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Jクラブ決算続々(前編)

Jクラブの多くは1月末決算。監査もあるので「申告期限の延長の特例」を使うとして、4月末には決算報告が出てきます。オーナークラブの場合はJリーグには報告するものの、この時点で一般には開示しないこともありますが、J2J3に多い市民クラブの場合は当然のように事業報告、決算発表を実施しています。

過去データはJリーグやまとめサイトに開示されているので、興味のある人は眺めてみてください。データ好きなら楽しくて仕方がないと思います。

で、発表された決算情報から、2021売上、2022売上、2022当期純利益をピックアップしてみました。昨対と順位も載せたのが以下のとおり。2022シーズンの売上(営業収入)で降順に並べています。

最近開示されたJクラブ決算から一部抜粋

ということで、事業規模の大きいクラブから眺めていきたいと思います。

仙台:売上21億円から5.5億円増はお見事ですね。この規模で成長率126%とは…。当期純利益が1.5億円出てますが、昨シーズン最後に失速してJ2で7位、プレーオフ進出を逃したことを考えると、少し利益にこだわりすぎたのかという気もします。

山形:18億円から22億円へ3.5億円増。成長率119%も、その中で利益1,000万円も無駄がなく素晴らしい手腕です。J2で6位に滑り込んでプレーオフに進んだ盛り上がりは、営業担当者も背中を押されたでしょう。駐車場6,000台が本当にうらやましい。

岡山:16億円から19億円へ3億円増。こちらも成長率120%で、利益1,700万円の着地。プレーオフに進出する勢いはフロントにも勢いを与えてくれるのでしょう。普及事業を外に出してのこの数字ということなので、もう1-2億円大きかったのかもしれません。

大分:プレーオフには進出しましたが、カテゴリを落とした影響は小さくなく、減収の赤字となっています。J1を知っているクラブだからこそ、早く昇格したい思いが強いのか、今シーズンは調子が良いですね。強化にどれくらいかけたのか、来年の発表が楽しみです。

琉球:IEOをしたのは知っていましたが、6億円から16億円へ10億円増とは驚きです。J2以下では新記録なのでは。利益は発表されていませんが、昨年全部使えたわけではないのでしょうか。監督や選手にかなり使っていた感じはありましたので、J2残留に繋げたかったところでしょう。

甲府:13億円から16億円の3億円増。天皇杯の賞金がこれに入っているのかどうか気になりますが、いずれにしても県民を熱狂させて収益が大幅に改善したのは間違いないでしょう。10数台のバスで天皇杯に応援に行くのは、サポーターには最高の思い出になったことでしょう。

松本:19億円から15億円へ4億円減。まさかのJ3の4位で、昇格を逃したのは想定外でしょう。全国一ともいえる熱いサポーターは、J3に居続けることを許してはくれないようです。今シーズンも高順位につけていますが、しっかり勝ち切ることができるか注目です。今年は信州ダービーに行きたい。

レノファ:9億円から11億円へ2億円増。この順位で支えていただいているサポーター、スポンサーの方々に感謝です。黒字が7400万円と少し大きいですが、何が起こるか知らない状況で、絶対に黒字を出さなくてはならなかったということで。今シーズンはしっかり成績に繋げていきたいと思います。

(後編につづく)

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