見出し画像

ヴィーガンになった息子

我が家の次男がハタチ過ぎて突然ヴィーガンになった。

ドイツで育った若者なので、あるある、ではある。
ドイツでは、人口の約3%がヴィーガンである。
若者世代に限れば、そのパーセンテージはずっと上がるだろう。
彼らは一切の動物性食品を口にしない。

それまで普通に日本食、中華、イタリアンetc.が食卓に上っていた我が家にヴィーガン発生…

何が起こるか?
味噌汁は、今まで鰹出汁だったのが、椎茸、昆布出汁になる。(やだ)

朝食から卵が消える。パンにバターはつけず、ジャムやピーナッツバターをつける。
ミュズリーと呼ばれる鳥の餌もどきを良く食べるが、牛乳、ヨーグルトがNGなので、果汁でふやかしているようだ。

食の好みや健康のためにやっているわけではない。
確固としたイデオロギーがあるらしい。
畜産業は温室効果ガス排出という面で、環境に悪影響を及ぼす。だから反対。
家畜の多頭飼いは、動物愛護の精神から反対。
魚介乱獲は生態系を壊す。反対。

例えば、自分で釣った魚を食べるとか、猟をして仕留めた鳥獣を食べることはOKらしい。
今の畜産業、漁業のあり方に反対なのだ。

家族4人で外食する。
ヴィーガン・レストランを探すところから始まる。

探そうと思えばいくらでもあるが、こちらとしては全く嬉しくない。
寿司屋に行っても、彼が食べられるのはかっぱ巻きと新香巻きくらい。
おのおの勝手に注文すればいいようなものだが、食事って、皆んなで楽しむものでしょう?「この中トロ最高!」と言っている家族の隣で、お新香ポリポリ齧られた日にゃ…

ヴィーガンは、ある意味で環境保護に一役かっているとは言えよう。

しかし、ヴィーガンは本当にサスティナブルか?

タンパク質やカルシウム不足にならないか?
知り合いのヴィーガンは皆一様に痩せていて皺々である。
君たちは健康なのか?

次男は、数年のヴィーガン路線を経て、最近、普通食に戻って来た。
肉も魚も食べるが、野菜、果物が多い食生活である。
何を思ったのかは分からないけれど、イデオロギーで肉体を律することは出来なかったようである。

何かを急激に、ドラスティックに変えることには、いつも危険が伴う。
今のサスティナブル路線は頭で考えた『正しい方向』。
人は、緩やかに体や本能の声を聞きながら行動するのが一番間違えがない気がする。








#未来のためにできること

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?