マガジンのカバー画像

ふむもくエッセイ

109
ふむふむと思ったことと、もくもくと感じたうれしいことを集めました。
運営しているクリエイター

2021年6月の記事一覧

160 光がそこにあるなら

ある雨降りの夜。うっかりベランダのあかりをつけたままにしていた。 その日は昼から薄暗かったので、ベランダに出る時にあかりをつけ、その後すっかり忘れていたのだ。就寝時に部屋の電気を消した時、ぼわっと外が明るくて、ライトをつけっぱなしにしていることに気がついた。 消さなくちゃと思い、ベランダの近くに行くと薄オレンジのあかりが雨の雫を輝かせていていた。その美しさに目を奪われ、スイッチに手をかけたまましばらくガラス越しに外を眺めていた。夜と水と光。そろそろ蛍が出てくる頃だろうか。

159 お茶と言葉と降り暮らす

雨の音が聞こえると心静かになるのはなぜだろう。 しとしとしと ぽつぽつ ぽちゃんぽちゃん 天から降る恵みの水は、降り立つ場所によって音が変わり、それが奥深い自然の音楽を生み出している。雨自体を見なくても、音を聞くだけで水滴の大きさが想像できることもある。 ------------------- 新年度が始まり、四月からばたばたと忙しく過ごしていた。 新しい仕事内容に新しいメンバー、業務形態も少し変わった。 休日はなるべく気分転換をするようにしていたが、なんとなく仕事の