幼少の性癖

前置きが長くなる予定なので冒頭に書いておくと、これは私が

「主人公的ポジションないし正義感の強い人間がボコボコにされているのを見ると興奮する」

という性癖について脳内で整理し、自分の性癖を許すための記事です。

きっかけ⬇️



人が自分の性癖について語っている動画を見た。
最初はよくわからなかったが、丁寧に説明してくれていたので私でも理解できた。
何より、「私にはこういう性癖があります」というのを恥ずかしがらずに楽しそうに話していて、そしてそれを聞いても引かない人、なんなら一緒に盛り上がってしまえるような人が傍にいるというのが、とても美しく見えた。
見ている私までなんだか楽しい気持ちになってしまった。素敵な動画だった。


なので私も性癖の話をしてみたい。ただ、これは昔持っていた性癖の話だ。

私が今持っているものは、どれも比較的ライトで共感を得られやすいものだ。
ただ、昔、えも言われぬ感覚を覚えたことがある。しかしそれは、当時他の人に言うにはつらく、同時になかなか言語化できない感覚であったため、ソッと胸にしまっておいた。

その結果、私自身がそれを「よくないもの」として判断したらしく、そういった「性癖に刺さるシーン」を見るといたたまれなくなってしまうようになった。
でも、当時感じていたあの高揚感みたいなものは今でも思い出せるのにそれってなんか悲しくないか。

なので、当時の私が持っていた性癖を、成長した今の自分の中で整理したい。それでなんかこう、自分の中で納得したい。一般的に、性癖としては別に珍しくないものだと思う。ただ、受け入れられるものかと言われれば違うかもみたいな。

でも、それを悪いものだとして終わらせたくない。なのでここに書くことにする。

目覚めと罪悪感

冒頭に書いたのだが、私が昔持っていた性癖は「主人公的ポジションの人間がボコボコにされていると興奮する」

というものだった。

このような興奮を覚えたのは、漫画を読んでいた時だった。

週刊だか月刊だかの漫画雑誌に、某有名特撮ものをコミカライズしたと思われる作品が連載されていた。タイトルは覚えていない。雑誌の名前も覚えていない。

私が呼んだその話はかなりの衝撃回で、たしか「主役とその仲間、家族たち」がみんななすすべもなくボコボコにされているシーンが見開き2ページに広がっていたと記憶している。

あれを見た時、正義の味方がボコボコにされている歯がゆさよりもボコボコにされている正義の味方たちのシーンを何度もめくり返して見てしまう自分にびっくりした。

そして同時に、ボコボコにされている彼らをずっと、何度も、執拗に見つめ続けることに後ろめたさを感じていた。

私はきっとこの時に、幼いながらも「こういうのは良くないことだ」という意識があったんだと思う。

それからは、某仮面をつけたヒーロードラマを見ている時に、ヒーローがぎったぎたにやられて負けてしまうシーンを何度も巻き戻して見たり。

あとは、某超次元サッカーの漫画を読んでいた時、主人公が必要以上にボコボコにされて倒れている様子を見たい思いでウズウズとしていた。
なので、そういったシーンが掲載されているであろう巻を狙って買ったりしていた。右も左もわからないなりに、性的倒錯を少ないおこづかいで満たそうとしていたのかもしれない。健気〜。

なお、このような感覚は美少女戦士ものなどを見た時にも同じように覚えていたものなので、おそらく私は性別関係なく「主人公や正義感の強い人間がボコボコにされて一旦負けるシーン」が好きだったんだと思う。

過去の自分へ

そんな自分のことを気持ちが悪いなと思っていた。大人になって、色々な世界の扉があるとわかった今なら、昔の自分に「そんなことないよ」と言えると思う。

昔の自分が気持ち悪くないかどうかは別だ。だけど、世界にはもっとマニアックで背徳的な僻の扉があるのだから、そんな自分をこれは許されない気持ちなのだと、恥だと思う必要はないよと言ってあげたい。

今の私は、昔とは反対に「主人公的ポジティブないし正義感の強い人間がボコボコにされてるシーン」は苦手になってしまっている。

昔はあれだけ凝視して執着して見ていたシーンが見れなくなった。
なんか物凄く「見てられない!!」という気持ちになるからだ。なんでなんだろう。昔はずっと見てられたんだけどな。ずっと見ていたかったんだけどな。

これが「そういうのが好きすぎるあまり、脳が危険を察知して逆に拒否反応を出してる」とかなら、いつかちゃんと受け入れられるようになったうえで

「私は、主人公的ポジションないし正義感の強い人間がボコボコにされてるシーンを見るのが好きです。」

と、胸を張って認知できるようになるかもしれない。

自分の性癖をひけらかしたいとかではない。
ただ、それを以て社会的に迷惑をかけたり、損害を生んだりしない限り、自分で自分の性癖を「けっこう皆そんなもんだよ、あなただけじゃないよ」と許せるようになりたい。

こういうの、世間が〜とかってよりも、自意識との闘いなんだろうな。

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