マガジンのカバー画像

邦画の感想たち

26
邦画の感想記事をまとめてます
運営しているクリエイター

#映画レビュー

感性を呼び起こせ/『ケイコ 目を澄ませて』感想

説明過多のコンテンツが溢れかえるご時世だ。 動画なら時間はショートに、倍速に。 その分テ…

ふぬけ
1年前
18

その想像力が、誰かを救う/『君は永遠にそいつらより若い』感想

想像力が欠如し、他人の痛みに鈍感になり、そのくせ見映えを加工したり取り繕ったりするのだけ…

ふぬけ
2年前
16

完璧な着地を見せた人気シリーズのラスト/『るろうに剣心 最終章 The Beginning』感…

劇場版『るろうに剣心最終章 The Beginning』を観てきた。 ついに映画るろ剣シリーズの完結で…

ふぬけ
3年前
26

期待は超えない/『るろうに剣心 最終章 The Final』感想

※ネタバレあり うーん、原作の要素をどこまで取捨選択すべきか難しかったと思う。2時間とい…

ふぬけ
3年前
5

ずっと大切にしたくなる映画/『街の上で』感想

心から自信を持って薦められる日本映画をいくつ知っているだろう。 自分に鑑みれば、そう多く…

ふぬけ
3年前
26

平凡を掴み続ける難しさ/『その夜の侍』感想

こんな堺雅人は観たことがない。 ラスト30分、雨のシーンからは目が離せなかった。汚くて気持…

ふぬけ
3年前
6

いつかこの映画を思い出してきっと泣いてしまう/『花束みたいな恋をした』感想

「天竺鼠はさすがに狙い過ぎだろ」 僕は右手に持っていたポップコーンを思わずぶちまけそうになった。 コロナのせいで館内に食べものは売っていなくて、そもそもポップコーンなんて食べていなかったから、これは気持ちの問題である。 劇中には実在する映画、音楽、漫画、著名人の名前が数多く登場する。出てくる単語はどちらかといえば「知ってる人は知ってる」類のモノで、王道とは言い難い。有村架純と菅田将暉が演じる男女は、いわゆるサブカルと呼ばれるそれらをこよなく愛する2人だ。 天竺鼠は映画

死にたいけど、殺されたくはない/『十二人の死にたい子どもたち』感想

私たちに死を迫るモノとは一体なんなのか。映画『十二人の死にたい子どもたち』感想です。 <…

ふぬけ
3年前
5

結局僕らはさ 何者になるのかな/『何者』感想

映画『何者』は朝井リョウの同名小説の実写化で、就職活動を通して自分が何者であるかを模索す…

ふぬけ
3年前
5

小松菜奈が最高 /『恋は雨上がりのように』感想

超絶美少女JKがバイト先のファミレス店長45歳にゾッコンになる文字面だけならAV。もしくは中年…

ふぬけ
3年前
6

意外性はないが…/『AI崩壊』感想

映画『AI崩壊』は、インフラから医療まですべてにAIが入り込んだ2030年の日本を舞台に、そのAI…

ふぬけ
3年前
4

独りで抱えれば黒歴史、2人で叫べば青春/『惡の華』感想

この作品を、今、思春期に苛まれているすべての少年少女、かつて思春期に苛まれたすべてのかつ…

ふぬけ
3年前
9

言葉を尽くすな、想いを尽くせ/『さよならくちびる』感想

解散を決めた人気デュオの“ハルレオ”。2人を支える付き人のシマと共に出発した解散ツアー。…

ふぬけ
3年前
5

愛という名が付かなくても大切な関係性/『愛がなんだ』感想

好きな人の好きな人になりたい。 そう誰もが望み、悩み、泣いたり笑ったりした経験があると思う。平安時代から詠まれてるであろう永遠のテーマを、本作は切実に描いている。わかりやすいハッピーエンドもなければ突き放すわけでも絶望するわけでもない。ドラマチックでもない、ある種の平坦さが結果的に思いをめぐらす余地を残している。とりわけ、夜の杉並区は舞台として説得力を持っていた。 映画『愛がなんだ』感想。 <あらすじ>猫背でひょろひょろのマモちゃん(成田凌)に出会い、恋に落ちたテルコ(