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8分で交代!インタビュー練習会をデザインチームでやってみた

この記事はファンタアドベントカレンダー2023の13日目です。

こんにちは!ファンタラクティブ株式会社でUI/UXデザイナーとして働いている永田です。
今回は、デザインチームで実施した「8分で交代!インタビュー練習会」に関してご紹介したいと思います。


8分で交代!インタビュー練習会とは

その名の通り8分間で聞き手(インタビュアー)と話し手(インタビュイー)を交代するインタビューの練習方法です。普段調査などを実施する場合は、一人に対して60分程度時間を確保するのに対して、非常にクイックにインタビューを回していきます。社内や外部のワークショップなどでやったことがあるよ〜、という方もいらっしゃるかもしれません。
この取り組みは以下のような方にぴったりです。

  • インタビューの練習をしたいけど、なかなか時間が取れない

  • インタビュー初学者の方でも、簡単にインタビューがどういうものか体験してみたい

弊社デザインチームでは、UIのデザインは得意だけれども、インタビューをやったことがなかったり、インタビューの知識や経験はあるけれども、もっと練習する場が欲しい〜!と感じていたメンバーがいたため、この取り組みを実施してみました!

インタビュー練習会のやり方/手順

簡単に、このインタビューのやり方をご紹介します。

  1. 事前にテーマを考える

  2. 2人1組(3人1組でも可)でチームをつくる

  3. テーマ発表後、質問を考える(5分)

  4. 聞き役と話し役を交代しながらインタビューを実施する(8分 x 人数分。2人だと16分)。 実施中はメモを取り、自分が何を聞いてきたかを把握しておく。 (今回は後でグルーピングしやすいように、質問と回答を付箋で記録しました)

  5. インタビューが終わったあと、良かったポイントと改善ポイントを共有する(10分)

以上が大まかな流れです。(テーマを考える時間を抜きにしたとすると)約30〜40分程度で実施できます。表題では「8分で交代!」と謳っていますが、インタビューを何分実施するかは参加者によって変えてしまって問題ありません!私たちは、1時間で振り返りまで完了することを考慮して8分にしました。

大まかな流れ

練習会をスムーズに進めるためのポイント

・事前にチームメンバーが分かっていれば、メンバー内でどの順番でヒアリングをするのかを決めておく
・事前質問・回答の付箋を配置する場所をMiroやFigJamなどの電子ホワイトボード上に設けておく

実際にやってみた~インタビュー編~

テーマを発表

8分交代!インタビュー練習会では事前に時間を設けるとはいえ、その場で質問を考え、投げかけなければいけません。そのため、テーマを選定する際には「共通認識がありそうか」「質問を思いつきやすそうか」などを考慮する必要があります。今回は、ファンタラクティブメンバーの共通点である「リモートワーク」と、毎日欠かすことのできない習慣としての「食事」から「在宅勤務における昼ごはんの最適なUXを見つけたい!」としました。

チーム分け

自分たちが実施した際は、3人、3人、2人の3チームをランダムで決めました。もしインタビュー経験者がいれば、経験者と未経験者でチームを組んでアドバイスしながら実践しても良さそうです。

それぞれのチームの様子

最初は戸惑いながらも、とりあえずやってみよう!ということで実践してみました。 ファンタラクティブでは、バーチャルオフィスとしてGatherを使用しています。今回は初めに全体で説明した後、それぞれのチームに分かれて作業しました。

チームに分かれて実施

あるメンバーの実施例をご紹介します。
この方は上位に質問を記載して、下位に質問を書いており、回答を掘り下げていくプロセスが見えます。

この方は気になったことを丁寧に掘り下げています。

このように見ていくと、質問を階層構造で整理したり、話しながらグルーピングしたり、メンバーの思考方法が見えてきて興味深いです。また、純粋に普段働いているメンバーの見えていない一面が見れて面白かったです。

やってみての感想

参加したメンバーの感想です!

  • インタビュー、知識としてはあったが、簡易でも実践できて楽しかった!

  • 事前に用意していた質問がすぐになくなってしまい焦った。追加で質問をしたが、パッとアイデアが出ず、普段から思考を巡らせておく必要があるな、と感じた。

  • ヒアリングしながら、「この聞き方でいいのかな?」など心配になってしまった。

などなど、みなさん悩みながらも楽しんでくれたようでした。

【+α】実際にやってみた~分析編~

インタビュー、せっかくインサイトを得たのだから分析したい

実際にインタビューを実施してみると、8分ずつとはいえ、それぞれのメンバーの普段の生活習慣や考え方が見えてきました。当初はインタビューだけで練習会は終了する予定だったのですが「これ、分析したら面白そうじゃない…?!分析までやっちゃおうよ!!!」というマネージャの一声で、別の時間を使って分析までやってみることになりました。

分析手法

分析にはKA法を使いました。KA法とはユーザーが感じている「価値」を抽出してまとめる手法です。
今回得た付箋の情報から「出来事」、その際にユーザーが感じるであろう「心の声」、そこで得た「価値」の部分を抽出していきます。
その作業が終わった後、「価値」の部分に着目し、さらに上位の価値のまとめを作成していきます。「価値」の部分をまとめることによって、「ユーザーの本質的なニーズ」や、その傾向ををつかんでいきます。

例)転職活動
例)価値ごとにグルーピング

実際にやってみた

分析も一旦クイックにやってみよう、ということで60分でできる範囲でまとめました。 実際にKA法でまとめてみたサンプルをご紹介します。ヒアリングした内容の付箋から、切片(発言から、出来事・心の声・価値をまとめたカード)を作成していきます。例えば、「お昼ごはんを抜いてしまうことが多い」という話を聞けた場合、

  • 出来事:お昼ごはんを抜く

  • 心の声:食べる時間がもったいないし、めんどくさい

  • 価値:作業時間を確保し集中できる

と分解することができます。このような作業を全ての付箋で実施し、それを価値ごとにグルーピングします。

切片化


価値ごとにグルーピング

結果

こちらが、全てをグルーピングしたマップになります。それぞれの価値の関係性を整理することで、今回得たインサイトの傾向をまとめることができます。
今回は大きく「食を効率化させる価値」と「食を充実させる価値」がありそうだと見えてきました。
短いお昼休みを食事をとるだけでなく、時間を有効活用したい、という気持ちが感じられます。もしここで、新たなサービスを考えるとしたら、ミールキットとなりそう…そういえば最近ミールキット多いよね!など、自分たちの日常とトレンドが地続きになっていることを実感したり、さらなるサービスのアイデアを広げることができます。

全体の傾向が見えてきます

終わりに

8分で交代!インタビュー練習会の記事はいかがだったでしょうか?はじめはインタビューだけ実施するつもりでしたが、分析までやってみることで「インタビューであの部分も掘り下げておけば、分析段階で反映できたかも」などの気づきを得ることができました。この記事を読んでくださっている方の中でも、「まずはインタビューの練習から」と第一歩を踏み出していただき、分析、アイデア出しなど発展させていけると良いのでは?と思います。
この記事はこちらで終わりです。読んでくださってありがとうございました!
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