青春の1ページ

いつかのわたしは恋に夢中で
彼に夢中で

ただただ一緒にいることが
幸せだった

ガストやマック
公園、彼の部屋、わたしの部屋…
時にはバイクの後ろで彼にしがみつく
本当に彼といれるならどこでもよかった

なぜかいつも眠たい彼
寝てしまった彼の髪にピン留めをつけ
遊んだり
ただただその寝顔を見て
わたししか見れない彼の姿に
なんだか優越感に浸ったり

ある日は
彼のうちの犬のジョーと一緒に散歩

彼はわたしの表情をよく見ていて
素敵なわたしの写真を撮ってくれたことを
今でも鮮明に思い出す

時々いじわるするから
むくれた顔をした私をパシャリ
その写真がなぜか好きだった

何をするにもセンスがよくて
いいところしかみえない

でも
バイト先の人と話していたら
やきもちを焼いて
口を聞いてくれなかったり
したこともあったな
表現が薄い彼だったから
ちょっと嬉しかったり…

はじめてのKiss
ドキドキして笑っちゃう私に
もう一度って言って
なんだか今でもニヤッとしてしまう

時が嫌なことだけ
取り除いてくれるのか
過去は美化されて
わたしの甘ーい青春の1ページとなっている

最近
高一の娘がしきりに
パパとの関係を聞く
ママはツンデレでしょ⁈とか
どっちから手を繋いだ⁈とか
パパが女の人連れてきたらどうする？とか

夫との思い出は
もちろんあるんだけど
恋の感覚は薄く
最初からなんだか安定的だったし

今ならわかる
恋と愛が違うという事を…
恋とは不安定ということも…

信頼関係で成り立つ
相手の幸せを一番に思えるのは
愛だということを。

だから
今のわたしが娘にかける言葉よりも
高二のあの日の私に戻って
言葉をかけてるかもしれない

いや、あの時から成長して
色んな経験をしたからこそ
一周回って高二に戻って話してるかも

たくさんの気持ちを経験させてくれた恋
周りが見えなくなることも
何も手につかなくなることも
苦しくて切なくて表現できなかったり
やきもちを妬いたり
ぎゅーっとしたり
きゅんとしたり

そんな経験したから
今がある
今が安定的に幸せだと思う

彼も幸せであったらいいな

この絵がいつかの私と彼にそっくりで
ドキッとさせられた
もじゃもじゃの彼の髪に
電車に乗ると寝てしまう丸顔のわたし
甘ーく切ない思い出