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ふむもくエッセイ

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ふむふむと思ったことと、もくもくと感じたうれしいことを集めました。
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2020年7月の記事一覧

128 雲のような

むしむしと暑くなる日々。 電車から降りて職場まで歩いて五分。 それでも、会社に入るまでの間にじんわりと汗をかく季節になりました。 周りを歩く人も小型の扇風機を持っていたり、ハンカチでしきりと汗を拭っていたり。 なんとなく、早歩きになっている気がします。 ふと、視線を感じました。 視線の方にぱっと顔を向けると、二年前仕事で知り合った男の子がいました。 高校は二年前に卒業しましたが、浪人することを決意して卒業したので、その後どうなったか気になっていた男の子です。 男の子は電

126 ごきげんオムレツ

太陽の光がまぶしい季節になりました。 洗濯物を干すとき、植物にお水をあげるとき、日焼けしたくないなぁと思いつつも、光の明るさにうれしくなります。 みなさんが思う、七月のイメージカラーは何色ですか。 職場でこの話題が出たときに、人によってこんなに色のイメージが違うんだ!と発見がありました。 みずいろ、と言った人がいました。 空の青さや、海はもちろんのこと、行きつけのバーで夏限定の水色のカクテルが出るそうです。そのイメージが強くて…とのこと。 みどりいろ、と言った人もいまし

125 雨の歌

雨続きの日々。 休日の朝もやっぱり雨が降っていました。 その日の雨は静かな雨。細くて繊細なやさしい雨です。 音が聞こえなくても、目が覚めたときに雨が降っているとわかるのはなぜでしょう。 きっと、気配とか、においとか、明るさとか、雨そのものが放つ雰囲気があるのでしょうね。 休日の雨はきらいではありません。 窓の外に滴る透明な水模様は、眺めているとどこか心穏やかになるものです。 私がいる小さな世界が水で覆われている。グレイで、ややスモーキーで、透明な世界。 生きていることがちょ