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恐怖症と、そこから解放された話。

以前、あっちんさんとお話していて、彼女が鳥さんが苦手だと知りました。今克服中だとのこと。最近私は、インコを中心にして、鳥さんのことを書くことが多いので、ちょっと申し訳ない気持ちになったものです。

その時、あっちんさんにはくれぐれもご無理のないようにと、お願いしました。加えて、自分にも恐怖症があることもお伝えしました。そのやり取りから、折があれば、そのことを記事にしようかな、とも思ったのです。

恐怖症、いくつかあるんですが、今回話題にするのは”カエル恐怖症”です。

<注意!!! 今から語る記憶の中に、きわめて残酷で気味の悪いシーンが出てきます。そうしたものが苦手な方、どうぞ、引き返して、ほかの方々の素敵な記事をお読みくださいませm(__)m💕💛>

古い記憶の一つに、私が何処かの田んぼのあぜ道に、年上の男の子と一緒にいる、という風景があります。私は、幼稚園児ぐらい。足元には、その男の子のものらしいバケツがあります。そこには、彼が捕まえたらしいカエルが、たくさん入っているんですね。

「兄ちゃん、このカエル、さわってもええ?(さわってもいい?)」

幼い私は、その男の子の許可をもらって、バケツの中の蛙を、一匹つかみだしました。その男の子がだれだったのか、私には全然わかりません。おそらく、その近くに遊びに出ていた私が、偶然出会った人だったのでしょう。

私は、ニコニコしながらカエルをつかんで・・・・・、そのカエルを握りつぶしたのでした。それを何度か繰り返していた気がしますが、そこからの進み行きは記憶にないのです。男の子は相当怒ったはずだと思うのですが、そうした記憶もありません。

そして、ここから数年経って、小学生になった私は、何かのはずみでカエルを観て、強烈な恐怖に襲われました。何歳のころだったのかも覚えていないのですが、その時から、カエルの姿を観るだけで、鳥肌が立ち、足がすくんでしまうようになりました。実物だけではありません。図鑑で写真を観たり、イラストを観てもダメになりました。

しかも、困ったことに、こんなに苦手なのに、私にはカエルがいそうな場所や気配がわかるんですね。そして、その予感は外れることがありませんでした。”いやだなァ・・・・・”と想いながら歩いて行くと、必ずピョ~ン!と飛び出してきて、私に悲鳴を上げさせるのでした。

かつて、新聞奨学生として2年間、新聞を配達していた東京の中野区の住宅街は、広いお庭のある家も多かったんです。しかも、そういうおうちは、いろいろ植物を植えていたりします。冬はいいんですが、春本番から秋の初めごろまでは、恐怖でした。そういうお庭にいるんですよ、大きなカエルが何匹も!!! 私の足音を聞きつけてか、ガサゴソあちこちから動く音がします。集会でもしていたのか集まっていたらしい彼らが、移動する音だったんです。
或る時など、踏みつけて”ぐえっっーー!”という声聞いて、こちらこそ悲鳴を上げたい気分でした。仕事なので放り出すこともできません。泣きたいのを必死でこらえていましたねぇ。雨なんか降っていた時は、もう最悪でしたよ、はい。

今住んでいるのは千葉県の松戸市ですが、以前は同じ千葉県の市川市に住んでいました。今住んでいる地域と違って、市川市は水辺も多い街です。さぁ、そうなると、ですよ。あちこちにいるんです、カエル君が!!! 相方と暮らす前にいたアパートには、主のような大きなヒキガエルがいました。大家さんが動物も植物もお好きな方で、お庭で花を育ててらっしゃったので、住み心地が良かったのでしょう。或る時、デン!!とお出ましになっていた時は、もう金縛り状態でした。

相方と暮らすようになった借家の周りにも、随分雑草が生い茂っていて、ちょっとのぞくと、小さなカエルが出てきたりします。大きさに関係なく、カエルという種族がダメになっていたので、草むしりもできず、相方に苦笑されたものでした。
或る時など、夜にちょっと外に出て、ひょいと帰ろうと振り返ったら、玄関前に大きなカエルがいて、パニックになったことがあります。幸い相方がいたので、SOSを出して、カエルにはお引き取り願いました。

家の隣に畑があったので(我が家のではなく)、相方はカエルさんを塵取りですくって、畑のほうに逃がしたようです。

「あんた、こんなところにおるん(こんなところにいるって)、ようわかったなぁ。私だったら、陰になってるから、わからんかったわ、たぶん」

千葉生まれの相方ですが、私と暮らすようになって、へんな関西なまりで話すようになっているので、妙な物言いです。ただ、確かに物陰に隠れている状態で、カエルのほうも”ここなら、見つかるまい”と、身を潜めていたのでしょう。今、振り返っても、よく私の視力で見分けられたなぁ、と、思います。しかも夜で、玄関から光が出ていて、逆光になっていたにも関わらず、です。

