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zineとの遭遇(zine販売会に行ってみた)

今まで、出版社から出ている小説や新書など
所謂、商業本というものは沢山読んできました。

本格的に本を読むのが好きになって、
はや数年。

そんな私も遭遇しました。
世の中には「zine」というものが
あるのですね。


「zine」とは。

個人やグループで作られた
自由な感じの小冊子。
個人的な出版活動なので、大きな制約は無く
とにかくそれぞれが好きなことを綴っている。

イラストもあれば、小説やエッセイもある。
写真や、詩、短歌なども。
(自由だ。)

紙でめくる読書の楽しさや、
隣人とも言えそうな「個人」の言葉を
感じることが出来る魅力があります。

とのこと。
(とっても気になる。)



そしてこの度!!

近所でzineの販売会があることを知り
いても立ってもいられず、
満を持して突撃してきました。
(with 旦那さん)

学校の体育館で行われた販売会は、
なんだか懐かしい雰囲気をまといながらも
たくさんの人で賑わっており、
まず 「文学イベントにこんなに人が来るんだ!」
と嬉しい驚き。

そして、その来客者の年齢の幅にも
「老若男女で賑わっている!素敵だ!!」と感激。

日本人が本を読まなくなっている
と言われ続けていますが、
本当は文章や紙の本が求められている場所が
もっともっとあることを肌で感じました。

とても嬉しいし、全然知らない人達に
「この会場に来ている」というだけで
シンパシーを感じる。

心の中では
「分かるよ!いいよね!
うわぁ友達になりたいなあ」
とヤバいテンションで踊り出しそうなのを
社会的に大人である、という立場が
なんとか抑えつけている状況。

販売会は対面式で、机ひとつ分くらいの
ブースに思い思いの作品が置いてあります。

すごく沢山のブースがあり、
事前に出店者の情報をひとつひとつ
調べた訳では無い私は目移りしちゃう。

ここでも
「こんなに沢山なにかを作りたい!
と思う人がいるんだ」と感動。
もう、それだけで沸いてくる
力や勇気がありました。


会場はすごい人混みなので
ブースひとつひとつを舐めるように
見ることは出来ません。
(本当は舐めるように見たかった。)

私はこう見えて(?)
パーソナルスペースが広めで
人混みが苦手なので、
ネットで事前に調べていた情報や
パンフレットの情報から
買いたいzineにいくつか当たりをつけて
スピード勝負に出ることに。

こういうイベント初心者の私には
この作戦がドンピシャでした。


現金が私の財布の中に7円しかなくて
旦那さんの財布を授けてもらう、という
社会人として有るまじきイベントが発動する
若干の騒動はありましたが

(これから行く人へのアドバイスは
「現金を下ろせ、小銭を作れ!」 です)

すごい速さで買い物を終え、帰路につきます。
子供の頃、トンビが公園でおじさんの牛丼の
牛の部分だけかっさらって行った姿を
彷彿とさせるスピードスターっぷりでした。

買ったものは、
窓から星空が覗けるステッカー
zine「怒りのカタログ」
zine「個人的な生理のはなし」
の3つ。


他にも、おじいさんの帽子を考察したzineや
なんで○円生活しちゃったんだろう?
みたいなzine、
グラフィックデザイナーさんが作った
ポストカード…etc……

たくさん欲しい作品はあったものの
とにかく人が多くて、
ちょっと離れて待っていても
なかなか店前の人がはけず断念。

この時だけの出会いが沢山あるから、
逃がした魚も大きく感じます。
とはいえ、気になっていたお店も見れて
はじめてのzineを手に入れたし、大満足!
これから読むのも楽しみです。


帰りに、普段本は全く読まない旦那さんに
「どうだった? どう思った?」 と
興味本位で聞いてみたら

「内気な人が多いんだろうなあと思った」
と真顔で言っていました。
(私は1秒後に爆笑しました。)

私にとっては、凄いシンパシーを感じる
このzineイベントだったけど、
旦那さんは全然違うことを考えていて
めちゃくちゃ俯瞰で見てたという
その 「違い度合い」 が面白いし、
「内気な人」と他人を形容しても
悪い意味合いが全く乗ってないところも
善人って感じで好ましい。



毎日一緒に暮らしている人間同士でさえ
全然違うことを考えている。

だからこそ、言葉が生まれるのかもしれない。
言葉は往々にして不便な道具であるけれど
そのことが愛おしく感じる1日でした。

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