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「先輩の時間を奪ってはいけない」なんて、気にしないで

先輩の時間を奪ってはいけない?

人に時間を割いてもらうことは、相手の時間を奪っているのだから、先輩になんでもかんでも教えを乞うものではない。

そんな話をよく耳にします。

たしかに、一理あるかもしれません。

時間は限られているので、その貴重な時間から教えてもらう時間を捻出してもらっている意識は必要だと思います。

とはいえ、「奪う」という表現は、いささか乱暴ではないでしょうか。

奪うというのは、相手から無理やり取り上げることです。

そもそも、後輩に「教えて欲しい事があるんですけど、お時間よろしいですか?」と言われた時、先輩には「今、忙しいから。」と断る権利もあるわけです。

なので、「奪う」という表現自体がおかしい。
罪悪感を相手に植え付ける目的で用いられているような気がしてしまいます。

「先輩の時間を奪うな!」は、時間を使いたくない先輩が都合良く取り繕った言葉なのかもしれないと最近では思うようになりました。

そもそも後輩育成は、先輩の仕事の一つ

先輩は多くの場合、後輩よりも高い給料をもらっています。

その給料には、良い仕事をする対価としてだけでなく、後輩を育成して組織全体の成長と繁栄を加速させていく責任も含まれているはずです。

それなら、後輩が教えを乞うてきた時には快く応じて、困らないように支援しながら、自分で解決できる方法も伝え、自立が早まるように手伝って初めて、組織に求められた仕事をやり切っているといえるのではないでしょうか。

後輩に時間を使いたい先輩もいる

後輩に頼ってもらえたり、教えた時に感謝してもらえたり、実際に後輩が成長していく姿を見るのが嬉しいと感じる先輩も少なからずいます。

私が新人の頃、忙しい中でも必ず時間を取って相談に乗ってくれる先輩がいました。

私がひどく怒られて落ち込んでいる時に、時間を取って慰めてくれる先輩もいました。

また、大学院の実習の時、私は診療看護師(NP)の資格が取得できる大学院に通っていたので実習は指導医に教えてもらいながら学習するのですが、ほとんどの指導医は質問した時に嫌な顔一つせず、私が理解するまで丁寧に教えてくれました。

基本的なことも理解できていなくて明らかに勉強不足だったとしても、です。

驚いたのは、ある指導医に言われた言葉です。

「質問しても嫌な顔されたり教えてもらえなかった時は、もうその人に聞かなくていいよ。どうせ、教えられないんだから。なんでも私に聴けばいい。私の知識の確認にもなるんだから。」

この言葉は、「それくらい、自分で勉強して。」と言われ続けた新人看護師時代を過ごした私にとっては衝撃でした。

そして、その姿に憧れ、このマインドで私も後輩に時間を使っていこうと心に誓いました。

先輩に「時間を使って良かった」と思ってもらうのも大事

冒頭で、「奪う」という表現はおかしい。なぜなら、先輩にも断る権利があるから、という話をしました。

そうなんです。先輩には、断る権利があります。

つまり、先輩に時間を使ってもらうには、「時間を使って良かった。」と思ってもらわないといけません。

特に仕事となると教育は投資です。
教育した分だけ成長して組織に貢献してくれそうな人に先輩や管理者は優先的に時間を使うようになります。

なので、先輩に教えてもらったことを実践しなかったり、繰り返し同じことを質問したり、教えてもらって当たり前のような態度を取ったりしていると、次第に愛想をつかされて先輩に時間を使ってもらえなくなります。

つまり、先輩は無条件に時間を割いてはくれないので、先輩から時間を奪うことは実質できず、時間を使ってもらった結果、「この人に時間を使っても無駄だな。」と思われてしまうと先輩から距離を取られるようになるかもしれません。

先輩から多くのことを教わるには「教わり力」も重要です。
教わり力は、以下の3つのポイントを意識すると高められます。

  • 時間を使ってくれたことに感謝する。

  • 教わったことを実践する。

  • 実践した結果を報告する。

「教わり力」を高めることで、先輩から困った時に支援を受けやすくなり、成長も早くなります。

先輩は、どんどん頼ろう

「先輩の時間を奪うな」という教えは、聞き流しましょう。

「先輩に時間を割いてもらえるのは当たり前ではないから、先輩が時間を使って良かったなと思ってもらえるように少しでも早く一人前になろう。」という心持ちで努力していれば、どんどん先輩に頼っていいと思います。

もし、頼れる先輩がいない環境なら、環境を変えたほうがいいです。
環境は成長を大きく左右します。
才能があったとしても環境によって、才能が枯れてしまうかもしれません。

そんなもったいないことをしてはいけません。

良い環境は必ずありますから、自分の才能が開花する環境を積極的に探していきましょう。

私の職場なら、あなたの才能も一気に花開くかも。
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