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日日と魂に:子育てや疾患についての走り書き_9

2023/11/2
朝から練馬の家を飛び出して、新宿へ邦画を2本見に行く。都心の映画館に出かけるのは、これを機にしばらく控えることとする。
車で移動中、渋滞にハマったことで酷く焦り、車を路肩に停めてこれまた無駄に妻へ電話。つくづく重い彼。出来た妻は優しい言葉をかけてくれ、解決策を淡々と教えてくれる。
あんまり情けなかったため、帰りは妻が妊娠中に唯一吐かずに美味しく食べられたRITUELのケーキを買って帰る。映画はどちらも好み。久しぶりに劇場で満足感を味わうことができ、無性に嬉しくなる。いずれもっと大事な作品になる。
帰宅後の夜、高校の同級生から出産報告。LINEでおめでとうを送った。またLINEグループ内の別の親友で、発症後ずっと返事が出来てなかった奴にも返信を送ることが出来た。今思えば快復に向け非常に大きな一歩。
娘はこの日も風呂で泣いたが、シナぷしゅのテーマを大声で歌ってあげたら胸の上で泣き止んでくれた。全身の力が抜けるほど安堵する。娘に心身ともに揺さぶられっぱなしの2ヵ月。今後は妻の家事、育児負担をなんとか減らしたい。

11/3
親友からのLINEの返信を確認し、拍子抜け。あれだけ苦痛を伴っていた他者との連絡のやり取りは、ものの数分で終了した。軽さを演出しつつも、こちらを最低限安心させてくれる、見た目以上に温かさのある文面だった。もっと、家族以外の人を信じていいのかもしれない。
寝付きは変わらず悪く、数時間連続で睡眠をとることも難しいが、その疲労感、倦怠感に徐々に慣れる。時間の感覚の調整を続ける。引越し作業も日々の家事も、一つずつ足下から済ませる。娘の母親に対する追っかけの様子を見て、現在の妻である彼女に依存し切っていた若い頃の自分を思い出して全身に戦慄みたいなものが走る。

11/4
梱包↔︎寝落ち繰り返し。

11/5
ひたすら梱包。娘は今日も入浴でジタバタと泣き騒ぐ。しんどキュート。


この頃、水曜どうでしょう以外のテレビはテレ東坂道3グループのホーム番組が心苦しくなく見られるようになる。アイドルの偉大さ、青春などという言葉で一義的に片付けようとしない時間の使い方に感銘を受け、勇気を貰う。ほのすのあらゆる困り顔に数ヵ月間心を奪われ続けたといえる。惚けた顔で画面を見つめていると妻に「この子はあなたをちゃんと正面からフッてくれる良い人だね」と言われ、よく分からない感情だが絶句する(つまり、その表現の的確さに傷付くように感動したが→起こり得ないシチュに対し的確さという語句を自分の中で用いている=リアリティを感じていた自意識の過剰さに我ながら引いた)。

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