誰も彼も殺さないでいて
今日も私は孤独だった。毎日毎日孤独を誤魔化し、宥めながら過ごしている。ある時は今は亡き文豪に慰められ、またある時は他者からすれば呆れるような甘味に舌鼓を打ちながら。しかしどれもこれも刹那的であり私の孤独を払拭するに値はしなかった。一瞬一瞬を紡ぐことでその間に忍び寄る孤独の陰から目を逸らし、何とか逃れて過ごしているような日々だった。
陽気で開放的な人間になるのはもう随分と前に諦めたが、私にもし神でもいればなにか変わっていただろうかと考える。大した信仰心も持ち合わせず何に縋ること