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ふむもくエッセイ

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ふむふむと思ったことと、もくもくと感じたうれしいことを集めました。
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2019年12月の記事一覧

098 お気に入りの風景を切り取って

お気に入りの風景はありますか。 写真でも、行ったことのある場所でも、普段通る道でも。 その場所を目にすると、疲れていてもちょっと嬉しくなるような。 あるいは、安心するような。 そんなお気に入りの風景はありますか。 私はあります。 今回は、私のお気に入り風景を三つご紹介します。 1 日曜の午前中、自宅の窓辺 私が暮らしているマンションは、古いのですが日当たりが良いので、お天気の良い午前中は至福のひとときです。 カーテンを開けていると、さんさんとお日さまが入ってきます

095 30秒の小さくて確かなしあわせ

お日さまが今にも出そうな朝の時間。 ベランダに出たら、息が白くてうれしくなりました。ふわっと浮かぶ呼吸の形。 ただの息なのに、いつもしていることなのに、ちょっと楽しくなります。 やわらかく広がっていく自分の生きている証を見て、あ、うれしい、と。 冬が教えてくれる、小さなたのしみです。 こんな風に、普段は意識しないことでも、気づけばうれしさで胸いっぱいになることがあります。 -------------------- この前の休日、電車に乗って海へ行きました。 さむくなって

093 美しく強い花

もし、木曜日がお休みだったらなにをしますか。 その木曜日がきれいに晴れていて、なんだか体も元気で、早起きをしたら。 しっかりと冷えた空気とおだやかな陽の光の中で、予定はなにもありません。 なにをしますか。 洗濯とか掃除とかアイロンがけとか。 洗濯は洋服だけでなく、マットも洗って。掃除はささっと。 アイロンがけは…夜にしましょう。 こんな感じでひととおり家仕事が終わったら、お出かけしましょ。 木曜日がお休みの方はあまりいないせいか、街も公園もなんだか静か。 冬はぐんと冷たい

092 落ちていく時間

朝、勇気を出して窓をあけたら空きれいに晴れていて、ちょっとうれしい気持ち。 でも、空気はぐんと冷たいです(さむい朝に窓をあけることは、ちょっとした覚悟が必要なのです)。 すいっと冷えた空気が私を包んで、鼻から体の中まで冷やします。 さむい。でもなんだかいい気持ち。 そう思って見上げると、思っていたよりもずっと速く雲が流れていました。 いつもはどちらかというと止まっているように見える雲がふいふいと流れていきます。 あ、きちんと時間は流れている。 こんな風に、あたりまえのこ