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2023.09.26『風ソムリエ』

今日は隔週で出演させていただいている
podcast「長エフエム」の収録日だった。

テレビ愛知の長江アナウンサーとともに
本にまつわるお話を色々と繰り広げる番組だ。

長江アナとは、仕事上の付き合いだけど
それ以上にお姉ちゃんみたいな
でも妹みたいな 友達みたいな、
不思議な関係性で色んな話をする。


特に季節に対する感性が似ていて
2人とも季節の匂いが分かるし、
空を見るのが好きだったり、
夜空が好きだったり 似通った部分があり

「今日の空めっちゃ良いですね」とか
「今日から空気がめっちゃ秋!」とか

分からない人にはキョトンとされるような
話を出来る 貴重な相手でもある。


今日も色んな話をする中で、
秋の風の話になった。

読書の秋ということで、
本当に過ごしやすくなり読書がはかどるね。
特に窓から入る風が優しくて、
読書欲が湧き上がってくるよね。と。

そして、長江さんがふと言ってくれた一言。
「私たち風にはうるさいですからね」
なんだこの表現…秀逸すぎる。


その時は思い付かなかったけれど
これって…私たち……


風ソムリエ では……?!

もちろん、そんなカテゴリは無いと思うけれど
そう言っても過言では無いほどに
確かに、風にうるさい2人である。

全然仕事と関係ないのに、いい風が吹いていたり
季節が変わった感覚がしたら
長江さんと分かち合い 確かめ合いたいから
メッセージ送っちゃったりする。

(本音では迷惑かもしれないけど、
  共感が返ってくるのでジワリと嬉しい)


今、窓の外でもそんな2人が認める
「いい風」が吹いている。
この心地良さ、たまらない。

すでにこの秋の中でも
何度も日記に書いているけれど、
梅干しを漬けるようなデカい瓶に詰めて
冬に持ち越したいくらいに いい風すぎる。
何度でも書いちゃう。



まだ日差しの強い昼間に火照った身体を
するっと軽やかに撫でていく、優しい流れ。
「ヒヤっ」とするほど冷たくは無いけれど
ちょうどよく熱を預かってくれる温度。

色で言うと、千早茜さんの「透明な夜の香り」
の装丁の、淡く透明感抜群な青さのような。

匂いは、まだほんの少し湿っていて
どこか苦味を帯びている。

そんな清々しい流れに乗った秋の音が
しみじみと伝わってきて、窓を開けて眠ると
原っぱの枯葉の上で寝ているような
どこか「包まれている」感覚で眠りにつける。

風が一番有機物っぽいのは夏で、
だからこそ 何かに駆り立てられるように
いつもより少しだけ刹那的な生き方を
してしまうような気がするんだけど、
秋の風も滋味深くて 落ち着く。

もう少しすると、ここに金木犀の香りが乗って
更に堪らなくなる。私なんかはもう悶絶。


短かい秋だからこそ、今の風や 気持ちよさを
瓶に詰めるように 言葉にしてみた。
保存食のように、夏や冬にチミっと開けては
ちまちま秋の風を思い出せると良いな、と。


語彙力が全然足りないけれど、
また次の秋までに磨いておけばOKでしょ。

移り変わるから世界は美しい、とはいえ
秋の素晴らしい空気をまだまだ楽しみたい
私なのだ。

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