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「感性(センス)」がビジネスの『未来』をつくる

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人間の数多ある能力の中でも「感性(sense)」ほど曖昧模糊としたものも他にはなかろう。 ワクワク系エバンジェリストの小阪裕司は、感性を「知識や体験の集積に基づく価値判断の尺度」… もっと読む
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#芸術としてのサッカー論

なぜ 「会いに行けるサッカー選手」 はダメなのか? エンタメの副作用と錯覚

なぜ 「会いに行けるサッカー選手」 はダメなのか? エンタメの副作用と錯覚

「会いに行けるアイドル」として、秋元康プロデュースによる「AKB48」がエンターテイメントの一時代を築き、多くの社会現象を巻き起こした。

では「会いに行けるサッカー選手」というコンセプトはどうだろうか?

かつて「雲の上の存在」であったアイドルをファンに近づけることで成功を収めたAKB48のように、サッカー選手、及びスポーツ選手を「遠い存在」ではなく、「ファンと近い存在(身近な存在)」にしていく

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サッカーにおける日本独自の芸術性 Prologue.6

サッカーにおける日本独自の芸術性 Prologue.6

ここまで読んでいただいた方にはわかっていただけるかと思いますが、これからの日本サッカーに必要なのは、まず「芸術としてのサッカー」を血肉として理解することであり、その先に「サッカーにおける日本独自の芸術性」を見出し、そこから「補足するサイエンスを研究する」必要があります。日本人の芸術性というものは、本来世界に誇れるものです。これまでの歴史の中では、日本独自の感性は海外の人々を魅了し賞賛を得てきました

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なぜサッカーにおいて「科学(サイエンス)」が正義になるのか Prologue.5

なぜサッカーにおいて「科学(サイエンス)」が正義になるのか Prologue.5

では、なぜこんなにもサッカーを「サイエンス」で語ることが正義とされてきているのでしょうか?その答えは一つです。

例えば監督が何かを決断するとします。その時のアートと、サイエンスはこうなります。

アート:「直感的にそう感じたから。なんとなく、あの選手を出せば間違いないと思った」

サイエンス:「過去のデータに基づくと、この選手は後半80分から出場させた時がもっとも得点につながるプレー(その定義は

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サイエンスで勝とうとすればサイエンスだけで敗れる Prologue.4

サイエンスで勝とうとすればサイエンスだけで敗れる Prologue.4

サッカーというスポーツは、そもそも全てを「サイエンス」で説明できるのでしょうか?この『芸術としてのサッカー論』ではそこを追求していきます。

私はこのままだと、日本がサッカーをますます「陳腐なもの」にしてしまい兼ねないと危機感を持っています。それを防ぐには、2つのことを理解する必要があります。

1.サッカーとは「芸術(アート)」である

2.「科学(サイエンス)」はそれを補足するものである

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"WEB先行型"日本サッカー Prologue.3

"WEB先行型"日本サッカー Prologue.3

■日本サッカーが踏んでいく段階さて、ここからは今日本サッカーがどのようなフェーズに入っているのか、そしてまたここからどのような段階を踏んでいくのかを書いていきたいと思います。

現状の日本サッカーの一言で表すと「WEB先行型サッカー」、そしてまた「WEB完結型サッカー」と言えます。

つまり、サッカーのサイエンスを語るのは、現場ではなく欧米の情報に敏感な「WEB上の人間」が先であり(WEB先行型サ

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ボールを使うことに固執するチームが結果を出せなくなる理由 Prologue.2

ボールを使うことに固執するチームが結果を出せなくなる理由 Prologue.2

■欧米サッカーが踏んでいく段階これまでのサッカー界の流れをみると、日本人は欧米の表面上をコピーし続けることが予想されます。ということは、理論上これからの欧米サッカーの流れが予想できれば、日本サッカーの流れも予想が出来るということです。

世界のサッカーは前述したように、これからより深くサイエンス化が進んでいきます。そうなると、(サイエンス化という観点から見た場合)サッカーはどうなってしまうのでしょ

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「サイエンス化」とは全ての国が同じ到達点に向かっている状態を指す Prologue.1

「サイエンス化」とは全ての国が同じ到達点に向かっている状態を指す Prologue.1

「サッカーを言語化する」

現在日本サッカー界で、頻繁に聞かれるようになったフレーズです。欧米諸国における現代サッカーでは、各国それぞれの方法論で、サッカーにおけるあらゆるプレーが「言語化」されており、これはスペインやオランダを中心に「常識」と捉えられている印象を受けます。