蛇などの爬虫類は、全然問題ありません。両生類はあまり気持ちがよくはありませんが、カエル以外なら何とかなります。けれど、カエルだけはどうしてもだめなんです。

この問題を、越智啓子先生の診療を受けていた時、相談したことがあります。そうしたら、前世療法で壮絶な話が出てきました。

私には、カエル商人だった時代があって、そのころはカエルのことを良く知るカエル博士で、もちろんよくかわいがっていたそうです。それが、この職業は身分が低いこともあって(カエル商人というのは、カエルの売買や繁殖、あるいは捕まえてきたりする仕事をしていたそうです)、好きになった女性に結婚を申し込んだら、嘲笑されたのだそうです。失恋の腹いせに、その時飼っていたカエルたちを、次々とたたき殺したのだそうです。はっと我に返って、カエルたちの無残な姿を見て、罪悪感にさいなまれながら、生涯を終えたのだとか。

子どものころ、カエルを握りつぶしたりしたのは、その時の怒りがまだ残っていたから。そのあと、カエル恐怖症になったのは、罪悪感にさいなまれてのことなのだというのが、啓子先生の解説でした。

啓子先生から話を聴いている間、頭に惨殺されたカエルたちの姿が浮かんできて、鳥肌が立ちっぱなしでした。啓子先生は、そうした私の前世を映像でご覧になるので、余計大変だったことと思います。二人で、鳥肌を立てて、苦笑いしたものでした。

啓子先生の解説に納得したものの、やはり、私のカエル恐怖症は、軽くなりませんでした。これは、ドクターの診療を受けて、20数年たってわかったことですが、前世療法というのは、その時のヒーラーの状態に加えて、ヒーリングを受ける側がどれだけ、ヒーラーに自分を開いているかで、読み取りの深さが変わって来るようです。

当時、啓子先生は、かなりの激務でしかも過労気味でもいらっしゃいました。それに、私自身、まだ他者に対して閉ざしている部分がかなりあったので、啓子先生の読み取りにも限界があった気がしています。
ただ、ドクターが様々なヒントを読み取って伝えてくださったことで、私は、そこからその後いろんな気づきを得ることになりました。そういう意味でも、ドクターとの出会いには、感謝しています。

さて。カエル恐怖症を抱えたまま、十年くらいたったころ。私は新聞で、宮本亜門さんのエッセイを読みました。それはいじめにフォーカスして、各界からいじめている側・いじめられている側に向けてメッセージを出す、という企画の中のものでした。

本文の切り抜きがないので、記憶を要約すると、それは宮本さんの子供のころ、同級生たちが道の真ん中にいたトノサマガエルを寄ってたかって殺した、というものです。その時同級生と一緒だった宮本さんは、本心ではカエルを殺したくはなかったのに、仲間に言われて、カエルを泣く泣く傘の先で突いてしまった。たくさんの傘の先での攻撃を受けて、カエルはついに絶命して道路のうえでひっくりかえってしまった。何故、同級生を止められなかったのか。何故自分は嫌だと言えずに、加担したのか。いじめという言葉を聴くたびに、思い出すのだと。

この短いエッセイ(コラムだったかもしれません)を読んだ瞬間、カエルの側に立っている自分がいました。同時に、「なんてひどいことを! 痛かったろうに。悔しかったろうに・・・・!!」そう呟いて、泣いていたんですね。
その瞬間。私の中で、カエルに対する恐怖心が消えてゆくのがわかりました。すーーーーーっと、気持ちが軽くなっていったんですね。以来、カエルの写真を観ても平気になりましたし、イラストなどでは微笑むことすらあります。自分でも本当にびっくりしました。

ただ、あんまりたくさんカエルが群れている写真とか、奇抜な外見のカエルを観ると、やはりNGなので、まぁ、カエル大好き! には戻りそうもないですけれどね。

何故宮本さんのエッセイで、私の中の恐怖症が消えたのか、自分でもわかりません。そういう時期だったのだろうと思うだけです。でも、おかげでいろいろ楽になったのはありがたいことですね。

だれしも苦手なものの一つや二つはあるでしょう。なんとかしないと困る場合もありますけれど、ご自分を責めないで、のんびり解放の時を待つのも方法かもしれませんよ。

今週は春の陽気とやら。ただ朝晩と日中との寒暖差がすさまじいようです。皆様、くれぐれもご自愛くださいませm(__)m💕💛


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