青
みんなはどうなんだろな。 ママに頬ずりした時にする、甘いけど甘すぎなくて、少しツンとしたにおい。 なんか好きなんだよね。 パパにおぶってもらった時にする、苦いけど香ばしい、友達はくさいっていうにおい。 私は好きだったかな。 とりあえず私は「ママのにおい」「パパのにおい」で覚えてました。 それで、化粧してる時に気づきました。 「ママのにおい」はファンデーションのにおいだったらしいです。 あと、タバコ吸ったあとの手を嗅いだ時に気づきました。 「パパのにおい」はタバコのにおいだった
頑なに張るって、すでに無理なものを無理に張るってことで。頑張るって、無理してやらなきゃっていうエンジンみたいなもので。頑張らなくていいんすね。頑張るのやめましょ。つかれます。なんとなくやります。頑張んなきゃと思ったときは休みます。
夏休みの最後の絵日記は何で飾ろうか。 スクール水着に白いハイビスカスの柄のピンクのワンピース、白いサンダル、ピンクのカチューシャ。 昨晩、母にマネキュアを塗ってもらった。 ちょっとばかりおしゃれに目覚めて、ピンク、きらきらが好きなお年頃。 ワゴン車がカーブを曲がり終えた時、兄は身を乗り出すようにして窓の外を眺め、はしゃぎだす。 その横で少女はこわばった顔つきで窓の外を眺めていた。 「え?怖いの~?」と兄に茶化されて、少女は口をとんがらせては、「怖くないし!」とむき
自分が「17」になってから年を重ねるごとに、「あの子」のことをよく思い出そうとする。 細かいこととか、よくは覚えてないんだ。 何て呼ばれてた?何して遊んだ? でもずーっと覚えてて確かなのは、「あの子」は何個か上で、同じ血を持ってて、白い肌にきれいな髪、背が高くて、優しくて、優しすぎて、「17」で勇気を振り絞った、すげーかっけえ子。 あと、ランドセルがでかい頃にみた最後の「あの子」はもっとずーっと白くてめちゃくちゃきれいだったのは覚えてる。 「17」になった時に、おかあさんに「
こうしよう、ああしようってたくさん思いついてる時は明日が楽しみ。 こうしよう、ああしようがない時は明日が楽しみじゃない。 こうしよう、ああしようがない明日が怖い。 こうしよう、ああしようがない自分が怖い。 こうしよう、ああしようがない自分は空っぽに思う。 でもきっと、空っぽなのはやり尽くしたからなのかもしれない。 何かを自分から出すために、中に詰め込む時期なのかもしれない。 今がそうなんだって思う。 こうしよう、ああしようの、「こう」と「ああ」の材料探しをしよ
子どものとき、大人が笑っているのをみて、なにが面白いのかわからなかった。 きっと、大人になったらわかるんだろうと思った。 はやく大人になりたいなって思った。 でも、今、こどもが笑っているのをみて、なにが面白いのかわからない。 きっと、子どものときの自分だったらわかるんだろうなと思う。 きっと、大人のときも、子どものときも、そのときしかわからない思いでいるんだと思う。
シルバーラメネイルを塗ってみた 夏だもん、いいでっしょって あの人に会うから、キラキラしていたくて シルバーラメネイルを落とした 夏もう終わりだもん、いいでしょって そうすればあの人への気持ちもさっぱりなくなるかなって シルバーラメネイル、落ちきれてなくって まだ夏だもん、まだ思っていていいよね ラメが残ってるまでいいよね またシルバーラメネイル、塗ってもいいかな
よりによって。ローファーを履いてしまった。 私のローファーの中はまさにサウナ状態。 昨日、「熱中症に十分に気を付けてくださいね」とアナウンサーが教えてくれたのに。 私一人しかいない部屋で、「へー」とか言って納得してたくせに。 大学の授業が少ししかない、今日。 唯一の友人と外食をすることになっていたのに。 小中高、「TPOに気をつけましょうね」と家庭科の先生が教えてくれたのに。 友人となんにもない駅で電車を待つ。 今日も北風は太陽に敗北。 あっつ。 もっと他
7:00。 予定の30分遅れ。 慣れてないくせしてろくに化粧に時間をかけず、なぜかちゃんとゴミ出しと洗濯干しをおわらせた。 急いで飛び乗ったエレベーターで、兄のおさがりの時計を何度も見返す。 「大丈夫、まだ時間ある。」 駅までの自転車での道はもう慣れた。 「あの人も電車乗るのかな?」 「何の仕事してるんだろう?」 「子持ちっぽいな」 くだらないことまで考えられるようになった。 マスクの中は水滴でびちょびちょ。 「ああ、やっぱ化粧なんてちゃんとしなくてよかったわー」 とか、余計