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行政書士を廃業する人のほとんどは、この”三大タブー”を、やっています

厳しいことを言うように思われるかもしれませんが、以下の三つにあてはまる人は、行政書士として、食っていくのは、難しいです。


 まず、下記のYouTube動画をご覧ください。

 行政書士が3年以内に廃業する理由 行政書士杉井法務事務所 営業コンサル部門

 感想はいかがですか?

 「いくらなんでもこれはひどい」
 「本当の話なの!?」
 「おいおい、低レベルすぎるだろう」

 などと、思われたのではないでしょうか?

 この動画に出演していらっしゃる杉井先生は、ペット法務の第一人者で、当冨楽事務所とも面識があります。

 杉井先生がYouTube動画でおっしゃっていることは、残念ながら、全て本当のことです。


①基本的なビジネスマナーを身に付けずに開業するのはまずいです

 ・事務所に電話をかけても電話に出ない
 ・着信電話があっても返信してこない
 ・電子メールを送っても返答してこない
 ・Tシャツとハーフパンツでお客さんの会社に出向く!
 ・名刺を作っていない!

 等々、アレな行政書士のアレな行状は、挙げればキリがありません。

 はっきり言います。行政書士業界のビジネスマナーの水準は、低いです。お話にならないレベルです。

 そういう状況ですので、きちんとしたビジネスマナーを身に付けておくだけで、全行政書士の中で、上位5割に入ります。

 いや、ツイッターでは他行政書士に遠慮して上位5割と書きましたが、実際は、上位3割には余裕で入ります。

 きちんとしたビジネスマナーを身に付ける手段としては、一番良いのは、一般的な民間企業に入って、営業等の仕事を担当することですが、なかなかそうもいかない人も多いでしょう。
 
 そこで、秘書検定2級の勉強をして、ビジネスマナーを身に付けることを、おすすめします。

 秘書検定2級の合格率は約50%~60%で、2級までなら、「市販テキスト」と「過去問」だけで、独学でいけます。

 勉強期間は1~2ヶ月といったところです。

 秘書検定での知識や技術は、あなたにとって、一生モノの財産になります。

 絶対に損にはなりません。


②開業1年目なのに1日10時間未満しか働かないのはまずいです

 「独立開業のスタートアップなら10時間以上働くのは当たり前でしょう?」と思ったあなた、あなたは大丈夫です。

 「えっ、、司法書士(社労士)の勉強に1日5時間はあてたいから、1日10時間はきついなあ、、」とか思ったあなた、あなたはまずいです。

 行政書士スタートアップ時に必要になる知識の量は、行政書士試験合格に必要な知識の量の、数倍です。

 ・事務所名について
 ・事務所の形態(自宅or離れor賃貸or新築など)について
 ・事務書の電話番号について
 ・新規電話回線やFAX回線について
 ・事務所の調度品について
 ・事務所の機器について
 ・行政書士会への登録について
 ・行政書士会や支部会へのあいさつについて
 ・名刺の作成(デザイン)について
 ・事務所パンフについて 
 ・事務所専用封筒について
 ・事務所ホームページの作成、更新
 ・SNSアカウント作成、書き込み
 ・ネット施策(リスティング広告等)
 ・開業あいさつまわりや開業あいさつ状について
 ・業務メニューの選定について
 ・行政書士法や業際について
 ・実務知識の習得について
 ・営業先の選定について
 ・顧客や関係者リストの作成について
 ・宣伝や集客法(ネットやアナログ)について
 ・研修会や交流会について
 ・家族に対する対応について
 ・今までの勤務先に対する対応について
 ・開業資金の準備について
 ・確定申告や経理処理について
 ・税務署や県税事務所への届出について

 などなど、開業時に、考えなければならないこと、勉強しなければならないこと、やらなければならないことは、山ほどあります。

 本当に、山ほどあります。

 1日10時間働いても、足りないですよ。本当に。

 あなたに、事務所運営経験がない場合は、本当に大変です。

 まともな会社勤めの経験自体がない場合、本当に、死にます。自分がそうでした。

 こういう状況で、他資格勉強や、他の仕事を、やっている時間は、ないです。

 1日5~6時間しか、行政書士業務にあてられないとすると、いつまでたっても、事務所経営を、軌道に乗せられません。

 開業1年目のスタートアップ時には、どうしても、一定期間は継続して業務に集中してあたらないと、いつまでたっても、テイクオフできないです。
 
 実際、開業1年目に、司法書士や社労士の勉強をガッツリやりながら、行政書士でも十分稼げていた人を、見たことがありません。

 いや、みなさんの気持ちは分かりますよ。

 「行政書士みたいな弱小資格だけで開業は不安だ。だから司法書士や社労士も取得したい。」と考えている人が多いことは。

 でも、開業1年目で行政書士業務に全力投入できないと、行政書士でまともに稼ぐのは、夢のまた夢です。
 
 こういう、本当のことを書くと、たくさんいる「行政書士で開業しつつ他資格の勉強もしている人」の気分を害することが分かっているので、ツイッターでは書かずに、このように、noteに書いた次第です。


