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謎の一枚

たまにはお店の商品の事を書いてみようと思う。写真は直近の仕入れでPickしてきてもう旅立ってしまったitemである。写真では伝わりにくいがこんなスウェットであった。

まずこれはいつ作られたのかどこで作られたのかは全く持ってわからない。唯一分かるのはアメリカから買ってきたものであるという事だけ。スウェットなんだけど細部の作りがオリジナリティに溢れている。袖口のリブは細いし裾にはリブは無く形もストンと落ちている。有りもののボディを使用していないのは一目瞭然。

そしてスウェットを裏返した裏側が表になっていてそこにこのプリントが施されている。内側に表地がきているという事。一面にこの色数でプリントされている事はかなりの手間であり値段もかかる作業。

昔のアメリカの麻袋に施されていたようなタッチのデザインと配置でその時点でもう格好良い。こう言ったアウトロー的な古着にはあまり出会えないしそれがなんなのかわからないアイテムは凄く惹きつけられてしまう。

それでいて着た時のシルエットが抜群に良かったのである。唯一タグが首元に付いていたのだけれど曲がっていたし服に似合わず少し新しそうな雰囲気の取って付けたような謎のタグが縫い付けられていた。

謎である。何も分からないこう言った商品は想像がグルグル回って考える時間が発生しそれがまた面白い。好き者のお客様とはそんな想像話に花が咲くのも古着の面白い所だ。

ネームバリューも知名度もない一つの謎の洋服は佇まいだけで語りかけてくる。この商品だけが持てた風格と過ごしてきた時間が洋服の年輪となり目に見えない雰囲気を形成している。これからもこんなアンダーグラウンドの一級品に出会いたくてずっと私は古着を探し続ける。

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