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ふむもくエッセイ

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ふむふむと思ったことと、もくもくと感じたうれしいことを集めました。
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#冬

148 星の下、風のなか

新年早々、仕事に追われてしまいました。 一瞬で暗くなる一日。走るように過ぎていく日々。 家に帰っても、くたくたな状態のまま仕事の調べものをしたり、情報収集をしたり。 今日はお休みだから午前中だけ、と思っても、気がついたら夕方…。 そんな風に過ごしていたら、ある日、仕事中に激しい頭痛に襲われました。 肩や首のこりからくる頭痛だとわかったのですが、鎮痛剤をのむ気にもなれず…。 結局、その日は残業をせずに帰ることにしました。 電車の中で鞄を開けようとしましたが、手が動きませんでし

146 冬のサイダー

ゆるやかな年末。 12月はきんと冷たい日が何日かあって、やさしい雨が紅葉とともに何日か降って、そして今年が終わろうとしています。お天気は上々。空の青さに惹かれて、お散歩に出ました。 プラネタリウムは、もちろん休館日でした。 周りに人もいないので、まぁるいドームを抱えて静かに佇んでいます。 ふと見上げると、3階の窓が開いていました。 お休みなのに?と思いましたが、よく見ると電気もついているようです。 プラネタリウムもきっと仕事納め。 中の人が来年を気持ちよく始められるように

145 受け継ぐ毛糸

コートを着てもすっと冷たい空気。布団から出るのが億劫な朝。 毛糸が恋しい季節になりました。 毛糸といえば、真っ先に祖母を思い出します。 祖母はいつも編み針を持っていて、さくさくさくといろいろなものを編んでくれました。 靴下、手袋、セーター…。 それらにおしげなく毛糸を使うので、どれももこもこであたたかさは抜群でした。 今日は、そんなもこもこのお話です。 ------------------- 小学生のとき、祖母が紺色のベストを編んでくれました。 網柄はないシンプルな