混乱を招く恐れがある6/12のFOMC
6/12は難しい1日になると思います。理解が追い付かない場合、ノーポジションで情報確認し、発表後に行動するのが賢明でしょう。
❏ 消費者物価指数(CPI)と同日発表
混乱を招く恐れとは、6/12には消費者物価指数(CPI)も発表されるからです。FOMCでは金融政策に動きが出れば5-10円ほど相場は動きますし、CPIも結果次第で数円動く可能性がある、今や最も値動きを呼び込みやすい経済指標です。
6/12FOMCでは、政策金利が動くことはないでしょう。しかし、金利ドットプロットとFRB経済予測が発表され、その結果がマーケット予測と異なる場合には乱高下が予想されます。
パウエルFRB議長会見やFOMC声明文も含めて、金融政策のニュアンスが変わればドル相場は大きく動くでしょう。
その5時間半前にCPIが発表される訳です。CPI発表後に大荒れで、その後のFOMCでまた大荒れというパニック的な相場観になるかも知れません。
❏ 重要な前提知識~現実と思惑
6/12を迎えるにあたって、1つ重要な知識を持っておく必要があります。
それは『1つの経済指標によって、FRBの金融政策が歪むことはない』ということです。たとえば、6/12CPIが非常に弱い結果(インフレ弱体化が著しい)だったとしましょう。
その事をもって、FOMCで発表される金融政策が変化することはありません。FRBは諸条件を複合的かつ時系列で分析して、結論を出しています。
しかし、マーケット(市場)はそうではありません。
目先の情報に打算的に反応する投資家は数多いですから、弱いCPIの結果を見て、ハト派FOMCを予想した動きに出る投資家は、間違いなく多く出てきます。
現実には、アメリカのインフレ率はかなり高い状態が続いています。
FRBはこのインフレが間違いなく2%を割り込むと確信するまで、利下げに動こうとはしないでしょう。
マーケットの思惑と、FRBが実際にとる行動や思考とにはギャップがあります。ゆえに混乱が発生する余地があります。
❏ 十分に下がる可能性があるCPI
実は、アメリカの消費者物価指数(CPI)は下がる可能性があります。あるいは下がる予兆を見せる可能性があります。
アメリカの個人消費者は、明らかに財布のひもを引き締めつつあります。
パンデミック後に米政府がばら撒いた配布金や減税効果を個人消費者は使い切ったというデータが出ています。
また、米ディスカウントストア(ウォルマートやターゲット)といった企業は一斉に値引きに動き始めました。
一時的な割引ではなく、値引です。
これまでアメリカの個人消費者は、猛烈なインフレにより給料をもらったら即座に(値上がりする前に)商品を買い込む姿勢でした。そのパニック心理がインフレ率を支えてもいたのでしょう。しかし、直近では消費者が値下げを待つ姿勢に転換しつつあるそう。
様相が変わってきたのは間違いありません。
それがCPIデータとして、いつ表面化するか?そういう問題になっています。ゆえに重視すべきデータはCPI(前月比)です。前月比は敏感に価格変動を織り込む性質があるため、普段注目される前年比より今は重視すべきと考えます。
❏ まとめ
アメリカ景気は現在が頂上近傍なのです。そして今なお頂上にいるか、あるいは下りはじめた所にいると思われます。
この判断がCPIとFOMCそれぞれで行われるため、混乱しやすいでしょう。データが表面化するのは、それぞれ時差があるため同じ回答が出てこないケースがあります。それゆえ、安易に判断するとトレードで往復ビンタを受ける羽目となるでしょう。
お読みいただきありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
Fundalia financial philosophy(FFP)
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