洟はかむのか、すするのか?(欧州基準と日本)

日本人は洟をすする。
かむ人も居るが、啜っても汚いものでも見る目で睨まれはしない。
ズルズル〜っと、又は間欠的にズッ、ズッとすする。
人前で洟をかむなんて、「恥ずかしい。」「無理!」という人だって居る。
高校時代の友人は、授業中に机の陰で音を立てないよう、ソーッと洟をかんでいる時、先生に指されてしまった。
注目を浴びる中、顔を上げた彼女は、なんと恥ずかしさのあまり泣き出してしまったのである。

ヨーロッパでは、洟はかむ。
ズルズルしていたら睨まれる。
それこそ、「汚い。」と思われる。
潔く、盛大に音をたてて、チーンとかビーッとかむ。
ハンカチでかむ人、ティッシュでかむ人、どちらも居る。
ティッシュは、日本で言うティッシュと違って、もう少し頑丈な質感である。
それで2〜3回はかむ。
一回かんだらびしょびしょになってしまう日本のティッシュは、ドイツでは「化粧用ティッシュ」と言う。

トイレで排尿時に出る音もOK。
日本の公共トイレの「音姫」の話をすると、ドイツ人はビックリする。
何故、そんなものが必要なのか?と。
音を紛らわすために、水を流したりしたら、エコなドイツ人に糾弾されてしまうだろう。
「勿体ない!」
職場のトイレに列ができた時など、
「お願い。急いで〜。」とふざけて言うと、
個室の中から、
「任せて。」という返事と共に、いきんで排尿を済ませようとする、シャー!という盛大な音がしてきた。

水はザーザー流さない。
洗い物をするときでも、流しっぱなしにはしない。
以前、友人の家で、水道の水をジャージャー流しながらお皿を洗っていたら、すっ飛んできた友人に蛇口を閉められてしまった。
しどろもどろに、
「日本では、湯水のように使う、という表現があって…それは日本が海に囲まれているから、水は無尽蔵にあると思っていて…」と言い訳をした。

水の話でした。



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