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行政書士 生き残るための四要件

 当行政書士冨楽(ふらく)事務所は、皆様のおかげで、開業13年目を乗り越えて、14年目に突入しました。
 15年目まで、無事に到達しそうです。

 ただただ、感謝しかありません。

 私は、行政書士として、開業後、後輩行政書士100名以上の相談を受けてきました。
 ツイッターでは、ほぼ毎日、行政書士事務所経営に役立つノウハウを公開しています(https://twitter.com/FurakuOffice)。
 私は、今まで、数百名の同業者(行政書士)と出会ってきました。

 自分の事務所運営の参考にするために、成功している行政書士の先生にお会いするたびに、

 ・先生はなぜその業務を専門に選んだのか
 ・先生はなぜその場所で開業するようになったのか
 ・先生の事務所が軌道に乗ってきたのは何年目か 

 を聞くようにしています。

 成功した行政書士の先生に、インタビューをしてくると、いくつかの共通点があることが、だんだん分かってきました。

 それらの成功した行政書士の先生の共通点と、自分が行政書士事務所を13年経営してきた経験に基づいて、行政書士の開業者が、5年後、10年後も、行政書士として生き残れるための重要ポイントを、四つの要件にまとめて、書いていきたいと思います。

 ※以下の内容は、当事務所が2年前に新人行政書士に対する研修会(参加費5000円)で語った内容を、文章にまとめたものです。

 要件一 開業したら、できるだけ早く、収入が支出を上回るようにしなくてはいけない

 「そんなこと当たり前じゃないか!」
 そう!!その当たり前のことが、本当に重要なのですよ!!!

 ・開業して間もなくは、仕事の処理数が少ないので、収入より支出が多くなる
 ↓
 ・貯金が減少していく
 ↓
 ・自分が不安になる
 ↓
 ・家族が不安になる
 ↓
 ・家族から別の仕事したらと言われる
 ↓
 ・心が折れる
 ↓
 ・貯金が尽きる前に廃業

 というのが最も多い廃業パターンなのです。

 貯金が尽きるまえに心が折れてしまう人は、本当に多いです。
 上記の廃業パターンをたどらないために、収支を早急にプラスに転じさせないといけません。
 遅くとも、開業2年目突入あたりで収支が黒字にならないと、レッドラインに近いです。

 

 要件二 開業エリアの選定と専門業務の選定が重要

 普通の業界では、新規に開業をするとなると、

 ・立地(エリア)計画 → 事務所を構えるエリアはどういう業界や客層があるのか
 ・取扱商品計画  → 事務所の取扱業務(商品)はどれにするのか
 ・組織計画 → 事務所はどういう人員でどういう役割分担をするのか
 ・営業(宣伝)計画  → 見込み客にどうやってアプローチして取扱業務(商品)を認知してもらうのか
 ・資金計画 → 開業資金や運営資金をどうやって確保してどのように使うのか

 などを綿密に練り上げてから、開業に踏み切ります。

 行政書士事務所で、特に重要なのが、・立地(エリア)計画 と ・取扱商品計画 です。
 行政書士の新規開業者は、ノープラン開業者があまりにも多すぎます。 
 行政書士業務には、都会では成り立ちにくいもの、田舎では商売にならないものなどの区分は、厳然としてあります。
 通常の商売人なら、販売棚に並べる商品は、徹底的に選び抜くはずですが、行政書士の新規開業者でそこまでやってる人は、本当に少ないです。
 ・立地(エリア)選定と、・取扱業務(商品)選定は、大戦略レベルの話であり、この2つで失敗してしまうと、下位概念の戦術レベルでいくら一生懸命やっても、無駄な努力になります。
 例をあげると、大都市部から離れた人口5万の山間の街では、入管業務メインでは食べていけません。
 そういうことです。
 「好きなこと」「やりたいこと」「興味があること」だけで食べていけるほど、行政書士業界は甘くありません。
 そういうこと知らずに開業するから、最も大切な開業初年度を棒に振ってしまうのです。

 

