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〔米国〕FOMC 事前考察&ドル見通し

FRB経済予測や金利ドットプロットの発表はなく、金融政策が動く可能性も低いですが、政策の方向性が動く可能性はあるため注目されます。


❏ 背景と予想


7/31FOMCは、政策金利の他にFRB経済予測と金利ドットプロットが発表されませんが、2024年終盤に利下げの先鞭をつける重要な会合となります。ここで年内利下げについて上方修正する示唆があれば、ドル相場は荒れるでしょう。

▶今回、最大の論点 

6月FOMCでは「年1回の利下げ」とのFRB予想がでてきました。しかし、6月FOMC後に出てきた経済データは、弱いものが多くあり「年2回の利下げ、あるいは3回に見解を修正する可能性」がでています。

見解の修正は、マーケットでファンダメンタルの修正と受け止められ、為替相場はファンダメンタル常習性に沿ってドル相場が動くでしょう。今回は米国株も動くと思われます。

❏ フェデラルファンド金利とは?

フェデラルファンド金利(Federal Funds Rate)は、アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board、通称FRB)が設定する短期金利のことです。※つまり政策金利

具体的には、銀行が互いに一晩(オーバーナイト)で貸し借りする際の金利のことを指します。この金利は、米国の金融政策の主要なツールの一つであり、経済の安定と成長を目指して調整されます。


❏ ファンダメンタル分析


2024年5月以降、アメリカの重要な経済指標は明らかに悪いデータが増えました。特にインフレ率のデータは顕著で、7/11の米CPI直後にはドルが暴落しましたし、6/28PCEデフレータ(上記図)も弱含みでした。

※グラフに上記図の5月分は含まず

FRBは、PCEコアデフレータ(前年比)がインフレターゲット2%に至ると判断できた時点で、利下げが可能と考えています。+2.6%まで減速した今、FRBが利下げに踏み切る公算は高まっています。

2024/7/31早朝のデータ

上記では7/31FOMCの金利予測があります。
94.8%の据え置き確率に、5.2%の利下げ確率があると分かるでしょう。確かに確率こそ低いものの、5.2%という数字はサプライズとして十分にあり得るという意味です。

アメリカ経済やインフレ率の情勢を分析すると、FRBが利下げにより前向きになりやすいでしょう。そのように振舞うのかが、FOMCの論点となります。


❏ 発表後、ドル相場の見通し

この話には、Fundaliaの推察も入っていますが、おおよそ次のように考えると分かりやすいと思います。

▶『FRBの年内利下げ予測が2回以上になるか?』

前回に年1回との予測が示されましたが、
もし、FOMCで2回以上の利下げを示唆するようなことがあれば、ドル相場に激震が走ります。声明文やパウエルFRB議長会見で、より強い利下げの可能性が示されることは想定され、そうなればドル売りが活発化するでしょう。

たとえば「前回よりインフレや雇用の弱まりが強まった」など、ファンダメンタルの下方修正という形が考えられます。この場合、機関投資家やヘッジファンド主導でドルが崩れるでしょう。

FRBは2023年以後『我々にはまだやるべきことがある(=利上げ&高金利政策)』という発言が度々でてきました。
もし、このフレーズが消え去ったならファンダメンタルにとって大きな転換点になるでしょう。要人発言から読み取るトランジション(相場転換)のサインとなります。

▶ サプライズ利下げ!

ドルはナイアガラ滝のようになるでしょう。先述したようにあり得るシナリオではありますが、備えている投資家は多くありません。ドルがパニック売りされるでしょう。
ただ本当にドルが売られるのは、利下げされたうえに「追加利下げ」を示唆した場合です。

▶ ハト派見解に注意

一般的にはFRBがよりタカ派になるのですが、この通りにならない可能性についても触れておきます。

トランプ候補は「財政拡大」「減税」「利下げ(FRBへ圧力)」「規制緩和」を掲げています。もしトランプ候補が再登場すると、こうした政策を勧められるとどうなるでしょう?

アメリカにインフレ再燃が想定されます。すると、利下げした後にまた利上げするパッとしない動きになることが想定されます。それゆえ、FRBは大統領選挙の情勢を見極めるまで、動きにくいという政治的事情があります。

もっとも、直近でカマラ・ハリス候補が巻き返しつつあり、FRB要人達は安堵しているでしょう。


記事は以上です
ご参考になさってください。
Fundalia financial philosophy(FFP)

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