをした気持ちなので、悪気がない感じでやってしまいます。昔から、「お父さん、もしかして〇〇捨てちゃったー?」という母の悲痛な言葉を何度も聞いています…。

何度言ってもやられてしまうので、母も学習をして、「これはまだ使うからね!」「これは母からもらったものだから、汚れてしまっているけど取っておきたいものだからね!」と伝えるようにしていますね。

大切なものを勝手に捨てられるとショック

再現できない味

私にとってもダメージが大きかったのは、母が集めたレシピのファイル。どうしても、料理をしながら見るものなので、汚れたりしますよね。料理をしている人からしたら分かることなのですが、父には汚れているから使わないものだと思ったみたいでした。お正月にしか作らない料理のレシピは、年に1回だけなのでなかなか覚えてはいなくて、母と私と姉で何とか思い出しながら再現してみたりしましたが、結局は同じ味にはなりませんでした。いつしか挑戦するのもやめてしまいました。

今ではアプリを使ったりして、紙でしかレシピを確認できないなんてことはないですが、当時は母が祖母から習った料理のメモや雑誌などで気になったレシピを集めていたのですよね。それが良かったのになぁと今でも時々思うことがあります。

子供のもの、こっそり捨てていませんか?

うちの父のやり方は行き過ぎだとしても、もう捨ててもよさそうな子供のものをこっそり回収して、しばらくは家のどこかに置いておいて(「そういえばあれどこいった?」と聞かれた時に取り出せるように!)、子供がすっかり忘れ去ったあとに捨てるという技、やったことある方はいらっしゃいませんか?これ、結構聞く話だったりします。

私としては、この方法はあまり賛成ではないかなぁという立場です。モノと上手に付き合っていくためには、自分で『手放す習慣』を身につけておくことが大切だと思うからです。親が買ってあげたものであっても、誰かにもらったものであっても、子供にどうぞと手渡したところで、それは全て子供の[所有物]となります。もちろん、値段や大きさは全く関係なく、自分のもの=[所有物]なのです。だからこそ、それを『手放す』かどうかを決めるのも本人です。

手放す練習

そろそろ捨ててくれないかなぁと思った時点で、声を掛けてみます。
「使ってないんじゃけぇ、そろそろ捨てんさい!」
ではなく、

「置き場所がなくなってきたから、必要ないものがないか確認してみる?」
「壊れてしまって危ないからケガしちゃう前にさよならしようか?」

「手放す方法には、リユース品として誰に使ってもらう・売る・ものによっては分解して使えるものだけを残すなど、ただ捨ててしまう以外の方法もあるよ!」など、本人しか分からない気持ちを尊重しつつ、手放す方法の情報を伝えていきます。

壊れて使えないけど思い出としてとっておきたい場合もあると思うので、そうゆう時にはそれ用の箱を1つ用意してあげます。ただし、それも1年に1回は必ずチェックです。時間が経ってみると、意外とあっさり、もういらないかも!と思えたりするものです。思いが変わらないのであれば、それは本当に宝物として大切にするべき。その判断がつくようになります。

きちんとバイバイしようね

自分の大切なものが何なのか

こっそり捨てられることで、それが自分にとって必要なものなのか見極める機会を奪われます。手放す、捨てるという行為が苦手な人もいるかと思いますが、気持ちよく手放す方法を知ることで出来るようになる可能性も十分にあると思っています。

モノが全くない状態で生活をすることは不可能です。暮らしの中にはモノがあふれています。より少ない方が良いのかというと、それは人によるもの。たくさんのモノがあっても、把握し整理できる人もいます。整理はできていなくても、把握できている場合もあります。把握しているかが大切だと考えます。自分の大切なものを知っている、どこにあるか分かっているということ。そして、必要なものと自分の好きなものに囲まれた暮らしの快適さが、一番気持ちの良いモノかもしれません。

教えてくれたのは…

林 啓子(はやし けいこ)
インテリアコーディネーター資格取得後、設備メーカーで換気・照明などのプランナーとして勤務後、出産育児のため退職。 子供の生活に合わせることを優先するため他業種での2年間の職務中に、整理収納アドバイザー1級、親・子の片づけインストラクター1級、家計整理アドバイザー1級の資格を取得。 4年前から住宅設備関連の仕事と兼業しながら、お片づけや家計整理のセミナー、お片づけサポートなどを行う。また月に一度、お片づけ後などの不要になった子供服リユースイベント(@ろいやるはうす)のスタッフとしてもお手伝い中。


コンシェルジュのいる総合住宅展示場ふれあいホームタウン

ふれあいホームタウンは、コンシェルジュがいるから、気軽に立ち寄れる総合住宅展示場。
広島県福山市・尾道市・広島市に約30棟のモデルハウスが揃っています。
Webサイトでは、出展しているモデルハウスについてや、家づくりのQ&A、総合住宅展示場ならではのメリットなど役立つコンテンツが盛りだくさんです。
家づくりを考えている方も、そうでない方も、一度見てみてくださいね。