 要件三 ”なんとなくマインド”と”なんとかなるだろうマインド”は、死に至る病

 行政書士開業者が成功しにくい最大の要因の一つは、実務の姿がまったく想像できない行政書士試験の出題内容にあります。
 行政書士試験は、公務員試験のような、総花的な、ふわっとした出題内容なので、「俺は◯◯という仕事をやるために行政書士を取るんだ!」という、確固たる信念がもてないのです。
 あと、行政書士を、他資格取得のためのステップとしか見ていない受験生も数多くいて、そういう人は当然、行政書士業務に対する熱意がありません。
 また、行政書士の開業は、初期費用もランニングコストも、安くしようと思えば相当安くできますが、これがかえって落とし穴になります。
 大金がかかってないので真剣味をもてないのです。
 以上の要因から、最も真剣にならないといけないはずの行政書士新規開業者に、”なんとなくマインド”と”なんとかなるだろうマインド”が蔓延するのです。
 ふわっとした動機で行政書士試験を受験するのはまだいいですが、ふわっとした動機で行政書士を開業すると、確実に失敗します。
 「なんとなく相続業務をメインでやってみよう」とか「ノープランで開業しちゃったけどなんとかなるだろう」みたいなマインドが、一番危険です。
 また、どんなを形のものでも良いですから、「なにをどうしたいか」というビジョンを明確に持っている人は、成功しやすいです。

 成功する人はビジョンがある人です。

 ツギハギだらけのビジョンでも、それを持たない人間よりは、10000倍マシです。
 「職住近接で家族3人を安心して食わせていく」程度のビジョンでいいんです。
 開業では、”なんとなく”とか”なんとかなるだろう”という考えは、本当にまずいです。
 本気で行政書士で食べていきたかったら、この2つのマインドは捨ててください。

 

 要件四 ”決断力”と”実行力”と”積極性”は、成功のための三種の神器

 今まで、多数の行政書士開業成功者を見てきましたが、彼らはそろって、

 ・決断が早い
 ・実行が早い
 ・何でもいろいろ試してみようとする

 という傾向があります。

 「今はその時期ではない」
 「今は忙しい」
 「◯◯するのは××が終わってから」

 という言い訳の言葉で逃げていませんか?

 ものすごく労力がかかったり、大金がかかることは、躊躇して当然です。
 しかし、ちょっとした心がけや、少しの努力だけでできることを、先延ばしするような人間は、はっきり言って、成功は難しいです。
 ノウハウだけを集めまくっても意味がありません。
 そのノウハウは、それを実行に移す”決断力”と”実行力”と”積極性”があって、はじめて効果を発揮します。

 「どうやれば”決断力”と”実行力”と”積極性”が身につけられるの?」
 そのやり方を一つお教えします。

 ・メールで連絡をしようと思ったら電話で連絡するようにする
 ・電話で連絡をしようと思ったら直接会いに行くようにする(先方の了解を得た上で)

 要は、積極性のレベルを一段階上にシフトチェンジするように心がけるということです。
 この方法は、産廃業務で年商数億円を稼いでいる行政書士の某先生に教えてもらったメゾットです。

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できない理由を並べ立てる人がいる。これでは新しい事業を達成することはできない。
何もないことを前提として、目標を達成するために必要な人材や設備、技術をどう調達するかを考えなくてはならない(稲盛和夫)。
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 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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〒306-0624
茨城県坂東市矢作2070-1
行政書士冨楽事務所  
代表行政書士 冨樂剛志(ふらくたけし) 
行政書士登録年月日 平成17年4月2日(開業14年目)

所有資格:行政書士、宅地建物取引士、測量士、マンション管理士、管理業務主任者
経歴:元早稲田セミナー講師、元早稲田セミナーキャリアカウンセラー、元土地家屋調査士事務所補助者

TEL:0297-38-1777
FAX:0297-38-2615
携帯:090-5557-6205

メールアドレス:furaku-sougou@email.plala.or.jp
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「誰も教えてくれない行政書士のキャリア形成術」:https://note.mu/furakuoffice/n/n49bf6e629afe
「この三つにあてはまる人は、行政書士として、食っていくのは、難しいです」:
https://note.mu/furakuoffice/n/nc7a896e22e5b
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