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時代を超えて~今使うものと人形供養へ~

今回の、インテリアコーディネーター・整理収納アドバイザーの林啓子さんによるコラムは、「時代を超えて~今使うものと人形供養へ~」です。
片付けをしていると、思いもよらなかったものが出てきたり、すっかり忘れていたものが出てきたりしますよね。使わなくなったものでも、新たな使い道を見つけて活用できると素敵ですね。


婚礼道具ってやつ!?

実家の両親が宣言した本気の終活。姉と私が手伝っているのが、実家と、同じ敷地にある祖父母の家の片づけ。祖父母の家の方がかなり片づいたので、今は実家の2階をメインに作業しています。

たびたび興味深いものが発見されるのですが、今回もなかなか。天袋の奥に、何やらめでたそうな赤い箱がありました。60センチ×40センチくらいの大きさ。まぁまぁ大きいものを奥に押し込んだみたいな感じになっています。母は「見たことがない。」と。
このあと、これがとんでもない失礼発言だということに気がつきます!天袋から取り出してみると、箱には「御婚礼用品」の文字が・・。

初めて見た和裁道具一式

開けてみると、和裁用の裁縫道具一式が入っていました。着物を仕立てる道具ということですね。私程度の知識では、裁ちばさみくらいしか分かりませんでした。くけ台・仕上馬・へら台・こて台・着物掛などという和裁道具だと母から教えてもらいました。和裁と洋裁の先生をしていた祖母から、母への贈り物だったようですね。「見たことがない。」という自らの発言を思い出し、「おかしいわね~」とへらへらする天然の母です。「おばあちゃんが仕立ててくれるから、お母さん自分でやらなくて良かったのよ~。」とか言い出します。「もう!おばあちゃんに謝らんと!」という私の言葉にも、「本当よね~。あははー」という調子です。このおおらかさに助けられたこともたくさんありますが、祖母が大好きだった私は、この時ばかりはちょっと本気でしたよ!!

私は、母の了承得て、裁ちばさみと裁縫小物をしまう箱をもらいました。さすがに着物を仕立てることはないので、そのあたりは母の知り合いの裁縫の先生に引き取ってもらうようでした。

記念品を贈っていた時代

その他には、使った形跡のない箱に入ったままの電気調理器具や、名前入りの結婚式の引き出物!「由美子さんってどの由美子さんかしら~。」というまたしても母の呑気な発言に笑いながら、どんどん作業は進みます。父がお世話になった恩師の先生が何かを受賞された時のお祝い返しという品も発見されましたが、灰皿?すずり?用途が分かりません。ただめちゃくちゃ重い!!父に見せましたが、「何に使うんや?」と。でしょうね!ということで、ありがとうございましたと廃棄へ。

記念品としてもらった時計や、父が勤めていた会社名が記載された箱に入った日本国旗なども出てきました。今は少なくなってきましたが、名前や出来事を記録したものを記念品として贈り合う習慣があったことがよく分かります。

買取やバザーへ

ガラスコップにコースターのセット、急須とお湯呑みのセットがこれでもかというほど出てきます。銀食器はさすがに変色してしまっているものもありましたが、それ以外の木箱に入った綺麗な食器は買取へ。シーツや毛布・タオルなども、箱に入って綺麗なものは近いうちに地域のバザーがあるとかで、可能なものはそこで引き取ってもらうことになりました。

重たくて大きな花瓶もいくつも出てきましたが、萩焼の小さいものだけは私が譲り受け、あとは木箱に戻して、姉が買取へ持って行ってくれました。実家片づけもかなり進んできました。

屋久杉のおちょこ

今回の実家片づけで私が譲りうけたのは、裁ちばさみと裁縫小物入れ、萩焼の花瓶のほかにもう一つ、屋久杉のおちょこです。

出てきた屋久杉のおちょこ

おちょこが入っていた箱は壊れており、父が今はお酒を控えていることもあり、母は「もう廃棄して良いよ。」と言いましたが、捨てるなら、ということで私が持ち帰ることにしました。夫はお酒が苦手ですし、私もおちょこで飲むタイプのお酒を家で飲むことはありません。本来の用途とは違うやり方で使うことにしました。

おちょこの使い道

スケジュールに貼るふせん入れになりました

見た目が好み!我が家の雰囲気に合いそう!というほぼ一目ぼれ状態で持ち帰った屋久杉のおちょこ。深さ的にちょうど良いだろうと思っていたのですが、やはりばっちり!!キッチンに立った私にしか見えていないキッチン側の壁(リビングからは見えません)に、家族のスケジュールを貼っているのですが、そこへ【to do リスト】用の付箋を貼ることがあります。息子・娘・自分・習い事関連・その他ということで色分けしたいので、5色を使っています。おちょこがこの付箋入れになりました。すぐに手に取りたいけど、出しっぱなしにはしたくないし、と思いながらこれまではカップボードにしまっていましたが、今は可愛らしくおちょこに収まっています。キッチン側の私にしか見えません。リビングからは観葉植物の鉢の陰に隠れている状態なので、鉢しか見えていません!

初めての人形供養へ

祖父母の家にもありましたが、実家からもたくさんの人形が出てきました。母の話によると、銀婚式のお祝いや長寿を祈念したもの、女の子の出産の祝いなどで、ガラスケースに入った綺麗なお人形などを頂く機会があったとのこと。ものによっては、かなり大きいサイズのものもありました。これを節目ごとに頂く機会があるとなると、置き場所に困りますよね。

今回はそれらをまとめて、人形供養をお願いすることにしました。かなりの数になりました。ただ捨てるわけにはいかず困っていた両親も納得してくれました。お祓いをして頂き、お焚き上げへということですね。こういったことを受け付けて下さるところはたくさんあるようです。場所によっては、お祓い後のお人形の里親探しという行事を行っているところもあるみたいですね。

自分の暮らしを大切に、気持ちを大切にするということはこうゆうことかもしれません。

教えてくれたのは…

林 啓子(はやし けいこ)
インテリアコーディネーター資格取得後、設備メーカーで換気・照明などのプランナーとして勤務後、出産育児のため退職。 子供の生活に合わせることを優先するため他業種での2年間の職務中に、整理収納アドバイザー1級、親・子の片づけインストラクター1級、家計整理アドバイザー1級の資格を取得。 4年前から住宅設備関連の仕事と兼業しながら、お片づけや家計整理のセミナー、お片づけサポートなどを行う。また月に一度、お片づけ後などの不要になった子供服リユースイベント(@ろいやるはうす)のスタッフとしてもお手伝い中。


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