明日使える80点の回答 「尊敬する人は誰?」

「尊敬する人はいるの?」

この記事を書くきっかけとなった出来事がある。

大学生のサークルのOBの飲み会で、70歳くらいの大先輩が数人いらっしゃったので、一緒にお酒を飲んでいた。
その時私は24歳で、大先輩から見て若輩も甚だしいことだっただろうが、気さくに色々話しかけてくださって、あれこれ話に花を咲かしていた。

色々と話す中で、
「尊敬する人はいるの?」と訊かれ、
私は瞬間的に迷ったが、とっさに「豊臣秀吉」と答えた。

反省

私は豊臣秀吉はとても好きだし、事実として、漠然とした尊敬の念はある。

だから、とても正直な答えだったと思うし、別に問題のある答えではない。
ただなんというか、もうちょっと「ウケる答え」があったかなとは思う。

一瞬の躊躇があったのも、
「豊臣秀吉はウケない回答だなあ」
という思いと
「軽く訊いてみただけだろうから、ここはテンポよく答えよう」
という思いを天秤にかけたからだった。
結果、後者が勝って、最初に思い浮かんだ答えで妥協した。

実際、あまりウケずに次の話題に行ってしまった。

本題

皆さんも、同じような質問をされることが、今までに一度くらいはあったのではないだろうか。
進学先や就職先の面接が典型的だろう。
他にも、私の体験のように目上の方と話す中で訊かれることがあるかもしれない。

そして、こういう質問をされるのは、たいてい、
「可能ならちょっとウケる答えをしたい」
という場面ではないだろうか。
(ただの欲望の話ではなく、社交的な場で会話が盛り上がりそうな答えを選ぶのは、大人としての気遣いである(という言い訳をしておく))

別に95点とは言わずとも、80点くらいの回答は出せるのではないか。
もう少し具体的にいうと、相手の好みや関心を知らないでも、
「いつでもとりあえずこう答えておけば平均して80点を取れる」
という回答があるのではないか。

その答えを本稿で考えてみたい。

ゴールの整理

ゴールを整理する。
・回答者は20代の男という設定。
・「尊敬する人は誰か?」と訊く人に対してある程度好印象を持ってもらえる答え(方)をする。
・訊き手に依らず、いつでも固定の答えとする。

答えはXさんにしよう。

実戦想定

何ごとも「3手詰め」という基本をきっちり抑えることが大事だ。
私の返答によって3手先がどうなるか読んでみよう。

「尊敬する人はいるの?」
という問いに対して、1手目はこうだ。
「Xさんです。」

そうすると2手目はこういう質問が来る可能性が高い。
「なぜ?」「どういうところが?」

再びこちらのターンである。3手目。
「これこれこういう理由(ところ)です」

1手目で「Xさんです。なぜなら・・」と説明してしまっても良いが、
訊かれてないことをベラベラ喋っているし、いかにも答えを用意していたという感が出てしまう。
むしろ、あえて簡潔に答えておいて、「なぜ?」という質問を釣りあげてから、逆襲する方がもっとスマートで好印象だろう(釣り野伏せ戦法)。

人物の条件

人物の条件を具体化していこう。

私は下記の条件が必要だと思う。

条件①:一般的にネガティブな印象がない人。
条件②:有名すぎず、無名すぎない。
条件③:何か大きな良いことを成し遂げた人。
条件④:人格が立派な人である。

まず、①は、聞き手が独自に持っている印象に負けることを防ぐ。
例えば、織田信長だと言ってしまうと、比叡山を焼き討ちした残虐な人物だというイメージを持っているかもしれない。
そうするとどうしても40点からのスタートになってしまう。
こちらが織田信長の良いところを説明しても、80点までは伸びないだろう。
ポシティブな印象だけを持っていれば、ラッキーだが、必須ではない。

そして、②は「なぜ?」「どういうところ?」という質問をいい塩梅で釣り上げるためだ。
有名すぎると、「なぜ?」と訊いてくれない可能性がある。
自分の知識や教養の深さをそれとなくアピールできると好印象を持ってもらえるだろうから、自分しか知らないような人(家族や恩師など)ではない方がいいだろう。家族や恩師はちょっと答えを用意している感も出るし。

③と④は逆襲するための条件だ。
③で虎の威を借りながら、④に言及して「自分もそうなりたいから」という風にもっていく。

ちなみに、冒頭に出てきた「豊臣秀吉」が確実に満たしているのは③だけだろう。だからウケないのだ。

暫定回答

あとはXさんを探すだけだ。

私の暫定回答は
渋沢栄一
である。

まず、新しい一万円札に使用され、2021年の大河ドラマの主人公に選ばれることで、絶妙に有名過ぎず無名過ぎない認知のされ方をしていると思う。

お札に使用されるくらいだから、ネガティブな印象は全くないであろう。

そして、彼は今のみずほ銀行や東急、キリンなど500社以上の企業の設立に関わり日本資本主義の父とも言われる実業家である。
ただ関わっただけでなく、社会に還元することを考え実践し続けたという立派な人である。

全ての条件を満たしていると思う。
上記の説明をして、自分もそういう人物になりたいと言えば、平均して80点くらい取れるのではないか(繰り返すが、90点は難しいし狙っていない。相手によって75~85点くらいか)。
あとは会話のラリーの中で余計な失点をしなければ、全体の受け答えとしても好印象を勝ち取れるだろう。

ただし、暫定というのは、この答えを試したことがないからである。
そして、新しい一万円札に肖像画を使用され始めると、有名になりすぎる(陳腐になる)ような気がしているからである。

他の回答候補

他の回答候補として、「東郷平八郎」なども有力だと思った。
いずれも自分の知識の範囲で出しただけの答えなので、他の答えもあると思う。
明治時代の人はだいたい国家レベルの何かを成し遂げていて、人格も立派なイメージがあるので、迷ったら明治時代の人を言えば良い(雑)。

こういう便利なページもある。

終わりに

他の答えを思いついたらぜひ教えてください。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

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