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天界で悟空が食べた桃、どんなの?

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こんにちは、イラストレーターのfunenoです。

株式会社愛言社様の語学雑誌『聴く中国語』で西遊記が連載中なのですが、その扉絵を描かせていただいてます。

今回のタイトルは、「悟空、大いに蟠桃会を騒がす」

悟空は冥界に行けば閻魔帳を差し替え、龍王のところへ行けばお宝をいただいてくるといった感じで、わりとやりたい放題するので、その訴えがとうとう天帝のもとへ届きます。

で、天帝もほっておけないということで、官職を与えて懐柔しますが、それがしょぼい官職(弼馬温=天馬の世話係)だったんですよ。

いや、始めは喜んで天馬の世話をしてて、天馬をいい感じに育成していたんですけど、それがしょぼい官職だと知ってしまうと、悟空は激おこでホームの水簾洞に帰っちゃうんですね。

仕方ないので、天帝は、新しい高い官職・斉天大聖を認めてあげることにする。斉天っていうのは、天にも等しい、っていう意味らしい。

このポジション、俸禄も仕事もない名誉職。でも悟空は喜びます。

ところで、高い官職を得た悟空が、あんまり遊び歩いているので、天帝は仕方なく、悟空を桃園で蟠桃の管理人にします。

天界の桃(蟠桃・ばんとう)って、小さいのでも、3000年に一度しか実らない、すごい桃なんですよ。実際のはどんなのかっていうと、こんな感じ。


蟠桃・写真ACより

けっこう平たい桃なんですね。

天界の蟠桃は、食べると仙人になれるらしい。一番すごい桃は、9000年に一度しかならなくて、紫色の文様がある、食べると天地と寿(よわい)をおなじくするというスーパーフード

これを悟空がほとんど食べつくしてしまう。

西王母がお客さんに蟠桃をふるまう、蟠桃パーティ(蟠桃会)に忍び入って、そこも食い荒らす傍若無人ぶり。

そろそろいたずらが過ぎた悟空は、お仕置きを受けそう。そんなシーンを描いた一枚です。


『聴く中国語』・9月号挿絵


左下の手がいっぱいある子は、哪吒で、隣が、哪吒のパパの托塔李天王。

七人いる女子は仙女で、西王母の言いつけで蟠桃園にやってきたんだけど、悟空に金縛りの術をかけられてフリーズしているので、泣いたり怒ったりしています。

で右上で激おこしているのが、天帝です。

この方、天帝になるために、劫(こう)の単位の時間を費やして修行した経験がある、と岩波版には書いてあるんですけど、それでも激おこしちゃうんですよね。

劫とは(諸説あるみたいで、これは一例です)

「劫」とは、測ることも数えることもできないほど途方もなく長い単位を表わすことに用いられる。古代インドにおける最長の時間の単位。神の一昼、つまり半日の長さを1劫ともいい、人間の年に換算すると43億2千万年に相当するとも記載されてます。

レファレンス共同データベースより

西遊記シリーズの1話はこちら

9月号の『聴く中国語』は、8/9発売!


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