見出し画像

企業ファンサイト2.0-04

日本におけるインターネットの流れを、ざっとおさらいしてみよう。
1996年ヤフージャパン開業、2000年アマゾンジャパン、グーグル日本語検索サービスなど、プラットフォーマーのサービスが開始された。
さらに、04年にはミクシィなどブログが、05年にYouTube、08年にはフェイスブック日本、ツイッター日本と相次いでサービスが開始され、同年、iphoneも日本で発売となった。
こうして、個人がネット上で簡単に繋がる仕組みが次々と登場してきた。
これらの仕組みは強制的に広がったものではない。
当初から使わない人は使わないし、見向きもしなかった。
しかし、利用することが、利便性であったり、面白さであったりという理由で、多くの人がインターネットに時間と労力を割くようになった。
実際にやってみて面白いし、それなりに充実感もある。
こうした実感を持つ人たちが増え、その数がある一定数を超えると、底からうねりのようなものが沸き起こってきた。
時代の本当の変化とは、こうして起こるもなのだと実感した。
また、企業も自社のホームページを持つことが当たり前になり、結果として、これまでの顧客と企業の関係性にも変化が現れはじめた。
長らく企業は、広告やCMを通して自社のブランドメッセージや商品について、消費者とコミュニケーションをしてきた。
それも、ほとんどが外注先の広告代理店や制作会社に丸投げしていた。
代理店や制作会社は、クライアント企業の意図や想いを汲み取り、表現や媒体を考えて展開する。
その多くは、企業からの一方的な商品やサービスの情報を述べ立てているものが、大半だった。
そして、消費者は素直にそれを一方的に拝受していた。
それでも時折、一方通行な流れからこぼれたイレギュラーな意見や苦情はコールセンター係に吸い込まれ、自分たちの手を汚すことなく処理される。
これで一見落着した。
しかし、インターネットがインフラとなり、企業と消費者が直接、繋がることにさしたる障害がなくなり、結果としてコミュニケーションをとることが当たり前になった。
こうした状況のなかで、幾つかの問題も顕在化してきている。
例えば、直接ファンの声をうかがえるファンミーティングのイベント(こうした催事のお手伝いをすることもあり)で、担当者が自分はあくまで黒子だからと後ろに下がり、ファンとのコミュニケーションを交わすことを避けている様子をしばしば見参する。
企業の担当者は、顧客とどう関係を築けばいいのか?
どのように対応すればいいのかに、苦慮している。
それは、デジタルマーケティングを担当する現場でも、本質的には余り変わらないように感じる。
担当者はKGI*(重要目標達成指標)やKPI**(重要目標評価指標)といった目標指数を持ち、その達成のため、ウェブ広告を打ち、無料体験を用意し、ポイントやクーポンを配布して指数を刈り取る(ウェブマーケティングの現場ではこうした会話が普通になされている)。
そして、常に数字を見ながら、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階(PDCA)を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。
こうして、潜在客の抽出から見込客・購買客への流れをつくり対応すればムダも少なく、効率的ではある。
(クッキーによるターゲティング広告については、別の機会に言及したい。)
しかし、こうしたポイントやクーポンが購買データを集めるための代償であることに顧客はすでに気づきはじめている。
そして、冷めてもいる。
そもそも顧客を「指数として刈り取る」という言い方で括ること事態に違和感を感じる。
もはや、こうした企業本位で一方的な施策では、早晩続かなくなるだろう。
では、具体的に顧客との関係をどう構築すればいいのか。
更に掘り下げて考えてみたい。

KGI*
(Key Goal Indicator)とは「重要目標達成指標」という意味で、「売上高」「利益率」「成約数」といった事業活動の最終的な目標や特に重要な数値が設定される。
KPI**
(Key Performance Indicator)とは、「重要業績評価指標」や「重要目標評価指標」などと呼ばれるもので、企業目標の達成度や進捗、プロセスを計測したり中間評価したりするための特に重要な指標として活用される。
例えば「訪問客数」「Webサイトへのアクセス数」といった、企業の売上や利益に直結する要因を設定することが一般的である。

BIZ HINTから引用

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?