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企業ファンサイト2.0-03

本を書くためのスタートとして、どこから始めるかと考えた。
まずは、かつての記憶を辿りながら、14年前どんなことを考え、本を書いたいのか『企業ファンサイト入門』を読み返してみた。
久しぶりに手に取ると、なんだか古いの友人と再会したようで、なんとなく照れる。
「久しぶり!あのころが懐かしいね。」とでもいった会話で、あっさりと終わるのではないかと心配していたが思いのほか話が弾む。
「いまでも、しっかりとやっているね。」と、そんな感じで読めた。
書かれていることの大半、(少し古い技法だったり用語だったりはあるが)基本的には、いまもほぼ変わらない考え方・方法でファンサイトを構築し、運用していると、確認できた。
ここで「ファン」の定義とは何かを見てみる。

本文から引用する。
”ファンサイトでは、「ファン」のことを熱を持った人たち、熱気を持ったユーザーと定義しています。(中略)企業とお客様一人ひとりとの関係を積み重ねることでしか発生しない熱源があります。この熱源を持った人が「ファン」なのです。”
『企業ファンサイト入門~ファンが集まるネットマーケティング』川村隆一著より。

さらに、ファン関連本からいくつか「ファン」とは何か、について触れた箇所を探してみた。
”企業やブランド、商品が大切にしている価値にグッとくる人、その価値にワクワクし喜ぶ人、その価値を支持し友人に薦める人。それが「ファン」である。”
『ファンベース~支持され、愛され、長く売れ続けるために』佐藤尚之著より。

”強い気持ちがあれば、思っているだけでなくて、何か行動を起こしたくなるだろう。つまり、心の中で思っているだけはなく、何か行動をすることを「応援」として捉えたいと思う。そして、応援する人、応援者を「ファン」として考えていくことにする。”
『応援される会社~熱いファンがつく仕組みづくり』新井範子 山川悟共著より。

”コアなジャンルの熱狂的なファン層を捉えることこそがゴールデンルートにつながることに気がついたのだ。いま、こうした「熱狂」を突破口にしていこうとしている人たちがいる。”
『熱狂顧客戦略~「いいね」の先にある熱が伝わるマーケティング・コミュニケーション』高橋遼著より。

”「アンバサダー」とは何か。一言で言えば、企業のブランドを積極的に応援しクチコミをしてくれるファンのことです。この応援団といかにコミュニケーションをとり、一緒にマーケティング活動を行っていくかが、今後の企業発展の鍵です。”
『顧客視点の企業戦略~アンバサダー・プログラム的思考』藤崎実、徳力基彦共著より。

それぞれに、多少の幅はあるが、ファンに対する定義としては同じもの(キーワードとしても熱・支持・応援など)が通底していると感じた。
「ファン」とは誰か?
つづめて言えば、企業の作り出す商品・サービスそしてそのブランドを、熱を持って積極的に支持し応援し、クチコミしてくれる人たちのことである。

今年に入り、ソフトバンク、楽天、DeNAと日本におけるプラットホーム的な役割をしていた企業が軒並み赤字転落というニュースに驚いている。
なにか、地殻変動のようなものが始まったのではないかと感じている。
なかでも、2月12日に発表された媒体支配の頂点である電通の赤字転落は象徴的とも思えた。

振り返ってみれば僕自身、ここ数年積極的にはTVをみていない。
CMや広告で、商品購入やサービスを開始するきっかけとなったこともほぼない。
この現象は、僕だけではなく、もはや消費者の日常風景と化しているだろう。
たまたま、TVから流れてるCMをみることがある。
その多くは「俺ってカッコいいだろう」とでも言わんばかりの商品やサービス名の連呼。
こうした、厚かましく押し付けがましい映像にうんざりする。
いまや、こんなCM(企業の意図が透けて見える)で購入までの動線に誘導される人がどのくらいいるのだろう。
企業に対する好感度も、むしろネガティブな効果を生むようにしか思えない。
僕たちの知りたいことは、費用に見合う使い勝手や便利さはどうなのかを、わかりやすく、しかも(企業目線のいかにも演技的な)役者やタレントの言葉ではなく、「ファン」が個人の実感や想いで語っているほうが説得力を持って伝わってくるのではないか。
まさしく、企業にとって自社を応援してくれる「ファン」と、いかにコミュニケーションをとっていくのかが、これからの企業の成長と存続のポントである。

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