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125 雨の歌

雨続きの日々。
休日の朝もやっぱり雨が降っていました。
その日の雨は静かな雨。細くて繊細なやさしい雨です。
音が聞こえなくても、目が覚めたときに雨が降っているとわかるのはなぜでしょう。
きっと、気配とか、においとか、明るさとか、雨そのものが放つ雰囲気があるのでしょうね。

休日の雨はきらいではありません。
窓の外に滴る透明な水模様は、眺めているとどこか心穏やかになるものです。
私がいる小さな世界が水で覆われている。グレイで、ややスモーキーで、透明な世界。
生きていることがちょっと好きになる瞬間です。

雨の音なき歌を聴きながら、お湯をわかします。
お湯も透明。ふつふつと沸騰へ進むにつれて、水泡が下からわきあがるのも美しいものです。
小さな泡から大きな泡に。生まれては消えていく水のたま。

お茶を入れようと思ってわかしたけれど、透明が綺麗なので白湯にしました。
白っぽい湯気がコップから立つのも素敵。
ふぅふぅ冷ましていただきます。

もちろん、味はあまりしません。
でも、色のない日に色のない飲みものもいいなと思います。

雨が止む気配はありません。
さっきよりも少しだけ音があります。
さぁさぁさぁ。
なんて涼やかで、きれいな音でしょう。

目を閉じて、雨の調べを味わいます。
音はあるけれど静かな音楽。
連続的でやわらかい音楽。

この雨は、ずっと止まないかもしれません。
明日も明後日も明々後日も、一週間後も一ヶ月後も一年後も。
地球ができたときみたいに何百年も。

たしかなことなんて、この世界にはなにもないのに、永遠を信じてしまうような。
水だけが知っているやさしさを垣間見てしまったような。


そんな雨が降っていました。


この季節ならではの雨の記録でした。

今回も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。


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おまけ-ちょっとしたお知らせ

Twitterでもお知らせしましたが、「MegRu」というアート系フリーペーパー39号の9ページに私のイラストを掲載していただきました。

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※こちらの写真は表紙です。私の作品ではありません。

39号のテーマは「カフェ・アート」。私は緑が豊かな季節のカフェイメージしたイラストを描き下ろしました。どんなイラストかは、見てのお楽しみ。
あたたかな表紙からわかるように、ほかの作家さん達の作品も素敵なものばかりで、どのページも楽しめる一冊です。

2020年7月1日発行。
「MegRu」の設置場所はこちらです。

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冊子のページを撮影したものなので、見えにくいかもしれません。。

無料の冊子です。
もし見かけたら、ぜひお手に取ってみてくださいね。

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Twitterもしています。
ゆるゆるとプチふむふむともくもくをつぶやいています。
写真やnoteで紹介したイラストを載せています。
ぜひ遊びに来てくださいね。
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