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ふるさと納税に関する罠

ふるさと納税は制度について知らないと損をしてしまうときがあります。「控除」と「還付」の違いや「所得税」と「住民税」という税の種類についても理解しないと、思わぬ罠にはまってしまうので注意が必要です。きちんと調べないと思った通りにいかなかったり、還付・控除について勘違いをしている人もいると思うので、備忘録として記載します。

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①例えば3万円寄付(ふるさと納税)すると2万8千円が戻ってくるの?

「ふるさと納税をすればご当地の名産品が食べられる!実質2千円の負担だけでお金が戻ってくる!」というような文言、聞いたことがないでしょうか?メディアではこういう表現をしていると(個人的に)思います。

厳密にいえば違います。確定申告を行った人に限り「(寄付金額-2千円)×所得税率」分が還付され残りは住民税から控除されます。寄付金額3万円、所得税率10%をとすると、2,800円が還付金として口座に入金され、差額25,200円(3万円-2千円-2,800円)が住民税額から控除されます。例えばサラリーマンの方であれば住民税は特別徴収(毎月の給与から天引き)になるため、25,200円を12カ月で割った2,100円が毎月控除されています。③算定された住民税から控除される分(25,200円)がそのまま入金されるというわけではありません。

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※確定申告を行わずワンストップ特例制度を利用した場合は全額住民税からの控除となります。還付金が振り込まれることはありません。

②節税ではなく税金の前払い

「ふるさと納税=節税」というわけではありません。ふるさと納税の支払先は寄付先の市区町村(A町とします)です。本来あなたが住んでいる市区町村(B市とします)に支払う分をふるさと納税したA市に先に払ったということになるため、節税とはいえません。別の視点で考えれば、ふるさと納税をしなければB町は税収を減らさずに済んだということになります(A市が得た金額分B町が負担するイメージ)。市区町村間でのふるさと納税戦争になるわけです。

③納める税額以上の控除はできない

「住民税が非課税(0円)」だったり住宅ローンの控除額が大きかったりすると、ふるさと納税による控除を控除しきれない場合があります。もともと納める税額以上の控除を受けることはできません。

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④控除の上限額を知らないと自己負担が増えるだけ

ふるさと納税で控除できる上限額は決まっています。その人の家族構成や年収(所得)が軸となり、すでに受けている税金控除(住宅ローンなど)の金額も影響します。検索すればシミュレーション(簡単なものから詳細なものまで)ができるので確認してみましょう。源泉徴収票などがあれば正確なシミュレーションが可能です。控除の上限額がわかれば寄付金の限度額の目安もわかります。

※控除上限額を超えてしまってこれ以上控除されないのに、ふるさと納税をたくさんしても個人の出費が多くなるだけです!①にも記載しましたが、出費したお金がすべて戻ってくるのではなく、算定された住民税から控除される制度です!

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⑤寄付した年の翌年に控除されます

今慌ててふるさと納税しても今年の税金からは控除されません。今シーズンの確定申告では前年に行ったものに対して反映されます。今出費しても反映されるのは翌年なのでご注意を!

⑥忘れずに申請しましょう

当たり前ですが申請をきちんと行わないと還付や控除を受けることはできません。自動的には反映されないのでご注意を!忘れずに確定申告またはワンストップ特例制度の申請を行いましょう。

※ワンストップ特例制度は、寄付先が5団体以内に限り確定申告を不要としています。しかし、医療費控除を受けようとする場合にはワンストップ特例制度は無効となり、ふるさと納税に関する手続きを確定申告で行う必要があります。

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