160 光がそこにあるなら
ある雨降りの夜。うっかりベランダのあかりをつけたままにしていた。
その日は昼から薄暗かったので、ベランダに出る時にあかりをつけ、その後すっかり忘れていたのだ。就寝時に部屋の電気を消した時、ぼわっと外が明るくて、ライトをつけっぱなしにしていることに気がついた。
消さなくちゃと思い、ベランダの近くに行くと薄オレンジのあかりが雨の雫を輝かせていていた。その美しさに目を奪われ、スイッチに手をかけたまましばらくガラス越しに外を眺めていた。夜と水と光。そろそろ蛍が出てくる頃だろうか。