極端にいえば「360度何をしても良い」という極めて自由度の高い中で"共同作業"をするサッカーというスポーツにおいて、一つ一

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日本人監督の現在地を知る方法は2つしかない

日本人監督の現在地を知る方法は2つしかない

【監督養成の成果編】外国人を日本に招くことがサッカー界の発展に繋がらないと断言できる「8」の根拠
▼通訳の育成編はこちら



根拠⑦:責任の所在が曖昧になる日本サッカーはこれまで、W杯での敗戦、もしくは国際試合での敗戦を外国人監督の"せい"にしてきました。"責任"と言うよりは、"せい"と言う表現の方が正しいかと思います。日本サッカーの集大成(4年間の成果を出す場所)であるはずのW杯は、いつの間

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なぜ通訳は偶然性が高いのか

なぜ通訳は偶然性が高いのか

【通訳の育成編】外国人を日本に招くことがサッカー界の発展に繋がらないと断言できる「8」の根拠▼宗教/言語編はこちら

根拠⑥:通訳の育成

サッカーにおいて「通訳」というポストは"非常に重要"な役割を持つと考えています。特に【宗教/言語編】でも書いたように「日本語は日本人しか話さない」という揺るがない事実があるので、仮に私たち日本サッカーに海外のサイエンスを持ち込もうとするのであれば、「通訳」に関

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一神教を信仰しないことがサッカーに与える影響

一神教を信仰しないことがサッカーに与える影響

【宗教/言語編】 外国人を日本に招くことがサッカー界の発展に繋がらないと断言できる「8」の根拠※ 私はこの記事の中で、また『芸術としてのサッカー論』の中で、日本人の文化的特徴がサッカーという競技(勝ち負けのあるサッカー)にどうマイナスの影響を与えているか、また日本サッカーに関わる人々がいかにそれを曖昧にしているのか、について触れることが多くなります。芸術と文化は切っても切れない存在ですので、「芸術

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これまでの発言、そしてこれからの発言は、全てこの3937文字に通ずる。

これまでの発言、そしてこれからの発言は、全てこの3937文字に通ずる。

時々私は、自分は動物園にいる動物だったのではないだろうかと思う時がある。特に外国に住み始めてからというもの、この人たちが野生の動物であるならば、日本人は“動物園にいる動物”なのかもしれないと、確かにそう思う。もしくは、野生の動物に近い環境で飼育されている動物だろうか。

それが良いか悪いかは一度置いておいて欲しい。全く正解を言える自信がないし、その必要もないように思う。

ただ、日本人は、いつから

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なぜ彼らは異常なまでに「見た目」に気を配るのか——。“弱い”と“ダサい”は比例する

なぜ彼らは異常なまでに「見た目」に気を配るのか——。“弱い”と“ダサい”は比例する

人は本を表紙で判断する。最高の製品、最高の品質、非常に有益なソフトウェアなどを備えていたとしても、見せ方がいい加減であれば、いい加減なものにしか見えない。創造的で洗練された見せ方をすれば、望ましい特性を持たせることが出来る——。

▼Vol.3



冒頭の文章は「本の売り方」について書かれた書籍から引用したものではなく、ニュージーランド代表ラグビー集団「オールブラックス」について書かれた著『

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Jリーグが必ずハマる"罠"——。 スポンサーの獲得は「正義」か「悪」か

Jリーグが必ずハマる"罠"——。 スポンサーの獲得は「正義」か「悪」か

Apple StoreでMacbookを購入し、家に帰って箱を開ける。端末のデザイン、機能性、ロゴ、どれをとってもシンプルで、洗練されたデザインが美しい。それを象徴するように、箱の作りもシンプルで、複雑な部品や、分厚い説明書は入っていない——。

Vol.2▼



■もしもAppleが…あなたはApple製品の『機能』や、スティーブ・ジョブズの『哲学』が素晴らしいと感じている。でも…もしApp

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"ダサい"組織が死ぬ理由——。なぜサッカークラブは"クール"でなければならないのか

"ダサい"組織が死ぬ理由——。なぜサッカークラブは"クール"でなければならないのか

潤沢な資金をもってしても、優秀な選手や監督をもってしても「ビッククラブ」に変貌を遂げることが出来なかったクラブ(チーム)は少なくない。同じように、かつての栄光を粉々に砕かれ「ビッククラブ」から「スモールクラブ」に落ちこぼれていったクラブや、「ビッククラブ」への野望を持ちながらも「どっちつかずの状態」が続いているクラブもある。それは一体、なぜなのだろうか。

もしも、もしもその原因を解明することがで

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