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016 アイロンすいすい*ふむもくエッセイ*

目が覚めたら、6時8分でした。
昨日はくたびれすぎて予期せずねむってしまったようです。
目覚まし時計がなくても、早い時間に起きられるものなんですね。
ベランダに出たらすでに明るくて、台風はやわらかな風を残して去っていました。
そして、街はきちんと夏に包まれているようでした。

午前中はわりとゆったり過ごせるので、こういうご機嫌な日はアイロンがけをします。
朝からエアコンをつけるのはあまり好きではないのですが、アイロンがけの日は別。
部屋が涼しくなるのと、アイロンが温まるのを待ちます。

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アイロンがけは好きですか?
私は好きです。あつあつのアイロンがすーっとブラウスのしわを伸ばしていくのはなんだ気持ちの良いものです。
しかし、好きと得意は別物でして、私は決してアイロンがけが上手ではありません。

そういうことってありますよね。
好きだけど、得意ではないこと。そんな片思いのようなものはほかにもあります。
英語とか、天文学とか、夏とか。

アイロンがけは、朝早くにまとめてかけるのが好きで、ベランダの近くで明るい日差しの中ですいすいとかけてゆきます。

私が初めてアイロンがけをしたのは、高校生の時でした。
制服のブラウスを自分でアイロンかけてみよう、と思ったのが始まりです。
しかし、いざアイロンを目の前にするとどうやってかけたら良いのか、どこからかけたら良いのかさっぱりわかりませんでした。絶対家庭科の授業でアイロンのかけ方は教わっているはずなのに…。

当時はインターネットがそれほど身近ではなかったので、調べる手立てもなくて途方にくれました。しばらくアイロンと見つめあった後、とりあえず思うままにかけてみよう、と勇敢に挑戦しました。おそらく作業の順番やら圧のかけ方やら誤りだらけだと思うのですが、なんだか意外とうまくいったのです。

よれっとなっていたブラウスがしゃきっと生き返ったような気がして、とてもうれしく思いました。その翌日、なんだかいつもよりも自信を持って登校できたことを覚えています。

正しいことを教わってから、または調べてからやることは失敗がなくて良いと思います。
でも、それができないときは、思い切って挑戦してみるのも良いかもしれません。
どんなことも、とりあえず一歩踏み出してみることのおもしろさを感じたエピソードでした。

ん?
ここまで書いて気づいたのですが、そういえば、あの頃のアイロンがけの仕方と今の仕方が全く一緒ですね。だから下手なのかも!
今日、正しいアイロンがけの仕方を調べてみます。

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ちなみに、私がアイロンがけをするのは夏限定です。
夏になると、職場がクールビズでジャケットを着用しなくてもよくなる代わりに、襟付きシャツを着用しなければならないのです。ジャケットをはおるときは薄いニットやカットソー、アイロン不要のノーカラーブラウスを着ているので、襟付きシャツを着る時だけアイロンが登場するということです。
また、私服でも夏は綿素材のブラウスをよく着るので、こちらのアイロンがけも必要になります。

大体は、見られるレベルまでしわをのばしてシャツを仕上げていますが、ときどきとてもうまく生き返らせることができて、そういうときはやっぱり、いつもより自信を持って出社することができます。

さてさて、アイロンが温まり過ぎているので、そろそろアイロンがけを始めます。
今日はうまくいくかしら。

今回も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

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おまけ

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