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はなしシリーズ

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日々思ったことやすきなことについて書いている、ふぁんとむのエッセイ集です。
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#詩のようなもの

「じんわりいとおしい」をはじめて知る

「じんわりいとおしい」をはじめて知る

愛おしい、という感情がこの世界にはある。
例えば小さな頃から持っているぬいぐるみを抱きしめた時。あるいは弟を可愛がる時。
愛おしい、という感情をわたしは知っていると思っていたけれど、「じんわりいとおしい」をこの間はじめて知った。

わたしの拠り所のひとつで、どきどきもくれるけれど、やっぱり一緒にいて安心する人がいる。その人とこの間はじめてハグをした。
ハグをした時肩ごしに、薄暗がりの中でまばゆく光

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わたしを穿て、さかな

わたしを穿て、さかな

何をしても短歌に入れがち。青を見るとかならず頭をよぎる。ふとしたときにおもうのは、いつだって「さかな」である。

さかな きみが泳ぐのが海ならば わたしは果たして海なのだろうか

さかな、と心の中で唱えると落ち着く。さかなの字面を見ると、安心する(特にひらがな)。
それはまるで、元いた場所に帰るかのような感覚に近い。
さかなはきっと、わたしにとっては、ひたすらに安寧の象徴なのだと思ったりする。

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