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025 とっておきの朝ごはん□イラスト通信

よくよく晴れた休日の朝は朝ごはん日和。
さてさて今日の朝ごはんは何にしましょうか。

私の仕事日朝ごはんは、基本的に食パンになにかをのっけて焼いたものと紅茶です。たまにプラスでヨーグルトやくだものを食べることもありますが、くだものは包丁を使わなくても食べられるものばかりです。

いちごとか、ぶどうとか、みかんとか。

なるべく簡単に洗いものを少なく、がモットーです。
いつもは、こんな風に少しずぼら(?)なのですが、お休みの日は別。
はりきって朝ごはんを作ります。

たとえば、早起きをして(あるいは前の晩に寄り道して)お気に入りのパン屋さんでパンを買っておきます。そこに包丁を使うくだもの(りんごやキウイなど)を添えたり、チーズを入れたスクランブルエッグを添えたり。

一度、友人を家に泊めたときに
「朝からこんなに食べるの?」
と言われたことがあります。
その友人は、いつも朝ごはんを食べないそうで、私は生活習慣のちがいに驚きました。
「それなら、一日のエネルギーはどこで摂るの?」
そう尋ねると、友人は
「だってお腹がすかないんだもの」
と言いました。
そう言われると、私も朝からお腹がすいているわけではないな、ということに気づき、習慣で食べていた自分と、習慣にとらわれず自分の体に正直な友人の考え方のちがい、というか考え方の癖にふたたび驚きました。

しかし、その朝は特別だったようで、友人は私が作ったホットケーキ二枚とりんごヨーグルトをぺろりと食べました。

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朝ごはんを誰かと食べるって、なんだか特別ですよね。
夜ごはんは、さほど親しくなくても大勢で食べたり、仲良くなる機会として食べに行ったりするかもしれませんが、朝ごはんはよっぽど親しくないと、そうそう一緒に食べません。

また、親しくてもタイミングが合わないこともあります。

私は兄や姉がわりといるのですが、一番上の兄とは十歳ぶん年が離れているものですから、家族揃って朝ごはんを食べた記憶がほとんどありません。
気がついたら、誰かは部活の朝練に行っていて、誰かはすでに大学進学で地元を離れていて、父は仕事で朝早く家を出て、といった感じで朝ごはんを一緒に食べる相手が毎日変わっていました。

そんな私にとって、日曜日の朝ごはんは心踊るものでした。
母は「とっておきの朝ごはん」と言っていて、いつもより豪華になるのです。

ホットケーキやホットサンド、フレントースト、ワッフル。
いつもより三倍くらい華やかで、二倍くらいカロリーがありました。
どれもあたたかくて、中がふんわりとやわらかくて、幸せそのものでした。

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今も実家に帰ると、母は「明日の朝ごはんは何にしようか?」とわくわくした表情で訊いてきます。私が
「まだ夜ごはんも食べていないじゃないの」
と言うと、
「夜ごはんはもう決まっているもの。お母さんが決めちゃった。だから、朝ごはんはあなたが決めなさい。いちばん元気の出るものにね」
と言います。母はいつも元気はつらつです。
私は
「食べたいもの、ではなくて元気の出るものなの?」
と訊きます。(余談ですが、こういう時に私ってめんどくさい人だなぁと感じます)
母は自信たっぷりにこう言います。
「そりゃそうよ。だって一日のはじまりでしょう?食べたいものは一日の終わり、夕食の時にたまに食べるものよ。生きるのはたいへんなんだから。」

私は、こういう時に苦労ばかりなのに気丈に乗り越えてきた母の人生を愛さずにはいられなくなるのです。
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おまけ

元気の出る朝ごはんイラストです。
パンばかり描いていますが、そういえばごはんもたまに食べていました。
しかし、なぜか朝にごはん粒を食べるのが苦手で、お茶漬けにしたり、お粥にしてもらっていました。

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