蕎麦の食べ方

蕎麦通(そばつう)で通っている人は、かえし(そばつゆ)をほんの少しつけて食べるという。蕎麦をかえしにドボンとつけないそうだ。ただ、その蕎麦通の人が、死ぬ前に、「一度でいいから蕎麦をかえしに存分に浸して食べてみたかった」という言葉を残したというのを聞いて、うーむと唸ってしまった。これはどういうことだろうか。野暮だと思われるのが嫌で、本当はやってみたいことをしないで死んでしまったということなのだろうか。

いつもおそばをかえしにドボンと浸して好きなようにわさびとネギを散らして野暮に食べていた私にはわからないことだけれど、ダサいと思われるのは怖いと思うところはある。この文だって、評価なんてされるどころか誰にも読んでもらえない可能性だって大きい。noteをやりたいと思ってからやり始めるにも、ものすんごく時間をかけてしまった。でも、自分の中にある小さな火のようなものを見て見ぬ振りをするのは嫌になったのです。

野暮なことをやるのは死んでも嫌。という人は死ぬまで粋に生きたらいい。やりたいことをやらずに死ぬのは死んでも嫌。という人はダサくてもやりたいことをやったほうがいいということになるのかな。


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