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ふむもくエッセイ

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ふむふむと思ったことと、もくもくと感じたうれしいことを集めました。
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2020年8月の記事一覧

132 夕立を繰り返して

これまで、あらゆる人々があらゆることばで「終わりは始まりである」と伝えてきました。 ストレートな表現で、あるいは、さまざまな比喩を駆使して。 短いシンプルなことばで、あるいは長編小説で。 「終わりは始まりである」 希望と絶望を同時に感じることばだと思います。 夕立が訪れたとき、私はたいてい屋内にいます。 仕事をしているときは、会社の建物の頑丈さのおかげで気がつかないときもありますが、自宅にいるときは必ず気がつきます。 夕立。 私は夕立がすきです。 その突然はじまる感じ、

131 熱帯夜熱帯魚

暑さで目が覚める季節です。 しっとりと湿気を帯びていて、寝苦しい夜。 私は、ずっとエアコンをつけておくことにどうしても抵抗があって、夜中にタイマーをかけて自動で切れるよう設定しています。そうすると、エアコンが切れた数時間後に目が覚めてしまいます。 この前も、寝苦しくて目を覚ましました。 ベッドの横にある窓の向こうには、朝の気配すらない真っ暗な夜が広がっています。 じっとりとパジャマが張り付くような感覚。 髪の毛すら煩わしく、すっかり目が冴えてしまいました。 午前4時すぎ。