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Nikon twzoom105現像してみた

 片手には到底おさまりそうもない大きなフィルムカメラを手にし、いろんなところを旅してきた。

 人生初めてのフィルムカメラは思っていたよりも撮影に時間がかかり、結局、36枚撮りフィルムを撮り終わるのに1年もかかってしまった。

 現像するのを楽しみに、ワクワク、小さい頃からある地元の小さなカメラ屋さんへフィルムを持ち込んだ。
店に入ると、少し窮屈そうに陳列されたカメラたちの間から、白髪のおじいちゃんが出てきた。

「いらっしゃい」

こんな若僧が何か用か?と言わんばかりの険しい顔つきに見てみぬふりをしつつ…

そーっとフィルムを差し出した。

「現像をお願いしたいんですけど…」

おじいちゃん店長は少し驚いたような顔をした後、慌てた素振りで店の奥へと走っていった。

どうやら現像を依頼する客がかなり久しぶりだったようだ。

 しばらくして奥から出てきたのはおじいちゃん、ではなく50代くらいの女性だった。
おそらくおじいちゃん店長の娘さんだろうか。
不慣れながらも簡潔に案内を終え、最後にこう言った。

「現像した写真はLINEで送りますね〜」

なんとも拍子抜けした。

え、LINEで送ってくれるの?後日データもネガも取りに来なくてもいいの?

混乱しながらも瞬時にこの世界が令和だということを思い出した私は、
所詮デジタル(ネイティブとまではいかないが)世代、その便利さに惚れLINEでの送付をお願いした。

その日のうちに、カメラ屋からLINEが届いた。

写真送りまーす。の一言が添えられていた。

なんとも便利な時代。

フィルム現像するなら必ず印刷するものだと思っていたが、データであれば料金も安いし、色味もしっかり確認できるし、かさばらないし、みんなにすぐシェアハピできるし…

いいとこづくしだと気づいた。


初フィルムカメラ、初現像。

なんせ1年以上もかけて地元や旅先でシャッターを切っているから、いつどんな写真を撮ったかさっぱり忘れている。

撮った覚えのないもの、ボヤけているものもあったが、
そんな写真を眺め、撮ったあの時のことをを思い出しながら
ニヤニヤする時間もけっこう好きだったりする。

デジタルとアナログの間に揺れながら、今日も私はシャッターを切る。

沈みゆく夕日から一本の道ができていた
春の海はやわらかくていいね
シンプルだけど「好き」を散りばめた自分の部屋。
お店のロゴと本日休業のフォントがかわいくてパシャリ。
なにげない瞬間もなんだかいい感じ。
梅雨の時期に訪れた山の中にある神社。
水が滴る青々とした木々のにおいが立ち込んでいた
まだ知らない遠くの街へ連れてってくれるような気がする
フィルムで撮るってだけでみんなかしこまっちゃうのもおもしろい。

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