③開業1年目のスタートアップ時に他資格勉強をしてしまうのはまずいです

 これは、上記の「②開業1年目なのに1日10時間未満しか働かないこと」と、密接に関わる項目です。

 「生活費が足りないので1日数時間のバイトをする」ことは、これはもう、しょうがないと、思います。

 しかし、開業1年目のスタートアップ時に他資格勉強をガッツリやるのは、ダメです。

 どう考えても、ダメです。

 司法書士や社労士などの資格試験勉強と、開業1年目のスタートアップは、相性が悪すぎるのです。

 「行政書士実務でも、司法書士や社労士などの資格試験勉強の内容は、役に立つのでは!?」と考えたあなた、あなたは甘いです。

 司法書士の受験勉強も、社会保険労務士の受験勉強も、残念ながら、行政書士の実務(営業や宣伝や書類作成など)には、ほとんど役に立ちません。

 これは開業14年の私個人の意見だけではなく、他の先生方(他士業の人も含む)の意見を収集した上で、そう述べているのです。

 資格試験勉強による記憶領域圧迫と、開業1年目スタートアップによる記憶容量圧迫は、相互に悪影響のスパイラルを引き起こし、結果、試験不合格と開業失敗という、最悪の結果がもたらされます。

 また、行政書士で開業しつつ、司法書士や社労士などの勉強をしている人は、しばしば、業際を踏み越えてしまいます。

 「遺産分割協議書や財産目録は作れる。相続人も相続財産の構成もシンプルだ。じゃあ相続登記までやっても誰も困らないだろう。むしろお客さんにとって良いことだろう。」ということで、業際を踏み越えてしまうんですね。

 こうなると、バッジがとびます。

 そもそも、他資格の勉強をしている人は、行政書士よりも、その目指している他資格に心を惹かれているわけで、そうなると、その資格の仕事をやってみたい、将来の”予行演習”としてやってしまおう、となる人が、出てくるんですね。
 
 非弁行為、非司行為、非社行為は、非常にまずいです。

 そもそも、当事務所は、「行政書士として開業した限りは行政書士業務だけに専念しろ!他資格の勉強はするな!!」などと言うつもりは、毛頭ないです。

 そこは強調しておきます。
 
 ただ、他資格の試験勉強を、開業1年目のスタートアップ時に、同時並行してやるのは、極めてまずいと、申し上げているだけなのです。

 つまり、

・行政書士として登録はするが、行政書士事務所としては開店休業状態(業務は一切やらない)にして、他資格の試験勉強に集中する

・行政書士事務所の経営が安定してくる開業2年目以降に、本腰を入れて他資格の試験勉強をやる

 上記二つの、いずれかの道を選んだ方が良いですよ、ということです。

 行政書士開業スタートアップと他資格試験勉強を両立させようとすると、「虻蜂取らず」「二兎を追うもの一兎も得ず」になる危険性が非常に高いです。

 当事務所が親しくさせていただいている司法書士兼行政書士の先生は、「行政書士事務所と司法書士試験勉強を一緒にやろうとしたけど、結果、初年度年商30万、司法書士試験も基準点を大幅に割り込んで、やばいと思って、行政書士業は完全にストップして、試験に集中した。おかげで次の年には司法書士試験に受かった。」と言っていました。

 この先生は、機械的に月8~10万円くらい入ってくる行政書士業務を知らなかったので、年商30万円という惨状になりましたが、行政書士開業者かつ他資格受験生の初年度の年商としては、30万円というのは、ごく平均的な金額です。


※結論です

 上記①、②、③の三大タブーを回避できている人は、全行政書士の中では、上位2割以内に、確実に入ります。

 行政書士の廃業率は7~8割だと聞いたことがありませんか? 

 つまり、上記①、②、③の三大タブーを回避できている人は、上位2割なので、これらがクリアできる時点で、食える可能性が高くなるということです。
 
 意外とハードルが低いと思いませんか?

 「独立開業者としてあたりまえの努力」の大切さは、行政書士開業でも、まったく同じです。


 
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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〒306-0624
茨城県坂東市矢作2070-1
行政書士冨楽事務所  
代表行政書士 冨樂剛志(ふらくたけし) 
行政書士登録年月日 平成17年4月2日(開業14年目)

所有資格:行政書士、宅地建物取引士、測量士、マンション管理士、管理業務主任者
経歴:元早稲田セミナー講師、元早稲田セミナーキャリアカウンセラー、元土地家屋調査士事務所補助者

TEL:0297-38-1777
FAX:0297-38-2615
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「誰も教えてくれない行政書士のキャリア形成術」:https://note.mu/furakuoffice/n/n49bf6e629afe
「行政書士 生き残るための四要件」:https://note.mu/furakuoffice/n/n29b5acc7d2b9
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