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097 私の本棚

2019年もおしまいに近づいています。
街はイベント続きでにぎやか、さまざまな色の電飾ではなやかです。

私は、12月半ばから年末らしく仕事もプライベートもなにかとぱたぱたしています。
仕事は休憩に行けない日があるほど忙しく、日々睡眠不足、にきびがぽつんとできて、二重まぶたも奥二重になりました。(私は疲労がたまると、まぶたがむくんでしまうのです)
毎日くたくたで帰るので、大好きな散歩にもなかなか行く気になれず、休日は家で過ごしていました。

せっかく家にいるのだからと、部屋の整理をしました。
すると、去年の手帳が出てきました。
ひらいてみると、たった一年前のことなのにすっかり忘れている楽しかったこと、かなしかったことなどを思い出して、しみじみとしました。ちなみに、昨年の手帳ではひとこと日記をつけていて、それを読む限りでは、去年の私の方が元気みたい(笑)。

手帳をひらくと、つい見てしまうのが読書記録です。
高校生くらいの時からだと思いますが、私は読んだ本の記録をつけています。
十代のころは、星の王子さまのイラストが描いてあるノートに、二十代初めのころは無印良品のノートに。今は手帳のフリーページに記録しています。

昨年の手帳を見たあと、今年の手帳の読書記録も見てみました。
これまたほんの半年前でも意外と覚えていないものです。
そうそう、この頃この作家さんにはまっていたな、とか、美術館で印象派展を見て印象派に関する本を読みあさっているな、など自分の心の動きがわかります。

一年のおしまいに、こういった読書の記録を読むことも、写真とはひと味ちがった楽しさのある振り返り方だと感じました。

書いてある本のタイトルを数えてみると、今年は現時点で74冊読んでいました。
圧倒的に小説が多いのですが、エッセイや美術関係、仕事のための自己啓発や専門書も読みました。たまに、タイトルだけでなく印象に残った言葉も書きとめていて、その言葉を見るとその本を読んだときの自分に会える気がします。

私が書いている2019年の読書記録はこんな感じ。

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今年は本棚ふうのデザインにしていました。

続けるためにも、記録は必要最小限です。
私は本を読むスピードが遅い方なのですが、そのぶん内容はしっかりと頭に入れています。それでも、琴線に触れた言葉を目にすると元気が出たり、頭をすっきりさせてくれます。
気に入った言葉を自分の字で書くことだけでも楽しい作業です。

本の記録を見たあと実際の本棚を見ると、当たり前ですが記録した本がごそっと置いてあります。付箋を貼られたり、ブックカバーをかけられたりしていますが、行儀よく並んでいます。中には本棚に入り切らなくて平積みにされている本たちもいます。

それが気の毒になって手に取ると、たまたま途中で読むのをやめてしまった本でした。
たしか夏の終わりごろに購入して読み始めたのですが、私の読解力の乏しさから、どうもすいすいと読み進められなくて、ほかの本に手を出し、そのまま忘れられた本です。

どんな本だったっけ、と栞をはさんでいるページを開くと、一気にお話を思い出しました。
そして、いくつかの文章を読むととてもおもしろいのです。
どうして、途中で読むのをやめたのかしら、と思いながら読み進めました。

本を読んでいると、私はそこにいながらそこにいません。
本は活字が印刷されているだけの紙束ですが、作者の頭(あるいは心)の世界に連れて行ってくれます。

そして読み終えたら、そこにいる私に戻りますが、本の世界に行く前の私とはわずかに違います。

途中で読むのをやめていた本の三分の二まで読んで、一旦休憩しました。
そして、最初のこの本と向き合った私と今の私はどうちがうのだろう、と思いました。
同じ私のはずなのに、そして本も同じはずなのに。
夏の終わりの私はこの本をおもしろいとは思えなかった。
でも、今はおもしろいと思う。

ページとページの間に時間が流れたのです。
本の中の世界は、栞がはさまっているところで止まったままなのに、私はきちんと進んでいる。

なんだか不思議でおかしくて、少しだけさみしくなりました。

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きっと、私はこれからも本から離れられないんだろうな、と思います。
本を通して昔に行ったり未来に行ったり。見たことのない世界に行ったり、死んだり。おじさんになったり、数字になったり。いろんな人生を知って、いろんな思考を知る。言葉と出会う。

たとえ、あまり相性が良くない本でも、なにかしらは吸収しています。
そして、本を手放しても手帳や私の心の本棚にはずっと並んでいます。
それらは、たしかに人生の栄養となっています。

これまで私を支えてくれてきた本たち。言葉たち。読書というひとつの体験。
2019年残りの数日も、来年もいろんな世界にお出かけするんだろうな。
そんなことを年末のある休日に、手帳を見ながら思いました。

今回も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

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おまけ
今年読んだ本たちの中で、特に気に入った本です。
一冊には絞れませんでした。

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