独りで抱えれば黒歴史、2人で叫べば青春/『惡の華』感想
この作品を、今、思春期に苛まれているすべての少年少女、かつて思春期に苛まれたすべてのかつての少年少女に捧げる
映画を象徴するコピーである。押見修造作品の中でもひときわ異彩を放つ人気漫画『惡の華』が実写化された。以下、感想です。
<あらすじ>
舞台は閉塞感漂う地方都市。中学生の春日(伊藤健太郎)は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい毎日をやり過ごしていた。ある放課後、憧れのクラスメイト・佐伯の体操着を教室で見つけた春日は衝動のまま持ち去ってしまう。その一