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海は見るもの感じるもの

興奮状態でのバカヤローは交感神経が優位にたつため寿命を縮めるらしいが
副交感神経が優位になる海に向かってバカヤローはOKなのだそうだよ

海街に生まれたせいなのか、海の色とか日差しとか波の音とかは、大変に心落ち着く素材である。ただ僕は、幼少期に海水浴というものを心から楽しんだ記憶が少ない。

僕の父親は根っからの釣り好きのため、海との対峙の仕方がそもそも違った。まずスタート時間が違う。釣りヤローたちには夜明け前後の”まずめ”というタイミングがあって、そこいらへんを狙って出かけるのだ。そんな釣りヤローのおまけ的海水浴なので、リゾート&ラグジュアリー感は皆無の上、昼前には帰宅してしまうというおじいちゃん遠足なのだ。だいたい早朝の海なんて人少ないし、子どもにとって『くっそつまんねえ』おじいちゃんタイムに海で泳いだところで、運動部の朝練となんら変わらない。近いからお出かけ感もないし。そしてなにより、潮流に対する恐れが一般人のそれとは桁外れに違うので「海はこわいもんだっ!」「うかつに入っちゃなんねっ!」という刷り込まれ方がハンパなかった。

「お盆を過ぎて海に行くとお祖母ちゃんが足を引っ張る」という海にまつわるちょっと怪談っぽい都市伝説を聞いたことはないだろうか。これ、あながち間違いではなく「お盆過ぎると海面下にうねりがでてるよ」ってことだったりする。見た目は静かでも海中は渦をまいていることが多いので、実は海で安全に泳げる時季は思ったよりも少ないのだ。

S県やY県の友人たちからはキラキラした目で見られることも多いが、海で泳ぐことへの憧憬は全くと言っていいほど僕には無い。

そんな僕は、小学生のころ3つ年上のいとこと一緒に、浜で拾ったエアマットにまたがり、沖に浮かぶブイ目指して漕ぎ出した事がある。途中足のつかなくなった辺りでエアマットにでかい穴が空いていることに気づき、命からがら生還したという九死に一生な経験を持つ。

おじさん実は海怖いだけだったりするの。


(142日)

#エッセイ #コント部 #僕なりの幸福論 #毎日note #海の話 #家族

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